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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 田中が、変えます! ~

2022-08-25 20:42:27 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ♪るるゥ~♪まなつのォぴィ~くがァ~♪」

「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!名曲が今年も!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 フジファブリックさんの『若者のすべて』が

 今年もまたラジオから聴こえてきました……

 夏の終わりを実感しながらの読書タイムは、

 さあ、こちらのコミック作品を、どうぞ~!

  

 

 

    ―― 項羽と劉邦、あと田中 1 ――

 

 

 原作は古寺谷雉(こじや・きじ)さん、

 漫画は亜希乃千紗(あきの・ちさ)さん、

 キャラクター原案は獅子猿(ししざる)さん、

 2020年7月に発行されました。

 

「こううゥとォ、りゅうほうゥ!」

「……ぐるがる??」(←訳:……あと田中?)

 

 《項羽と劉邦》といえば、

 紀元前206年~紀元前202年に

 秦王朝滅亡後の覇権をめぐって

 西楚の項羽と漢の劉邦の間で起きた

 楚漢戦争(そかんせんそう)を指します。

 

 三国志(180年頃~280年頃)よりも前の、

 戦乱の時代を背景にした

 ふたりの英雄の対決は、

 古今のクリエイターさんを魅了し、

 小説、映画、TVドラマ、漫画、と

 さまざまな《項羽と劉邦》が生み出されています、が。

 

「むむむゥ! これはッ??」

「がる~!」(←訳:転生~!)

 

 現代の、つまり21世紀の東京で、

 フツーに会社員をやっている

 田中(たなか)さん。

 

 その田中さんが、いったいどういう訳か、

 《項羽と劉邦》の時代の古代中国へ、

 ふっ飛ばされてしまいました。

 

 いえ、正確には、

 《項羽と劉邦》前夜の時代、でしょうか。

 

 項羽さんも劉邦さんも、

 まだまだ、名を馳せるには至っておらず、

 けれど秦王朝崩壊の兆しがあちこちに窺え始めた、

 そんなところへ。

 

 田中さん、やって来ちゃった、のですね。

 

「かえりたいィ~よゥ!」

「ぐるがるるる!」(←訳:でも帰れない!)

 

 ここは、どこ?

 日本……じゃないの?

 帰りたいんだけどー!

 

 ああ……帰りたくても、帰る方法が分かりません。

 まずはとにかく、生き延びることを目標に、

 見知らぬ土地を歩き始めた田中さん、

 さっそくトラブルに巻き込まれてしまって。

 

「はやくもォ、ぴんちィ!」

「がるぐるる!」(←訳:誰か助けて!)

 

 “誰か”は現われました。

 

 危うい所を救ってくれたその人物から、

 田中さんは今いるここが

 秦王朝末期の古代中国である、と知ります。

 

 そして、どうやら、

 我が一族の者か!

 という、誤解もされちゃった?

 

「いちぞくゥ??」

「ぐるっる?」(←訳:誤解って?)

 

 窮地から助け出してくれたその人物の名は、

 田横(でん・おう)。

 

 横さんは、田中さんを

 田中(でん・ちゅう)と呼び、

 田(でん)一族の者であると早トチリ、

 いえ、認定してしまいます。

 

「ぷふふッ!」

「がるるっ!」

 

 思いがけず、古代の異国に

 “居場所“を得ることとなった田中さん。

 彼の眼に映るのは、

 刻々と迫る王朝の終焉、

 不穏な戦乱の気配。

 

 現代の日本に戻れるよう願う一方で、

 しかし、

 田一族を見捨てたくはない田中さんの運命は……?

 

「たなかさんッ、がんばッてェ~!」

「ぐるるるる~!」(←訳:くらいつけ~!)

 

 はたして、田中さんというファクターは、

 歴史を変えてしまうのでしょうか――

 

 コミカルな転生モノ、という以上の、

 インパクトある大冒険絵巻は、

 歴史好きな活字マニアさんにおすすめですよ。

 小説好きな方々は原作の小説版で、

 マンガ派さんはこのコミック作品で、

 波乱万丈な田中さんの古代世界時間旅行を

 存分に楽しんでくださいね~♫