goo blog サービス終了のお知らせ 

今日も人生はライフ

60代主婦の日常はけっこうビジー。

伯母の入院

2016年12月26日 | 母と伯母

私にしては段取りよく、年末の台所磨きをはやばやと終えた。
プリントゴッコを引っ張り出し、年賀状の作成も完了。例年に比べると
かなりの前倒しぶりである。

こんなふうに、らしくない行動をしてしまったのがいけなかったのか。
老人ホームで暮らす伯母が入院という事態になった。

救急搬送された病院はホームから近い場所にある。それは私の住む
千葉県からは、かなりの遠方ということに他ならない。参ったなあ、何で
今なんだ~、勘弁してくれ~、というのが正直な心境。

ハイ、けっこう自己中な女です、私。

もはや年末もお正月も吹っ飛んでしまった。これから病院通いが何日か
続く。片道たっぷり2時間はかかるからホテルにでも泊まりたいくらい。
この時期、
取れるはずもないんだけどっ。

   ****************

「ここ、どこなの?」「私、どうしちゃったの?」エンドレスに質問し続ける
伯母ではあるが、たぶん今回も大丈夫。これまで大小さまざまの手術や
入院を繰り返しながらも、その都度バージョンアップして戻ってきた
強運の人なのだから。

 


贈答の憂鬱

2016年12月05日 | 母と伯母

93歳になった伯母の脚には、ほとんど力が入らない。トイレや
車椅子への移乗などでは二人の介護士さんの手を借りる。
何をするにも人の手を借りなくてはならないということ、これは
伯母にとってとても心苦しいことらしい。

ホームを訪ねるたびに、引き出しの中にちょっとしたお菓子を
常備しておいてほしいとリクエストされる。


   「ヘルパーさんたちにね、あげたいのよ。
    夜中に来てもらった時とか」

さらに、お中元やお歳暮の時期になると必ず念を押される。

   「事務所だけじゃなくて、この階のヘルパーさん
    たちにも別に贈ってちょうだいね」

ホームのスタッフにしてみれば、プロの仕事として行っている
日常業務。
いちいち申し訳なく思う必要はないんじゃないの?
と私は
思うのだが、当事者である伯母は、そんな風に割り切る
ことはできないのだろう

とはいえ、毎年この季節になると実はとっても憂鬱。ホーム側は
贈り物を
迷惑に思っているんじゃないかしらと忖度しつつ、それ
でも伯母を安心
させるために「今年は何にしよう」と頭を悩ませる
のである。

やっかいな季節です。

 


ブラックな母

2016年10月20日 | 母と伯母

久しぶりに妹と会い、ゆっくりと話した。互いの家族のことや亡くなった母の
話になる。

そこで意外な打ち明け話。

  「今だから言えるけど、離婚したいと本気で思ってたことがある」

と妹。

  「つい、お母さんにいろいろ愚痴ったりもしたのよね。心配を 
  かけちゃったなあって今さら思うわ」

  「 …でね、さんざん旦那の悪口を言ったら、お母さんが
   何ていったと思う?」

さあ、何だろう。

  「『塩加減を多めにするとか? 味を濃くしてみるとか?』って
  真面目な顔して言うんだもん。笑っちゃったわよ」

けっこうブラックな母でした。

 


母の声

2016年06月19日 | 母と伯母

「お母さんの声を、どこかに録音してあったりしない?」

母が亡くなって2,3か月たった頃、妹からかかってきた電話。
あるとすれば、留守番電話に母の声が残っているかどうかってこと
ぐらいだけど。

残念ながら、全部消去してしまっている。保存しておけばよかったなあ。
遅ればせながら、携帯電話に残された母からのメール---ひらがな
オンリーのね----のいくつかは消えないように保護してみたけど。

声も残しておけばよかった、としみじみ残念に思ったのである。

    ***********

ところが先日のこと、思いもかけないところで母の声を発見した。
何と伯母の携帯
電話の中! 伯母のホームを訪ね、そこから母に
電話したとき、
何かの拍子にレコーダー機能が働いたのだろう。

伯母と母とのやりとりがそっくり録音されていた。妹に伝えると大喜び。
彼女も伯母のホームで確認したという。永久保存だね、と二人で笑った。

  


