とうちゃんのぷらぷら日記

アウトドア系の日記及びうんちく

シリコンバレー銀行SVBの経営破綻をブログに記録しておく

2023-03-15 18:59:40 | 日記
2022年末時点でのシリコンバレー銀行の総資産は約2,090億ドル(約28兆円)で、資産規模は全米で16位

<破綻経緯>       
2023年3月8日  
有価証券の売却損の発表(住宅ローン担保証券・米国債)18億ドルの損失
増資22億5千万ドルを発表(ムーディーズが格付引き下げを同社へ通知したことに対する対応策)A3(中上位格で信用リスクの低い格付け)より数段階引き下げ方向で検討されていた。
SNSで信用不安が拡散(オンラインバンキングの不具合画像も拡散)

2023年3月9日  
預金残高の24%にあたる420億ドル(5兆6千万円)が流失し9億5千8百万ドルの現金不足の発生。
同社の株価が6割下落する。

2023年3月10日
ムーディーズが13段階の格下げを発表。増資計画も解消となる。
このため債務超過状態となり経営破綻 (米国の預金保護の上限は25万ドル(3,400万円))

2023年3月12日              
シグネチャー銀行経営破綻 暗号資産(仮想通貨)関連企業の取引が多かった
2022年末時点総資産1103億6000万ドル(約15兆円)
米金融当局が経営破綻した2行の全預金の保護を発表

2023年3月13日              
バイデン大統領の演説(米国銀行システムの安全性に関する演説)
              
<破綻要因>       
直接的な要因は、信用不安による預金流失(ネット時代を反映し異例のスピードで流失)

<シリコンバレー銀行の内的要因>
テクノロジー関連の新興企業への融資とそこからの預金受け入れで業容を拡大させてきた。(一部の業界に特化)
2022年3月末の預金残高は1,980億ドルと3年間で3.8倍にまで膨張した。(短期間で極端な業容拡大)
テクノロジー企業の経営悪化とそれに伴う預金の取り崩し、
金利上昇局面での同行の債券投資の損失拡大。 総資産に占める債券投資の比率は57%

<米国の急激な利上げによる要因>
シリコンバレー銀行の債券運用の比率が非常に高かったことによる評価損の急拡大。
主要な預金融資の取引先であったテクノロジー企業が金利上昇により大きなダメージを受けたこと。
大手テクノロジー企業では、インフレ上昇と世界的な景気減速を背景に大幅な事業縮小に踏み切っている。
テック企業(グーグル、マイクロソフト、アマゾン、メタ、ツイッターなど)のリストラ情報によると、2022年における人員削減数は合計で約16万人。23年は2月1日時点ですでに約8万3000人に達している。
              
<関連する預金者の動向>
大手米銀には、今回の中規模の3行が相次いで倒れた後、危機拡大を恐れる預金者が殺到している。
米銀最大手のJPモルガン・チェース1行だけでも、ここ数日に数十億ドルの預金を受け入れた。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)とシティグループ、ウェルズ・ファーゴでも通常より多くの預金流入がみられたと、事情に詳しい関係者が明らかにした。

<シリコンバレー銀行の格付の推移>
格付機関ムーディーズ
3月11日まで格付A3 格付けA3の内容:中上位格で信用リスクの低い格付け(一般的に信用力が高く安心して投資できる対象と解される。)

3月12日 格付を13段階引き下げる。格付Ca(下から2番目)となる。格付Caの内容:非常に高い投機要素があり、デフォルトに近い可能性があるが、元本と利息を回収できると判断する。

なお、ムーディーズは、シリコンバレー銀行の親会社であるSVB Financial Groupの早期警告トリガーにおいて半年に渡って警告レベルで最大のSevereスコアを出し続けていたと弁明している。
米国当局はSVBのグレッグ・ベッカー前最高経営責任者(CEO)ら旧経営陣が経営破綻の数日前に自社株を売却していたことについても調査を進めているという。なんだかうさん臭い話だ。

そもそも自分は格付機関というものを信用していない。
今回もいきなり13段階の格付変更なんてサギだ。
財務内容を見ればもっと早くに動くべきだったろう。
格付を信用していた投資家や取引先はバカを見る。

とくに過去のリーマンショックの時は強烈だった。いきなりトリプルAの最高位だった格付商品がジャンク債のようになった。
私立大学の運用資産までも棄損して話題となったが、格付会社はなにも責任を取らなかった。
理不尽極まりない。とその時思ったものだ。