要約筆記ボランティアの養成講座が始まって1ヶ月半、気がつけば基礎講座の折り
返し点、第7回が終了である。
昨日の講座は 「日本語の特徴」 がテーマだった。日本語って、音節の数がとても少
ない言語なんですって(約100ちょっと)。その分、同音異義語が多いから、聞き取る
時には文脈から意味を捕まえること、そして正しい漢字で表記することが大切なのだ
そうだ。
同音異義語の例としてよく出される問題がこれ。
キシャのキシャ キシャでキシャ
この4つの 「キシャ」 が全部違う熟語であるということに感心する。日本人てこういう
漢字の使い分けを難なくやってのけるのよねぇ。
要約筆記は、聴覚障害者に文字で情報を伝える手段だから、一目で意味を把握する
ことのできる漢字を上手に使うことが必要。もちろん正しい漢字をね。でも、パソコンが
勝手に漢字変換をしてくれるという生活に慣れ切ってしまっている、私の漢字能力は
目減りする一方で、心もとないこと、この上ない。
1 気嫌が悪い 5 システムの幣害
2 権利の保証 6 事務を取る
3 仮空の話 7 不利な態勢
4 スクリーンに写す 8 法務大臣の試問機関
これは、講座の中で出された漢字クイズである。「間違いを見つけて、正しく書き直せ」
という問題。どこが間違っているのかさえわからなくて、思わず 「必ずどこかに間違い
があるんですか?」 と馬鹿な質問をしてしまった私、半分しか出来ませんでた。
市の広報誌に「要約筆記奉仕員・養成講座」の受講生募集記事を見たのは1ヶ月
ほど前のことだった。どうせ応募者多数で弾かれるだろう、と軽い気持ちで応募し
たら、抽選に当たってしまった。その開講式に行って来た。結論を言えば「大変な
ものに首突っ込んじゃったぞ」というのが率直な私の感想。
聴覚障害者、特に中途失聴者のコミュニケーションを手助けするのが要約筆記と
いう手段である。簡単にいえば、講演会や会議の席などで、話の内容をその場で
文字にして伝えるという作業。
いったん音声言語を習得したのちに何らかの事情で聴力を失った人(中途失聴者)
というのは、そう簡単に「手話」や「読話」を身につけることができるわけではないから
「文字」 がとても大切なコミュニケーション手段になってくるのだ。
話すスピードには到底追いつけないので内容を要約しつつ筆記する。だから「要約
筆記」。かなりの熟練がないと現場では役に立たないから、きちんとした学習と訓練
が必要というわけだ。
基礎講座全16回、応用講座全10回を修了したのち、県の認定試験を受けて合格
すると晴れて「要約筆記奉仕員」としてボランティア活動に参加することができると
いう説明だった。
もちろん受講期間を承知の上で応募したのではあるが、改めてカリキュラムをなが
めながら内心青ざめる私。今年いっぱいかかるんだ~。毎週金曜日、雨の日も風
の日も自転車をこいで通うんだね~、その多難そうな前途に今さらながら愕然と
しているところ。
初日に支給された、テキストと謎の道具たち