母の通帳

2016年02月09日 | 母と伯母

昨年7月に亡くなった母の遺品の中に、地方銀行の通帳が2冊ある。
母自身がとっくの昔に使うのをやめていて、何年も出入りのなかった
口座だ。残高はそれぞれ数百円程度。だが、私には口座が残って
いること自体が気がかりだった。

地銀なのでその県内にしかない銀行へ、思い立って出かけて行った。

    A銀行  残高がほとんどないので、届け出印があれば
          解約できる。

    B銀行  故人の口座であることが分かると、やはり種々の 
          証明書類が必要になり面倒。暗証番号が
          分かっているならATMで全額引き出して口座を
          空にし、放置するというやり方がある。

残高が数百円で何年も動きのなかった口座だから、こういう手段が
可能ということなのだろう。母が主として使っていた都市銀行の
口座を解約するのは、けっこう面倒だった。まあ、それが当たり前
のことなのだろうが。

   ************

ATMを使って残高をゼロにした通帳2冊。亡き母の記念品として
妹と私で1冊ずつ持っていることにしようかな。

 


母のアドレス

2015年10月14日 | 母と伯母

母の携帯電話、亡くなってから2か月間放置していた。何となく
解約したくなかったのだ。だが、永遠にそのままというわけにも
行かないから、9月半ばにようやく手続きをした。

使っていなくても基本料金はかかっている。その支払いも済ませた
ので、これで完全に母の携帯電話は停止
したことになる。

   *************

メールの使い方を妹と二人がかりで教えたっけ。最後までひらがな
打ち
しか出来なかったけれど、意思の疎通はそれで十分。87歳の
老人が
めんどうな機器の操作を一生懸命覚えて何とか使えるように
なった
のだから大したものだと思う。

メールアドレスを何にしようか、と尋ねたとき 母はほんの数秒考えて
こう言ったのだ

   「『ポックリ逝く』がいい」

おかあさん そんなこと考えているんだ。まあ、気持ちは分かるけど、
なんか露骨すぎない? と私。そして相談の末、
母のアドレスは
「pokkuri87」に決まったのでありました。




つい先走って

2015年09月24日 | 母と伯母

   「わたし、ここにはもう居られないと思うの」
   「どこでもいいから別のところに行きたい」

伯母からの連日の電話に、妹も私もうろたえてしまう。
何があったのだろう。理由を聞いても、とにかく「ここを出たい」の
一点張り。

電話ではらちが明かないから伯母のホームへ駆けつけて事情を聞いて
みると 「えぇ~、そんな電話してないわよ」 と言われてガックリ。
そうなのよねぇ、伯母の記憶はほとんど当てにならないんだった。

だが、言葉のあれこれからその気持ちを忖度すると、自身の健康への
不安が増大しているらしいということは何となく分かってきた。

少しずつ弱っていく自らの体を思い、今以上に手厚く面倒を見てくれる
ホームはないものか、と考えたのかもしれない。

  ************

この際、私たちの住まいの近くにホームを捜してそこへ移ってもらおう。
妹と二人で見つけた介護付き有料老人ホーム「LC]は、建物は古いが
法律を上回る介護体制をうたうサービス重視の施設。ここなら伯母も
安心して暮らせるに違いない。

施設を見学し、空き待ちリストに登録して1ヶ月。意外に早く順番が
回ってきた。さっそく伯母の意向を尋ねると------------

   「私、ほかのホームへ移る気は今のところないのよ。
   ここの
暮らしで十分満足」

伯母の言葉に右往左往した挙句、つい先走って行動してしまった私たち
の失敗。まずやるべきは、現在のホームに伯母の不安を伝えてしっかり
対応してもらうことだったのです。


 

 




伯母の心情

2015年09月14日 | 母と伯母

伯母のホームを訪ねて話をしていると必ず登場するテーマ、それは
伯母が亡くなった後、残ったお金はどのように相続されるかという話。
別にお金持ちというわけでもないんだけどね。そして、私も妹もそんな
話はできれば避けたいのであるが…

  「お母さん 元気?」

  「えーと、7月に亡くなったんです」

  「あっ、そうだったわね。寂しいわねぇ。そうすると私は
  どうなるのかしら」

  「今まで通り私たちがちゃんとやりますから」

  「お願いね。こんなことは言うべきじゃないかもしれないけど
  私が死んだら、べに丸ちゃんとA子ちゃんにほとんど残したい」

  「大丈夫です。伯母さまはちゃんと遺言書を書いていらっしゃるから」

  「そうなの? だったら良かった。悪気はないんだけど、やっぱり
  女の子の方にたくさん残したいの」

妹である私の母が亡くなった今、伯母の身内は甥姪だけ。そして、どういう
わけか甥たちには冷淡な伯母なのである。男嫌い? それとも甥たちに
くっついて来るお嫁さんが気に入らない?

