私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

吉備って知っている  38

2008-11-05 14:11:13 | Weblog
 古墳にはあまり興味無い人もおられると思いますので、あと一つだけ取り上げて終わります。
 作山古墳です。大きさだけみると日本で9番目の大きさになります。全長286mの大きな古墳です。造られた時期は造山古墳より少し後の5世紀半ばごろだと思います。その同時期の巨大古墳、伝応神天皇陵に次ぐ第2位の古墳ですが。大きさにおいては、伝応神天皇陵の419mと比べるとずいぶん小さめな古墳です。それだけこの時代になると、造山古墳築造後、わずか20~30年後ですが、吉備の力が大和に比べて相対的に落ちてきていることがわかります。
 このように日本各地の古墳を比べてみると、書物にははっきりとは書かれてはないのですが、吉備が強い勢力を誇っていた時代は5世紀の初めまでではないかと考えられるのです。

 なお、吉備においては、この作山古墳以降は、100mを超すものは、旧山陽町の岡山で3番目の両宮山古墳(192m)と山手の宿寺山古墳(118m)のたった2基だけです。
 
 先日、両宮山古墳の傍を通りました。「稚姫の里」という看板が大きく立っていました。どれだけの人がこの看板に書かれている稚姫と、それに関わった「田狭」と「星川王子」らのを通して、吉備勢力の衰退と古墳規模の弱小化の関係を理解しているのだろうかと思いました。例え、それを知っていたからと言ってどういうこともないのですが。
 
 蛇足ですが、両宮山古墳が造られた時(5世紀半ば)には大和では、日本で一番大きな古墳、伝仁徳陵(486m)が築造されています。力の差は歴然です。古墳はこんなことまで教えてくれます。