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12月12日: 渦巻きの中で生まれる三つ子の赤ちゃん星/お知らせ

2017年12月12日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ペルセウス座の星形成領域で、今まさに生まれつつある三つ子の星をアルマ望遠鏡が詳細に写し出しました。L1448 IRS3Bと名づけられているこの天体の中心にはおよそ15万歳の2つの星があり、それを取り巻くガスの渦巻きの中に3つめの星が生まれつつあります。中心の二つの星の間隔は、太陽系では海王星の軌道直径くらいで、3つめの星までの距離はその約3倍です。この観測画像は、ガスの円盤が重力的に不安定になって渦巻き構造ができ、それが分裂することで連星系が生まれるという説を裏付けるものです。銀河では、半分以上の星が連星や3重星という多重星として形成されていることが知られていますが、その形成シナリオは確立していません。この観測は、多重星は星を取り巻くガス円盤が重力不安定で分裂して形成されうるという説を裏付けた意義深いものです。また、一番外側の星は約1万歳と予想されています。その年齢は渦巻きが数回転するのに必要な時間と同程度であり、生まれた環境が残されている例外的に若い星です。生まれた直後の星を研究する上で貴重な天体といえます。こんな三つ子星ですが、周囲のガスを食べ仲良く成長するのか、1人だけ早く成長するのか、外に飛び出してしまう星が現れるのかはわかっていません。

<出典>: 「国立天文台:今週の一枚」

<大判>: イメージをクリック

<お知らせ>: 日本時間明日13日深夜国際宇宙ステーション補給船スペースX/ドラゴン CRS-13 が打上げられます。国際宇宙ステーションへの到着は、14日の先任クルーの帰還後の15日の予定です。中継放送時刻等は「ホームページ」の「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。

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