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今日も人生はライフ

60代主婦の日常はけっこうビジー。

おしるこ、おいしかった?

2004年12月04日 | 義母ユキコさん
上等の大納言小豆を使っておしるこを作った。焼きもちを 
いれて、ユキコさんにも持って行った。たぶん、おしるこ 
は好物のはず。お椀を見てすごく嬉しそうだった。 
 
少ししてお椀を下げに母屋へ行って、つい聞いてしまった。 
「おしるこ、おいしかったですか」「?????」そうだ 
った~。ユキコさんは、たった今食べ終わったものも、何 
だったのか覚えていることが出来ないんだった。 
 
「なあに、それ?」っていう顔をされて、少し傷ついてし 
まったけど、まあ仕方ない。作り甲斐がないっちゃないん 
だけど、ユキコさんにとっては瞬間瞬間が命。おいしかっ 
たり、気持ちがよかったりということを体験する、その時 
の幸せがあればいいよね。 
 
ただねぇ、時々虚しくなってしまうのも事実。いやいや、 
私もけっこう手抜き介護だから、五分五分というべきだろ 
うか。 

エプロンは必須アイテム

2004年12月03日 | 義母ユキコさん
ユキコさんはどんな時にもエプロンをする。主婦として 
働いていた頃の名残りなのだろうか。ユキコさんの着替 
えの時には介助が必要なのだが、最後にしめるサロンエ 
プロンだけは自分で手に取って、気がつくと腰に巻き付 
けている。 
 
今日はデイサービスの日なので、身支度を手伝いに母屋 
へ行った。「あと10分くらいでバスが迎えに来るから、 
コートも着ちゃいましょ」とコートを着せてちょっと目 
を離したら、ユキコさん、コートの上からエプロンを巻 
いていた。 
 
いつだったか、訪問ヘルパーさんの目撃談にこんなこと 
が… 
 
「ユキコさんはスカートもリハパンも脱いでしまって、 
エプロンだけの姿でした」ワーッ、想像したくない。 
 

もう三年になる

2004年12月01日 | 義母ユキコさん
「友達に誘われてね。今年のお正月はハワイで過ごそうと思 
うの」と上の義姉。「この前沖縄に行ったのよ。これ、おみ 
やげね」と下の義姉。 
 
主たる介護者とお手伝い介護者の違いはこんなところに出る 
のかぁ、と思う。ユキコさんの在宅介護が本格的に始まって 
丸三年。何が変わったって、気ままな外食や、思い立っての 
旅行が出来なくなったということが、私にとってのいちばん 
の変化だ。 
 
「今日は疲れたから、外食にしちゃおうか」というわけには 
いかない。ユキコさんの夕ご飯は待ったなしだもの。2、3 
日旅行に行きたいと思っても、そのための根回しというか、 
段取りがうんざりするほど大変だから、結局諦めてしまう。 
 
義姉たちは、出来る限り力を貸してくれてはいるけれど、や 
っぱり私の立場よりは気楽よね、なーんて心の中でブツブツ。 
 
こういう愚痴を溜めこむのって、体に悪そう。だから、今年 
はあんまり我慢しなかった。娘にかこつけて春は海外旅行し 
ちゃったし、実家の母に誘われたことにして、紅葉を見る旅 
にも行ったし。 
 
介護する者が元気でなければ、在宅介護は長続きしない。こ 
れ、当たり前のことですよね。 
 

ふたつで十分

2004年11月29日 | 義母ユキコさん
ユキコさんのボキャブラりーは、激減している。というより 
最近ではほとんど言葉が出なくなってしまっている。大抵の 
場合は「わたし」という単語と「あなた」という単語を使い 
回して、意思表現をやってのける。 
 
きょうの夕食どき。ユキコさんは食事をしながらも、しきり 
に私を気にしていた。 
 
  「あなた、あなた」 
  「私は家へ帰って食事しますから大丈夫」 
  「わたし…」 
  「ええ、ユキコさんはしっかり食べて下さいね」 
  「あなた」 
  「お茶入れます?」 
  「わたし」 
  「あったかいお茶がいいですよね」 
  「あなた、あなた」 
  「そうです、私がお茶入れますから」 
  「わたし…」 
  「えーい、なんじゃい」 
 
こうやって書いてみると、見事に私の独演会、というか独り 
相撲。でも、だいたい合ってますよね、ユキコさん。 

旧仮名づかいなんですけど

2004年11月27日 | 義母ユキコさん
娘が京都で買ってきたお土産、鍵善の『おひもさん』を 
母屋へ持っていってお茶をいれた。ユキコさんは、その 
お菓子を手に取って「お・ひ・も・さん?」と発音する。 
 
正しくは「おいもさん」。サツマイモを型どった、シナ 
モンの香りのする白あんの美味しいお菓子だ。「これね、 
おいもさんっていうんです。美味しいでしょ」と教えて 
あげると、その時は納得したような顔をする。 
 
