テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 山を歩いて、振り向けば。 ~

2023-03-21 22:06:03 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 けッしょうゥ、しんしゅつゥ~ッ!」

「がるる!ぐるるぅる~!」(←訳:虎です!泣いちゃう~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 WBC2023、JAPANは激戦を経て決勝の舞台へ!

 日本の選手さんたちに、そしてメキシコの選手さんたちにも

 全力で最大の拍手を送り、

 明日の決勝戦での幸運を祈りながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 山怪 《朱》 ――

 

 

 著者は田中康弘(たなか・やすひろ)さん、

 2023年1月に発行されました。

 『山人が語る不思議な話』と副題が付されています。

 

 山中の怪しい出来事を語って人気&長寿の

 《山怪》シリーズ最新作は、

 おお、なんと、

 我らが地元・高尾山から幕開けとなりました♫

 

「あわわわッ、そッ、それはァ~」

「ぐるるるがるるるぅ!」(←訳:怖いけど読まなきゃ!)

 

 深山幽谷――そこは、ときに人智の及ばぬ

 不思議な事象が起こるところ……

 

   いや、高尾山は違うでしょ。

   標高は低いし、

   登山客さんは世界有数の多さだし、

   市街地は近いし、

   ケーブルカーやビアガーデンだってあるのに、

   怪異とか無いでしょ。

 

 と、多くの方々が思われるかもしれませんが。

 

「ばしょにィよッてはァ~…」

「がっるるぐるる!」(←訳:けっこう怖いよ!)

 

 喧騒は昼間だけのもの。

 山道に、街灯や照明はありません。

 ひんやりした空気の早朝、

 湿度が増してゆく夕暮れ時に、

 ふっと視線を向けてみれば。

 

 あら、誰かがいる。

 

 名所となっている『蛸杉(たこすぎ)』の横に。

 白い髪の、

 白いヒゲの、

 作務衣のような衣服のご老人が、

 静かに座っている。

 

 けれど、

 一緒に歩いていた友人たちは誰も

 白ヒゲのご老人を目撃していなかった。

 

 あのご老人は、仙人だった……?

 

「ありそうゥ~なのでス!」

「ぐるがる!」(←訳:お山では!)

 

 町では起こらないことも、山でなら。

 

 奥多摩や、秩父の山。

 越後、松前半島、白神山地、飛騨、

 土佐、九州――

 

 各地の《怪》なる出来事とともに

 印象的だったのは、

 《彼岸の中日には山へ行くな》

 と言い伝えられている地方もあることでした

 (本文226ページ)。

 

 今日3月21日は、

 春のお彼岸の、中日。

 眠っていた山々が、山の神様が、

 目覚める日なのでしょうか。

 

「おやまァあるきィはァ~」

「がるる!」(←訳:慎重に!)

 

 永遠の異界と現世の、

 一瞬の交錯。

 

 怖い話好きな方々に、

 山の伝説が好きな活字マニアさんにも

 おすすめの労作ですよ。

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

コメント
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