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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ちいさな星々 ~

2018-09-11 22:24:31 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 くんかッくんくんッ! このォかおりィはッ!」
「がるる!ぐるるがるるる~!」(←訳:虎です!木犀が咲いたよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 秋到来を告げるかのように、銀木犀のお花が咲きました。
 とはいえ、まだ暖房不要の関東に比べ、
 節電の必要がある北海道の方々は
 つらい思いをしておいででしょうか……
 北の国の秋が厳しくないことを願いながら、
 本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~!

  



          ―― ああ、犬よ! ――



 編者はキノブックス編集部の皆さん、2018年6月に発行されました。
 『作家と犬をめぐる28話』と副題が付されたこの御本には、
 エッセイ、マンガ、詩歌など、
 28篇の《犬》ストーリーが収録されています。

「わんこォづくしィ~!」
「ぐるるるがぅるるぐーる!」(←訳:跳ね返せニャンコブーム!)

 犬派か、猫派か。

 SNSで大人気のニャンコちゃんたちに圧されて、
 最近はやや劣勢と伝えられるワンコ人気ですが、
 この御本を手にすれば、
 ころりん、と
 いえ、コロンと猫派から犬派へ鞍替えする方々も
 続出するかもしれません。

 つまり、それくらい可愛くて、
 それくらい泣かせられちゃうんです、
 どのお話も。

「はじまりィはァ~」
「がるぐる!」(←訳:蕪村さん!)

 御本の冒頭、
 目次の手前のページに掲げられている、

  《戸に犬の寝がへる音や冬籠(ふゆごもり)》

 という与謝蕪村さんの句に続いて、
 さあ、いよいよワンコ讃歌の開幕です。

 エッセイストであり俳優さんでもある
 杏さん、本上まなみさん。

 詩人のアーサー・ビアードさんは
 幾百匹もの鈴虫の世話をしながら
 愛犬たち、そしてお父さんを偲び。

 画家・版画家の山本容子さんは、
 鎌倉のお家に迷い込んできた
 キツネ顔の子犬――ルーカスくんのいじらしさ……。

「あッ! これはッ!」
「ぐるるるる!」(←訳:藤子さんだ!)

 28話の中、ただ一編のマンガ作品となっているのは、
 藤子不二雄Ⓐさんの
 『深夜の冒険』。

 まだヨチヨチ歩き期間とおぼしき子犬ちゃんの、
 夜半の大冒険譚……なんですけど、
 このチビワンちゃんのルックスが凄いわ!

「あんよッ、みじかいィ!」
「がるるるる!」(←訳:むちむち感!)

 奇を衒わず、しかし、読み手のこころに
 するり、と染み入ってくる……
 これが藤子不二雄Ⓐさんの底力でしょうか。

 ただね、28話から
 《犬と人のものがたり》を象徴する作品を選べ、
 と言われたら――

「えらぶゥのはァ~」
「ぐるがる!」(←訳:これです!)

 谷川俊太郎さんの
 『ネロ――愛された小さな犬に』。

 北原白秋さんの
 『こいぬ』。

 谷川さんの作品は
 4ページに少し欠ける分量の、
 北原さんの作品は
 2ページにも満たぬほどの
 短い詩歌なのですが、
 読む者の頬を弛め、
 さらには涙腺をも弛めてしまう
 忘れ難い情景を映しています。

 特に、
 北原さんの『こいぬ』は
 28話の最後に収められているので、
 御本読了後の全体の印象を左右する作品になるのでしょうけど、
 これを読めばね、
 猫派の方々も、たぶん……!

「なみだァ、ほろりィ~…」
「がるるぅる!」(←訳:泣いちゃう!)

 犬派を自認する活字マニアさんに、
 ワンコもニャンコも大好きな方々に
 激おすすめの一冊です。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~!