元AKK社員 吉田祐二さんからのメッセージ
この8年間を振り返って、長いようであっという間の裁判生活だった。最初はどうしていいのか分からなかったが、全国を回る旅に出て導き出した答えが、自分の問題は自分で解決するしかないということ。自分の中では、会社は何もやっていない、ウソとゴマカシ、結果ありきの調査しかやっていないので、絶対にまけるわけがない、と絶対の自信があった。だからこの裁判では自信を持って会社を追求できた。
しかし会社は私を解雇してきた。私は会社への手続きに行ったが、その時、担当者に自分は必ず戻ってくることになる。何故なら、あなたたちは何の仕事もしていなかったからだ、と言って会社を去った。結果裁判では右手だけだが、労災になったし、会社に戻ることができたのである。しかし会社は補助参加制度を悪用し、高裁に上げてきた。それでも全くまける気がしなかった。会社は全く調査すらしなかったのに、いまさらどうやって新事実を出すつもりか、分かっていたからだ.高裁も判決が不利と分かると、和解に応じてきた。最終的に会社が折れる形になったので、この辺が潮時と見て和解に応じることし、その日に退職となった。
自分はケガをするまで会社に疑問を感じることも多々あったが、ここまで腐りきっているとは思っていなかった。当時の総務部長は中日病院の裏の公園で「会社を辞めてもらう、これは会社の意見でもあり、私の考えでもある」と平然と言い放った。また団交の席で「裁判に勝ったら謝る」と公言しておきながら、自分の立場が危なくなると子会社のMに逃げ込んで謝罪の一言もない。責任ある立場のものがこの有様なのだ。作業者が不良を出すと徹底的に責任を取らされるのに。全ての役職者がこうではないと思いたいが、今まで見てきた者はこれに近い。駐車場から職場、食堂、挙げ句の果てはトイレまで女性の後について回る、そんな役職や監督者がいる。職場の仲間に伝えたいことは昇進が出来ないからダメな人間ではないということだ。AKKという会社は上のウケが良ければ誰でも上がれる会社。上に嫌われると昇進はない。「自分がダメだから、使えないから」という声も聞くが、自分に自信を持って生きて欲しいと思う。
組合は組合員のためにあるとほとんどの従業員は思っているがそうではない。今の組合は会社とその恩恵に授かれる者のためにある。自分を見殺しにした委員長は、今どんな立場にいるのか? 組合員を裏切る見返りに、名ばかりの役職を恵んでもらっている。
自分がやってきたことが、会社で劣悪な現場で働かされている作業者に参考になれば幸いである。もし理不尽な理由で追い詰められている者かいれば、ATUに相談して欲しい。ATUは相談に乗るし、知恵も出す。しかし最後に決断するのは自分自身である。死ぬつもり、事件を起こすつもり、辞めるつもりの勇気があるのならATUに相談してみて下さい。