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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《ひとり》の思考。

2015-04-27 21:43:02 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスッ!
 やばッ! もうゥなつゥ??」
「がるる!ぐるがるる~!」(←訳:虎です!海で泳ごう~!)

 こんにちは、ネーさです。
 初夏の陽気でバラがきれいに咲いていますね。
 本日の読書タイムは、
 その才能をきれいに、いえ、存分に咲かせた人たちが主役の
 ノンフィクション作品を、どうぞ~!

  



          ―― 天才を生んだ孤独な少年期 ――



 著者は熊谷高幸(くまがい・たかゆき)さん、2015年3月に発行されました。
 『ダ・ヴィンチからジョブズまで』と副題が付されています。

「あはァ! てんさいィ、れおなるどォさんッ!」
「ぐるるるるるがる!」(←訳:ルネサンスの巨匠!)
「でもォ……じょぶずゥさんッ??」

 そうね、そのあたり、異論があるかもしれませんね。
 万能の才人、時代を何百年も先取りした知の巨人・レオナルドさんと、
 アップル社の創設者スティーブ・ジョブズさん。
 タイプがずいぶん違ってるようだけど、
 ふたりを一律に“天才”で
 くくっちゃっていいの?

 しかし、著者・熊谷さんは
 そういった疑問も織り込みつつ、
 社会に大きな影響を与えた人物を、
 彼らの少年期を、
 慎重に掘り起こしてゆきます。

「しょうねんじだいィ?」
「がるるぐる?」(←訳:そこに何が?)

 この御本で取り上げられているのは、

 レオナルド・ダ・ヴィンチさん、
 アイザック・ニュートンさん、
 トーマス・アルヴァ・エジソンさん、
 夏目漱石さん、
 アルベルト・アインシュタインさん、
 スティーブ・ジョブズさん、

 という、凡人とはとても呼べない方々。

「きれものォ、でス!」
「ぐるがる!」(←訳:知力高し!)

 彼ら“天才”の基礎……というか、
 根っこにあるものは、何なのでしょう?

 著者・熊谷さんは
 御本の冒頭で次のように記しています。
 彼らはみな――

   《少年時代から孤独であり、それが天才を生みだした》

 生を享けた世紀も、
 職業や経済状態も、
 社会的地位、健康状態も
 それぞれ異なっていた彼ら。

 ただ共通していたのは
 《孤独》であったこと。

 両親からの
 愛に包まれた生活が、なかった。
 集団行動が苦手な、
 周囲から浮いてしまう子どもだった――

「それはァ、さみしィでスゥ~…」
「がるるる~…」(←訳:悲しいね~…)

 けれどまた、彼らには、
 理解者がいた、という共通点があります。

 レオナルドさんには師匠ヴェロッキオさんが。
 エジソンさんやジョブズさんには
 ユーザーという何よりの後援者が。
 夏目漱石さんには読者が。

 そんな応援を得ていたとしても、
 それでもやはり、
 彼らのエネルギー源は《孤独》であり、
 《孤独》が彼らを動かしていた――

「こころッてェ~」
「ぐるる!」(←訳:複雑だ!)

 漱石さんの少年時代の出来事には
 慄然とさせられます。
 『坊ちゃん』を著したこの御方が
 これほど辛く寒々しい幼少期を過ごしていたのだとは。

 けれど、その《孤独》が彼を造り、
 彼を彼たらしめたのだとしたら。

「こころッてェ~…」
「がるるぐる!」(←訳:不思議です!)

 脳科学、心理学、歴史、科学史、文学史、
 さまざまな角度から解析してゆく
 《孤独》というタネ、
 そして、そこから咲く花。

 光と影を際立たせる描写は
 最上の伝記文学のようでもあります。
 ノンフィクション好きな御方は、
 ぜひ一読を~♪