「こんにちわッ、テディちゃでス!
♪るるゥ~♪まなつのォぴィ~くがァ~♪」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!名曲が今年も!)
こんにちは、ネーさです。
フジファブリックさんの『若者のすべて』が
今年もまたラジオから聴こえてきました……
夏の終わりを実感しながらの読書タイムは、
さあ、こちらのコミック作品を、どうぞ~!
―― 項羽と劉邦、あと田中 1 ――
原作は古寺谷雉(こじや・きじ)さん、
漫画は亜希乃千紗(あきの・ちさ)さん、
キャラクター原案は獅子猿(ししざる)さん、
2020年7月に発行されました。
「こううゥとォ、りゅうほうゥ!」
「……ぐるがる??」(←訳:……あと田中?)
《項羽と劉邦》といえば、
紀元前206年~紀元前202年に
秦王朝滅亡後の覇権をめぐって
西楚の項羽と漢の劉邦の間で起きた
楚漢戦争(そかんせんそう)を指します。
三国志(180年頃~280年頃)よりも前の、
戦乱の時代を背景にした
ふたりの英雄の対決は、
古今のクリエイターさんを魅了し、
小説、映画、TVドラマ、漫画、と
さまざまな《項羽と劉邦》が生み出されています、が。
「むむむゥ! これはッ??」
「がる~!」(←訳:転生~!)
現代の、つまり21世紀の東京で、
フツーに会社員をやっている
田中(たなか)さん。
その田中さんが、いったいどういう訳か、
《項羽と劉邦》の時代の古代中国へ、
ふっ飛ばされてしまいました。
いえ、正確には、
《項羽と劉邦》前夜の時代、でしょうか。
項羽さんも劉邦さんも、
まだまだ、名を馳せるには至っておらず、
けれど秦王朝崩壊の兆しがあちこちに窺え始めた、
そんなところへ。
田中さん、やって来ちゃった、のですね。
「かえりたいィ~よゥ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:でも帰れない!)
ここは、どこ?
日本……じゃないの?
帰りたいんだけどー!
ああ……帰りたくても、帰る方法が分かりません。
まずはとにかく、生き延びることを目標に、
見知らぬ土地を歩き始めた田中さん、
さっそくトラブルに巻き込まれてしまって。
「はやくもォ、ぴんちィ!」
「がるぐるる!」(←訳:誰か助けて!)
“誰か”は現われました。
危うい所を救ってくれたその人物から、
田中さんは今いるここが
秦王朝末期の古代中国である、と知ります。
そして、どうやら、
我が一族の者か!
という、誤解もされちゃった?
「いちぞくゥ??」
「ぐるっる?」(←訳:誤解って?)
窮地から助け出してくれたその人物の名は、
田横(でん・おう)。
横さんは、田中さんを
田中(でん・ちゅう)と呼び、
田(でん)一族の者であると早トチリ、
いえ、認定してしまいます。
「ぷふふッ!」
「がるるっ!」
思いがけず、古代の異国に
“居場所“を得ることとなった田中さん。
彼の眼に映るのは、
刻々と迫る王朝の終焉、
不穏な戦乱の気配。
現代の日本に戻れるよう願う一方で、
しかし、
田一族を見捨てたくはない田中さんの運命は……?
「たなかさんッ、がんばッてェ~!」
「ぐるるるる~!」(←訳:くらいつけ~!)
はたして、田中さんというファクターは、
歴史を変えてしまうのでしょうか――
コミカルな転生モノ、という以上の、
インパクトある大冒険絵巻は、
歴史好きな活字マニアさんにおすすめですよ。
小説好きな方々は原作の小説版で、
マンガ派さんはこのコミック作品で、
波乱万丈な田中さんの古代世界時間旅行を
存分に楽しんでくださいね~♫