2日目の朝はまだ曇りだった。
足湯でくつろぐおじさん。
ホテルのパンで海を見ながらのモーニング。
レジデンスに泊まっても,こうしてホテルの共有スペースを利用できるのが嬉しい。
噂どおりに,とても美味しいパンで・・近くにあったら,頻繁にモーニングに来たい!
種類も豊富。
念のためにと少し多めに買っておいたパンに後で助けられることに・・
熊野古道とひとことで言っても,紀伊半島のすべての熊野古道を合わせると1,000キロにもなるそう。そのうち今回歩くのは,全体の1%にも満たない7kmのコース。
ホテルの目の前のバス停(新湯埼)から,今日のゴールとなる熊野本宮大社を通り,さらに新宮まで行くバスがあり,9時台のバスに乗車。これを逃すと次は2時間後なのでぜったに乗り過ごせない。
途中から雨が降り出し,約2時間15分後,熊野本宮大社に着くころには本格的に降っていた。そのままローカルバスに乗り,出発地点の発心門王子へ移動。
ようやくスタート地点についた!
キョエちゃんそっくりのカラスが道案内。
レインウェアのおかげで,傘をささなくても歩ける。
実はこのレインウェアは昨年,屋久島に行く際にモンベルで新調したもの。
雨が降らない日はない,と言われる屋久島で,滞在中ずっと快晴という
まさに奇跡のような3日間だったので,レインウェアの出番はなく
今回初めて着用した。
私も夫も,「屋久島で天気運を使い果たした」と思っている(笑)
雨でも,いや雨だから余計に幻想的な熊野古道。
約2時間歩く予定で,12時ごろに出発したけれど
お店などあるはずもなく,途中で食べ物を買う場所もなく・・
お昼ごはんは,ホテルで買っておいたパンを立ったまま食べた。
パンがあってよかった!
熊野古道は移動手段と食料確保に思った以上に苦労した。
関所のところから,高野山に続くルートがあった。
高野山から歩くのもいいね!なんて軽く言ったけれど,
調べてみると70キロもあった・・それは無理(笑)
石の道も風情がある。
既にシューズの中まで水がはいっているから,気にせずずんずん歩く。
雨脚が強くなったころ,よいところに休憩所が・・
美味しい珈琲をいただいてほっと一息。
連休なのに,途中誰にも会わない。
台風だから!?
約2時間で熊野大宮大社に到着。
鳥居にも,日本語と英語の台風注意の看板が出ている。
熊野古道歩いたぞ~,やった~なんて,のんきに万歳している場合ではなかったかも。
神社を散策して・・
本宮から歩いて5分ほどの,大斎原(おおゆのはら)へ。
もともと熊野大宮大社があった場所に,2000年に大鳥居が建てられたそう。
これが,日本一の大鳥居。
高さ約34m、幅約42m
まさに天下一の大鳥居。
茶屋で一休み。
この旅でぜひ食べたかった,めはり寿司をメニューに見つけて大喜びの私。
”寿司”と言っても酢飯ではなく,熱々のご飯でびっくりした。
英語の説明によると,めはり寿司は”高菜の漬物で包まれた暖かいおにぎり”
暖かいどころか,熱々をハフハフ・・これが,めちゃくちゃ美味しかった。
次回もぜひ食べたいなぁ・・めはり寿司。
熊野本宮大社の名物,もうで餅とお抹茶のセット。
右の白いほうは夏バージョンの水もうで。
どちらも玄米粉がかかっていて,素朴な味。
そろそろ宿に向かいたくても,バスの時間まであと30分。
とにかく交通の便が・・(←何度も言う)
流しのタクシーもほとんどみかけない。
そんなとき,バス停に1台のタクシーを発見!
ドライバーさんに聞いてみたところ,今から新宮に戻るところだという。
観光地にタクシーが1台もないのはさすがに・・ということで,
毎日交代で16時まで待機しているそう。
時間はまさに16時。
ドライバーのおじさんも,この台風が近づく中,客がいるとは思っていなかったようで
驚かれていた。おかげで30分待たずに,5分ほどで宿に着くことができてありがたかった。
2日目の宿は渡瀬温泉のホテルささゆり。
渡瀬温泉には,「ささゆり」「ひめゆり」「やまゆり」の3軒のホテルがある。
温泉を行き来できるので同じ系列のようだけれど
どのホテルを予約したか覚えられなくて,案の定タクシーの運転手さんに
違うホテルの名前を告げてしまい,着いたのはホテルひめゆり(汗)
同じ敷地内でも,ささゆりは,川の向こう。
吊り橋を通って,隣のささゆりへ。
夜はライトが綺麗・・
だけれど,下は真っ暗だし,向こうから人が来るとちょっと怖い。
ささゆりにも温泉はあるけれど,
ひめゆりの大浴場が西日本一大きいとかで,何度もこの橋を渡って温泉へ。
古さは感じるけれど,だからこそ老舗のリゾートホテルのようで
部屋は広くて快適。食事も品数が多く,美味しくいただいた。
フロントで相談して,翌朝白浜駅へ送ってもらうことに。
本当は事前の予約が必要なのに,快くバスを出してくださり感謝しかない。
明日帰れるか・・という心配よりも,
熊野古道を歩いたという満足感でいっぱいの夜だった。
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