「こんにちわッ、テディちゃでス!
けッしょうゥ、しんしゅつゥ~ッ!」
「がるる!ぐるるぅる~!」(←訳:虎です!泣いちゃう~!)
こんにちは、ネーさです。
WBC2023、JAPANは激戦を経て決勝の舞台へ!
日本の選手さんたちに、そしてメキシコの選手さんたちにも
全力で最大の拍手を送り、
明日の決勝戦での幸運を祈りながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 山怪 《朱》 ――
著者は田中康弘(たなか・やすひろ)さん、
2023年1月に発行されました。
『山人が語る不思議な話』と副題が付されています。
山中の怪しい出来事を語って人気&長寿の
《山怪》シリーズ最新作は、
おお、なんと、
我らが地元・高尾山から幕開けとなりました♫
「あわわわッ、そッ、それはァ~」
「ぐるるるがるるるぅ!」(←訳:怖いけど読まなきゃ!)
深山幽谷――そこは、ときに人智の及ばぬ
不思議な事象が起こるところ……
いや、高尾山は違うでしょ。
標高は低いし、
登山客さんは世界有数の多さだし、
市街地は近いし、
ケーブルカーやビアガーデンだってあるのに、
怪異とか無いでしょ。
と、多くの方々が思われるかもしれませんが。
「ばしょにィよッてはァ~…」
「がっるるぐるる!」(←訳:けっこう怖いよ!)
喧騒は昼間だけのもの。
山道に、街灯や照明はありません。
ひんやりした空気の早朝、
湿度が増してゆく夕暮れ時に、
ふっと視線を向けてみれば。
あら、誰かがいる。
名所となっている『蛸杉(たこすぎ)』の横に。
白い髪の、
白いヒゲの、
作務衣のような衣服のご老人が、
静かに座っている。
けれど、
一緒に歩いていた友人たちは誰も
白ヒゲのご老人を目撃していなかった。
あのご老人は、仙人だった……?
「ありそうゥ~なのでス!」
「ぐるがる!」(←訳:お山では!)
町では起こらないことも、山でなら。
奥多摩や、秩父の山。
越後、松前半島、白神山地、飛騨、
土佐、九州――
各地の《怪》なる出来事とともに
印象的だったのは、
《彼岸の中日には山へ行くな》
と言い伝えられている地方もあることでした
(本文226ページ)。
今日3月21日は、
春のお彼岸の、中日。
眠っていた山々が、山の神様が、
目覚める日なのでしょうか。
「おやまァあるきィはァ~」
「がるる!」(←訳:慎重に!)
永遠の異界と現世の、
一瞬の交錯。
怖い話好きな方々に、
山の伝説が好きな活字マニアさんにも
おすすめの労作ですよ。
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