でも、すぐにお菓子の包装紙をしげしげとながめて「お・ 
ひ・も・さん」と言って物問いたげな表情。「これ、お 
いもさんって読むんです」「お・ひ・も・さん…」「そ 
うじゃなくてー、おいもさん」 
 
別にどういうふうに呼んだっていいのだけれど、つい私 
もムキになっちゃって。でもね、ユキコさん、これ旧仮 
名づかいだからむしろユキコさんの守備範囲じゃないの 
かなあ。

ユキコさんのスカート

2004年11月26日 | 義母ユキコさん
ユキコさんは、自分の身なりには全くとんちゃくしない、 
というか、気を配ることが出来ない。おしっこ臭くなった 
スカートや食べかすで汚れたセーターや穴のあいた靴下を 
身につけていても気にしない。 
 
でも、介護家族としては放っておくこともできないので、 
毎日の服装チェックが必要だ。私の本音は「洗濯さえした 
物なら何でもいいじゃない」なのだが、外の世界に対して 
は多少の見栄というものがあって、デイサービスに出かけ 
るときは、少しは身ぎれいにしてあげなくては、と思った 
りするのだ。 
 
というわけで、今日はユキコさんのスカートを買いに近所 
のショッピングセンターへ出かけた。身長150センチ、 
体重49キロは、まあ普通かな、ただウエストが76セン 
チある。普通の売り場だとなかなか見つからないサイズだ 
が、大きいサイズ専門の売り場へ行くと、逆に足りないサ 
イズになってしまう。 
 
さらに家で洗濯できる素材という条件が加わるので、ます 
ます選択肢が狭まるのだ。1時間あちこちの売り場を歩き 
回ったあげく、黒とチャコールグレーの2枚を買いました。 
 
私自身はどう頑張っても「大きいサイズ」で買い物をする 
体型には見えないので、何人もの店員さんに「ここは大き 
いサイズの売り場ですが…」と声をかけられた。分かって 
ますって。好きで来てるんじゃないんですから。 

重たいリハビリパンツ

2004年11月25日 | 義母ユキコさん
きょうは、ヘルパーさんの日。勤めから帰宅して母屋を 
のぞきに行った。念のためにユキコさんのリハパンツを 
確認。げっ! びっしょり濡れてる。何で? 
 
連絡帳を見てわかった。きょうはいつもの人ではなく、 
臨時のヘルパーさんが来てくれていたのだ。「何度促し 
ても替えさせてもらえませんでした」と書かれていた。 
 
最近になって、ユキコさんはようやくヘルパーさんの補 
助でリハパンツを交換できるようになった。以前は、家 
族以外に対して断固拒否だったのだ。 
 
促し方に上手へたがあるのだろうか。それとも、見慣れ 
ないヘルパーさんだったからだろうか。ずっしりと重い 
ユキコさんのリハパンツを交換しながら、何だかため息 
が出てしまった。 
 
疲れて帰ってきて最初の仕事がリハパン交換。ちょっと 
がっかりの私でした。 


水曜日はらくちん

2004年11月24日 | 義母ユキコさん
毎週水曜日は、下の義姉が来て、ユキコさんを見てくれる日。 
ユキコさんの昼食・夕食を用意したり、散歩に連れ出したり 
してくれる。 
 
この日はお風呂も母屋で入ってもらうので、私はほとんどユ 
キコさんにノータッチ。正直言って身も心も軽々とした一日 
だ。1週間に一回でもこういう日があるから何とか在宅介護 
を続けていけるのだと思う。 
 
下の義姉がメールでこんなふうに言っていた。「母と一日一 
諸にいるとすごくストレスがたまります。でも、週一回のこ 
とで愚痴を言ってはだめですね。べに丸さんたちは逃げるこ 
とが出来ないんですものね」 
 
そうなのですよ、お義姉さま。分かってくれますか。 
 

紙パンツ、またの名をリハパン

2004年11月23日 | 義母ユキコさん
ユキコさんは、1年くらい前からリハビリパンツ(いわゆる 
紙パンツ)をはくようになった。最近ではユキコさん自身す 
っかり紙パンツに慣れた様子だが、最初の頃はとんでもない 
ことが、いろいろとあった。 
 
ある日母屋へ行くと、ユキコさん、パンツどころかスカート 
もはかずにうろうろしている。あわてて新しいリハパンツと 
スカートをはかせた。ところが、脱いだはずのリハパンツが 
どこにも見当たらない。 
 
それもそのはず、ユキコさんたらバラバラに分解したパンツ 
をお盆に載せ、冷蔵庫の中にしまいこんでいたのだ。ヒャー 
である。紙パンツをお風呂場に持ち込んで洗ってしまう、な 
んていうのは大した事件とも思わなかったなあ、あの頃は。 
 
 
 

