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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

元祖《猫絵師》?

2016-10-06 21:57:19 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むむむッ? のりかえェ??」
「がるる!ぐるーがっるる!」(←訳:虎です!パワーアップだ!)

 こんにちは、ネーさです。
 えーと、突然PCをVAIOからNECに換えることになって、
 もうアタフタしちゃっております。
 特にキーボードの感覚が違ってる……んですけど、
 打って打ちまくって闘い抜きましょう!
 さあ、本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

         ―― 歌川国芳猫づくし ――



 著者は風野真知雄(かぜの・まちお)さん、単行本は2014年に、
 画像の文庫版は2016年8月に発行されました。
 いまや日本中の、いえ、世界中のニャンコ好きさんに
 《猫マニア絵師》として知られる
 歌川国芳(うたがわ・くによし)さんを主人公とする
 連作短編小説集です。

「あはァ! にゃんこのォ、おじさんッ!」
「ぐるがるる~ぐる!」(←訳:好きだよね~ネコ!)

 20世紀の日本人画家さんでしたらね、
 レオナール・フジタさんこと藤田嗣治さんが
 ニャンコの描き手としてはナンバーワンでしょう。
 でも、その前の、
 江戸時代末期でニャンコ画家さんというなら、
 そりゃあやっぱり国芳さんです。
 どのくらい好きかってうと。

 いちばん多いときは、
 二十何匹。

 さすがに多過ぎるというので、
 いま国芳さんの家にいるのは八匹だけ。

「……だけッ??」
「がるぐる~!」(←訳:充分多い~!)

 八匹の猫たち、
 お弟子さんたち、
 絵師を警戒する奉行所の手先たち。

 画が売れなかった若い頃はともかく、
 一流絵師の名声を勝ち得た今、
 国芳さんの暮らしは賑やかです。

 家族に、友人、知人、
 お江戸の時代にはパトロンなる言葉はありませんでしたが、
 画を買ってくれて、
 お得意さまを紹介してくれる御方もいて。

 と、そんなおひとりが――

「おなくなりィにッ??」
「ぐるがるるっ?」(←訳:事件ですかっ?)

 いえいえ、日本橋の塗り物問屋《亜州堂》の旦那さんは
 病気で亡くなったのですよ。
 とはいえ、
 お通夜の席は妙な雰囲気になりました。

 お焼香を済ませた国芳さん、
 或る弔問客に目を留めます。

 あいつは……歌川広重!

「わァおッ! ひろしげさんッ!」
「がるるぐる!」(←訳:有名人だね!)

 《東海道五十三次》で大ブレイクした広重さんと、
 歌川国芳さんは同い歳です。
 何かと比べられることもあるせいか、
 国芳さんと広重さん、
 あんまり“仲良し”じゃあありません。

 嫌な空気のお通夜を
 どうにかやり過ごした国芳さんですが、
 案の定というか、
 それとも偶然なのか、
 後日、広重さんも絡んでの
 《事件》に巻き込まれてしまうのです――

「けッきょくゥ、じけんッなのでスゥ!」
「ぐるるるるぅ!」(←訳:てえへんだぁ!)

 国芳さんと広重さん、
 絵師の矜持が炎を噴く
 『江ノ島比べ』は
 江戸美術好きな活字マニアさんにおすすめの作品です。

 短編7作品中には、他にも
 江戸のエンタメシーンを飾ったスターさんが登場し、
 ネコ好きさんはもとより、
 時代小説初心者さんにも
 きっと楽しく読めますよ。

「にゃんこもォ、いろんなところにィ~!」
「がるぐるるがるるる~る!」(←訳:顔と尻尾を出してま~す!)

 連休の読書タイムに、
 ぜひ、一読を♪