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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 戦場の夢、稲穂の夢。 ~

2023-03-08 22:00:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むむむゥ! おみごとォ~なのでス!」

「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!吉宗さま~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 NHKドラマ10『大奥』が胸熱すぎる展開で、

 少しばかり影が薄くなりがちなのは

 大河ドラマ『どうする家康』……

 そこで本日の読書タイムは、

 『どう家』激励の思いをこめて、

 ↓こちらの新書を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― 戦国、まずい飯! ――

 

 

 著者は黒澤はゆま(くろさわ・はゆま)さん、

 2020年2月に発行されました。

 

 流通機構が整って

 現代とよく似た食材が揃い、

 多くの美食家さんが、今日はコレ食べました!

 コレにはこんな調理法があります!と

 記録を残している江戸時代に比べ、

 戦国時代のゴハンってどんなものだったの?

 という疑問に迫るノンフィクション作品です。

 

「せんごくゥじだいィ~…?」

「ぐっるるがるる……」(←訳:すっごく不安だ……)

 

 前回記事では『町田忍の昭和遺産100』をご紹介しながら、

 映画『となりのトトロ』に触れました。

 なんと、この御本の第一章冒頭でも、

 著者・黒澤さんは『となりのトトロ』に言及しています。

 

 宮崎駿さんが描いたあの風景、あの村を、

 戦国大名が見たら。

 

   《その富裕に驚愕し、

    よだれをたらさんばかりに欲しがったに違いない》

 

 なぜなら、

 ああ、ふっくら美味しい白米が実る田んぼ!

 畑には作物がどっさり!

 放ったらかしの荒れ地がない!

 

 それはまさに、

 領主の、農民の、夢の郷里。 

 

「というゥことはァ~…」

「がるぐるがるるる?」(←訳:その頃のごはんは?)

 

 戦国時代の武士たちは、

 どんな食事をしていたのでしょうか。

 

 黒澤さんが探ってゆくと、

 徐々に明らかになってきたのは、

 

 主食は、赤米?

 煮た里芋は大の御馳走!

 お醤油は贅沢品で、

 栄養のモトは味噌?

 

「そぼくゥ、でスねェ~…」

「ぐるるがる……!」(←訳:素朴で質素だ……!)

 

 また、黒澤さんは文献に当たるだけでなく、

 実践、いえ、実食にも挑みます。

 

 干し飯(ほしいい)。

 古くは『日本書紀』に記され、

 小説やマンガにもしばしば登場する、

 ごはんを乾燥させて、

 保存&持ち運び可能にする……という、

 現代でいうなら“フリーズドライごはん“とは、

 さて、どんなものだろうか、と。

 

 この作業――

 干し飯を実際に製作し、

 美味しく食べる工夫を発見してゆく行程に、

 何度もハラハラさせられたり、

 感心したり……

 ふう、

 《食べる》とは、まことにタイヘンなことです。

 

「ごはんのォ、ありがたさッ!」

「がるるるるぐる!」(←訳:あらためて感謝!)

 

 お酒、ほうとう、芋汁。

 肉食の有無、

 家康さんが愛した豆味噌の文化。

 

 『どうする家康』ファンの方々、

 時代小説好きな活字マニアさんにも

 おすすめの一冊です。

 稲穂が揺れる広大な水田を夢見た古人に想い馳せつつ、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