私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

岡山藩の紋章

2009-12-19 15:06:17 | Weblog
 由井正雪の慶安事件の時、「備前池田藩」からだと言う事で、蝶の御紋の付いた槍の仕込みが入った特別な提灯50丁の注文を、ある江戸の提灯屋が受けます。その提灯屋は、
 「どうしてこんな提灯を」
 と、不思議に思い、念のためにと、備前岡山藩下屋敷に問い合わせます。それがきっかけで、此の由井正雪の徳川幕府の転覆計画事件が事前に解決するのですが。
 
 これについて、また、あの飯亭寶泥氏からお小言を頂戴します。
 「どうして、その提灯屋が、備前の殿さまの下屋敷に、槍を仕込むようなへんてこりんな提灯の注文の事を問うてきたんなら。広島の殿さんの所じゃいけなんだんか。おめえのいうとるこたあ、ようわからんがなあ・・・・。ようかんげえてみい」
 と、いうのです。
 そう言われてみるとそうです。
 
 提灯屋は、なぜ備前藩に、提灯の事を問い合わせをしたのでしょうかね???。・・・どうも、考えてみたのですが解くカギは蝶の家紋しかありません。ひょっとして、池田家の家紋は蝶だったのかもしれませんと思いつきます。早速調べてみました。
 
    

 これが、備前岡山藩池田家の家紋です。説明によると、蝶・釘貫・笹龍膽等があるのだそうですが、本紋は「蝶」だそうです。
 
 これで分かりました。
 提灯屋が備前藩に駆け込んだのは、家紋の蝶を見たからです。ちなみに、江戸では、ご紋を見ればどこの藩だかと言う事は、江戸市民なら、誰でもよく知っていたと言われています。そんな話が落語の江戸世界などでもよく登場します。
 なお、余談ですが、光政候が使った家紋は、此の池田家の家紋のうち(図一・六・二〇)だそうです。