会社による「補助参加」と「控訴」の申立
ご承知のように日本では、三審制となっており、一審判決に不服の場合は控訴して、さらに上告をすることができます。一審判決の場合は14日以内に控訴の手続きをすれば、裁判がもう一度始まることになります。
先に述べたような一審判決について、控訴するかどうかは、悩みました。悩みましたが、左手については、控訴しないことにしました。国側はどういう議論になったかはわかりませんが、結果的に控訴を断念しました。本来ならばそれで確定して終わっていたはずなのです。
民事訴訟法上「参加」という制度があります。当事者でない第三者が裁判に入ってくることです。
「補助参加」というのは、第三者が、原告か被告のどちらかの味方をして、助っ人として、裁判に加わる制度です。これは利害関係があればできるので、アイシン機工は判決が出る前に参加しようと思えば出来たはずです。それで争えば良かったのですが、アイシン機工は、油断していたんでしょうか、補助参加はしませんでした。
ところが、判決が確定する寸前になって、国の側に補助参加を申し出てきました。と同時に、控訴も申し立てました。補助参加人は原告・被告と同じような訴訟行為ができるので、補助参加が認められれば、控訴も認められることになります。そこで、補助参加が認められるかどうかがいちばんの問題になってくる、という異例の話になっています。
今、「補助参加」が認められるかどうかで、高裁で止まったまま宙ぶらりんの状態になっています。こちら側としては、アイシン機工の補助参加に対して、今までいつでも参加できる状態にあったにもかかわらず、今になって、負けそうになって申し出るのはいかがなものか等として、争っています。
つづき