その真意は分からないが、遺産のほとんどを私とA子(わが妹)に、と繰り返す
伯母を前にしてどんな表情でいればいいのか困惑するばかり。
うんと長生きして預金をぜーんぶ使い果たしていってくれればトラブルなし
で助かります。


こうして少しずつ

2015年08月30日 | 母と伯母

妹の死を記憶に留めることが難しい伯母である。訪ねるたびに出てくる
言葉はこれ。

  「最後くらい、私もあなたたちのお母さんの近くで
  暮らしたいと思ってるのよ」

仕方なく母が亡くなったことを告げると、初耳のように驚愕の表情を
浮かべ 「いつ? どんな様子だったの? 死に目には誰か間に
合ったの?」と質問攻め。

毎回のことで、さすがに私たちもしんどいから 「いっそお母さんは
生きてるってことにしちゃおうか」などと 妹とふたり良からぬ相談を
してみたり。

そんな伯母だが、先日の様子はちょっと違った。例によって 「あなた
のお母さんと一緒にくらしたい」 と言うので、内心あ~あと思いつつ
母の死を伝える。すると伯母の返事は

  「そうだったの…寂しくなるわねぇ」 の一言だけ。

さしも手ごわい伯母の記憶力も、やっと妹の死という事実を受け
入れる準備、整え始めたのかもしれないなあ。



母は母のままで

2015年07月10日 | 母と伯母

部屋で倒れているところをホームの職員に発見され、病院へ救急搬送
された母は、意識のはっきりしないまま2日半頑張ったのち、静かに
息を引き取った。

糖尿病、大動脈弁狭窄症、腎不全 と満身創痍の母であったが、私たち
の記憶に残る ついこの間までの姿は、頭脳クリアで
きれい好き、人間
観察力旺盛な人。

その姿のまま旅立っていった。母は母のままで…88歳でした。



無駄足

2015年06月28日 | 母と伯母

伯母から、某信託銀行の通帳への記帳を頼まれた。気軽に引き受けて
きたのだが、信託銀行はどこにでもあるというわけではないらしい。

調べると、隣の町にならある。自転車で20分ほどのところだ。日曜日だけど
ATMは開いているだろうと気軽に出かけた。ところが、休日の
ATMは
機能が制限されていて、記帳はだめ。せめて残高照会だけでも
と思ったら
カードがないからそれもできない。

全くの無駄足に終わった。信託銀行って使えない! 今や銀行のATMは
24時間稼働するし、休日だろうが通常の作業をしてくれるよう
になって
いるというのに。

もちろん八つ当たりです、ハイ。

 

 

 


カテーテルを作り直す

2015年06月14日 | 母と伯母

母の人工透析は、シャントではなくカテーテルを使用。日々のメンテ
ナンスが少し面倒ではあるが、透析時の負担が少ないので母は
カテーテルを気に入っている。だが残念なことに、その耐久性
最大でも2年間。そしてまもなく母のカテーテルは寿命を迎える。

シャントに切り替えるか、それともカテーテルを作り直すかの選択を
迫られ、母は迷うことなく後者を選んだ。簡単なものとはいえ、入院して
手術をしなくてはならないのだが、大動脈弁置換という大手術を乗り
越えて
生還した母、怖いものはないのである。

手術は明日。

 


ケアハウスに暮らす

2015年06月11日 | 母と伯母

現在は私や妹の家から遠くないところにある有料老人ホームに暮らす
母であるが、実は4年間のケアハウス経験がある。

   ************
10年前、母は自分の足で県内各地のケアハウス(軽費老人ホーム)を

見て回り、ここと決めた施設に入居を申し込んだ。当時は満室だった
ので約2年間待たされたという。

ケアハウス「S」は社会福祉法人が運営する自立型の福祉施設。入居時
に保証金25万円を納めると、毎月の費用は母の年金で十分まかなえた。
もちろん、すべての居室は個室。毎日の食事が用意され、大浴場には
いつでも入れるし、
各階に備えつけてある乾燥機付き洗濯機も自由に
使える。