洗濯物を干す

2004年11月22日 | 義母ユキコさん
出勤前に母屋へ行き、前日義弟が洗濯しておいた洗濯物を 
ユキコさんと一緒に干した。私がひとりで干してしまった 
方が早いのは分かっているけど、少しでもユキコさんに仕 
事をしてもらうためにね。 
 
時々ユキコさんは、濡れた洗濯物を一枚一枚ていねいに畳 
んでテーブルの上に並べていることがある。取り込んだ洗 
濯物と勘違いしているのかなあ。 
 
逆に、乾いていったん取り込んだ洗濯物を、夕方になって 
外に干し始めたりすることもある。うーん、わからない。 
 
今日はわりあいすんなりと庭におりて、私がハンガーにか 
けて手渡す洗濯物を次々と物干竿に引っ掛けて行った。で 
も、ハンガーを掛ける位置がなかなか納得いかないらしく 
あっちへずらし、こっちへずらしを始めてしまった。 
 
つきあっていると遅刻してしまうので、私はさっさと引き 
あげます。今日は天気もいいし、気が済むまでやっててい 
いからね。 
 
 

お箸の達人

2004年11月20日 | 義母ユキコさん
ユキコさんは痴呆で、新しいことを覚えることはできない。 
でも、生活習慣として身についているいくつかのことにつ 
いては、驚くほどの能力を見せてくれる。 
 
たとえば、お箸使い。テーブルの上の物は、なんでもかん 
でもお箸で挟んで自分の方へ引き寄せることが出来る。 
新聞、時計、財布、ハンカチ…この間なんか、お盆を箸で 
ぐいっと手元に引っ張ってきた。 
 
でも、今日はさすがにストップをかけた。だって、千円札 
を箸ではさんでご飯にのせようとしてるんだもの。海苔と 
間違えたのかもしれないけど、あんまりだー。 
 



デイサービスはお気に入り

2004年11月19日 | 義母ユキコさん
毎週火曜日と金曜日はデイサービスへ行く日。 
 
でも、ユキコさんは日付や曜日を認識することができない 
ので、予定についてあらかじめ説明して心の準備をしても 
らうなんてことは望むべくもない。ユキコさんにとっては、 
どんなことも常に「突然」であり「聞いていなかったこと」 
なのだ。 
 
デイサービスへ出かける準備をしに母屋へ行き、「さあ、今 
日はデイサービスですよー。バスが迎えに来ますからね」と 
言うと「なあに、それ。どこへ行くの。そんなの知らなかっ 
た」という返事が返ってくる。 
 
毎回説明するのもだんだんめんどくさくなってきて、最近は 
端折ってしまって「さあ、出かける支度しましょうね」だけ。 
それでも別に不都合はないようだ。 
 
ユキコさん、デイサービスはけっこう好きみたいで、いそい 
そとバスに乗り込む。優しい男性の職員さんがお迎えの時は 
「あら、あなたなの」なんて言っちゃって嬉しそう。 
 
喜んで行ってくれるので、私も嬉しい。 
 

ハムの直火焼き

2004年11月15日 | 義母ユキコさん
月曜日はヘルパーさんが夕方4時から2時間、ユキコ 
さん見守りのために来てくれる。私は朝から勤めに出 
てしまうのでユキコさんは夕方まで一人でお留守番。 
 
最近はヘルパーさんを追い返すなどということはなく 
なったが言いかえればだんだん無気力になってきてる 
ということかもしれない。でも、今日はちょっと騒動 
があったみたいだ。 
 
ヘルパーさんが到着すると、ちょうどユキコさんはガ 
スレンジの前に立っていた。何と、冷蔵庫から出した 
ハムを1枚じかにレンジの炎口に置いて一所懸命点火 
しようとしていたらしい。 
 
こんなこともあろうかと、ガスはメーターのところで 
元栓を閉めてあるから火はつかなかったけれど、ユキ 
コさんはヘルパーさんの静止も何のその、必死でガス 
のスイッチをひねっていたそうだ。 
 
お皿や茶碗を、直接ガスレンジにのっけて火をつけて 
しまい、危うく燃やしそうになるという事件があって 
からガスの大元を止めるようにしているが、まったく 
油断もすきもありません。

服を着たままお風呂に?

2004年11月14日 | 義母ユキコさん
ユキコさんがお風呂へ入りに、うちへ来た時のこと。 
 
洋服を脱がずにいきなり浴室へ入って行こうとした。夫が 
慌てて引き戻したが、私としてはその後ユキコさんがどう 
するのか見ていたい気がした。服を着たまま湯舟にドボン 
と入るつもりだったのかなあ。それとも、お風呂場で洋服 
を脱ぐつもりだったのかなあ。 
 
どっちにしろ、ユキコさんの着てきたものは全部洗うのだ 
から服のままドボンでも、一向にかまわない。 
 
そう言ったら、夫に「冗談じゃないよ」とおこられた。