手話の基本講座に翻弄されているのは、落ちこぼれの私だけでは
ないらしい。授業のあと提出するアンケートにこんな意見がありまし
た、と講師の先生が紹介してくれた。
「原稿用紙一枚分もの内容を、原稿なしで通訳しろと
いうのは余りにも酷です」
そうなのだ。要約しても400字はある文章を即覚えて、しかも何も
見ないで手話表現するなどという課題は、やっぱり無茶よねぇ。
同じように思っている人がいたんだなあ。
課題の趣旨は分かっているつもり。内容をつかんで自分なりの言葉
で通訳すればいいのだから、文章を忠実になぞる必要はないってこと。
でも、それが難しいのだ。やっぱり相当訓練を積まなければ出来ない
芸当だと思う。
講師は苦笑いしつつ、反省の弁。
「やっぱり無理でしたかね。私は実践課程も教えているから
ついそっちのレベルを引きずっちゃって。今度から原稿を
見てもいいことにしますね」
そうだったのか~。最高レベルの実践課程と同じことを要求されて
いたってわけ? ホント、余りに酷な仕打ちです。