外出や、家族の訪問はいつでもできるし、届けを出せば外泊もOK。母に
とって
住み心地満点のホームであった。

ただ、当時の母は、いくつかのルールを自分に課していた。

  * どんなに親しくなっても入居者仲間を自分の部屋にいれない。
    招待されたら訪問はするけれど、自分から訪ねることはしない。

  * 仲良しグループというか「派閥」というか、そういうものがどうしても
    できてしまうのだが、自分はできるだけ距離を置く。

  * 誰かの噂話を聞いても絶対口外しない。もちろん自分から
    人の噂を口にはしない。

何といっても集団生活なのである。さまざまな人生を送ってきた人たちが
縁あってひとつ屋根の下で暮らすわけだから、暮らしぶりや考え方の違い
から摩擦が起こることは避けられない。

ケアハウスという一つの空間に、適切な自分の立ち位置を確保するため
には、それなりのマナーというか覚悟というか、そういうものが必要なのだ。
母は、会うたびに、ケアハウス内で日ごろ見聞きするあれこれを妹や私に
語って
聞かせた。それが母のガス抜きになっていたことは否めない。

   ************



「お金を送ってね」

2015年06月08日 | 母と伯母

遠方の有料老人ホームに入居している伯母から珍しく電話。

  「悪いんだけど、お金を5万円くらい現金書留で送ってくれる?
  手元のお金がなくなっちゃって」

うーん、そんなはずはないのだが。つい先日ホームを訪ねた際、部屋の
小物入れ引き出しの中に、数万円のお金がちゃんと封筒に収まっている
のを確認したばかり。だいいち、伯母が自分の財布からお金を出し入れ
する機会なんてほとんどないのだから、手持ちのお金が残り少なくなる
ことはあり得ないのだ。

それを言ってもたぶん伯母は納得しない。自分で思い込んだ事実以外は
なかなか受け入れることの出来ない
思考年齢になっているわけで。

だから急いで郵便局へ行き、伯母宛に現金書留を送る。

翌日、また伯母から電話。内容はもちろん 「お金を送って」 というもの。
わっかりました、と返事をする。次の日にもまた連絡があったけど、さすがの
私も「もう送りましたからっ!」とちょっと切れ気味。

そのあくる日には、めでたく書留が到着したらしく、伯母から「ありがとうね」
の電話がかかった。やれやれ。

  ************

そして今日である。

  「べに丸ちゃん、悪いんだけど手元のお金がなくなったから
   現金書留で3万円ほど送ってくれる?」

おっと、今度は3万円?何ゆえの減額。 今回は本人に引き出しの中を
確認してもらう。届いたばかりの
現金書留の封筒が絶対入っているはず
なのだから。

  「あら、あったわ~。よかった。ありがとうね」

たぶん、あと1,2回は同様の電話がかかって来るに違いない。今週は
伯母を
訪ねる予定だから、部屋中をくまなく探してみよう。きっとかなりの
額のお金があっちこっち
にしまい込まれているはずです。

 

 


クロスワードパズル

2015年05月25日 | 母と伯母

生涯独身のまま勤め続けて実家を支えた伯母(母の姉)、91歳。
今は神奈川県の有料老人ホームに暮らしている。活字大好きで、
新聞をすみずみまで読むのが日課。

そんな伯母が最近楽しんでいるのはクロスワードパズルである。
タテとヨコのヒントを組み合わせて解く昔ながらのパズルが分かり
易いだろうと
、週に一回『毎日新聞』に掲載されるパズルを、訪問の
たび
持っていくことにした。

大喜びの伯母ではあるが、時々クロスワードパズルの解き方を忘れて
しまうらしい。

   「ヒントの数字と同じ数字の空欄に答えを入れてください」
   「タテのヒントだから答えもタテにね」
   「タテの答えが分からなかったらヨコのヒントで横の答えを
    埋めていくといいですよ」

解き方のルールをアドバイスする助手が必要だなあ。とはいえ、老いて
なお
伯母の語彙力はなかなかのものなのである。

薬師寺の三重の塔などに見られる、屋根のひさし状の出っ張り……
「ああ、モコシね」
と即答するのはさすがです。