とうちゃんのぷらぷら日記

アウトドア系の日記及びうんちく

冬の旅

2013-12-23 11:08:59 | 旅行
本当は北海道へ行くつもりだったのですが
ブルーガイドを毎日読んでは、
北海道の各地を旅する空想にふけっていました。
当時は、SLのC62が引く急行ニセコ(函館本線)や北海道の自然にあこがれていました。

それが北八ヶ岳の天狗岳へ登ったのと同じ年に、
北海道旅行の練習を兼ねて、
とりあえず東北へ行こうということになったのです。

旅行のテーマは蒸気機関車。
今思うとなかなかアクティブな中学生でした。

その年も暮れようという12月に、兄と二人で青森へ向け出発したのです。
寝台特急「ゆうづる」に興奮し、常磐線経由で青森駅に着いたのはまだ薄暗い朝のことです。
弘前城を見学した後
いよいよ五能線の川部駅から蒸気機関車に乗り込みます。
蒸気機関車は、ごく小さいころに鶴見の操車場にD51がいたのを
なんとなく覚えているくらいで、乗るのは初めてでした。
雪の降り積もるリンゴ畑の間をぬうように走るハチロク蒸気機関車。
車窓からは、津軽の冬景色がゆっくりと流れてゆきます。
蒸気機関車は無粋なエンジン音もなく、
旅情をかきたててくれる、
旅人向きな乗り物です。

青森に着いた初日
自分達はめいっぱい行動し、事前に予約しておいた深浦(日本海に面した青森の港町)の旅館、越後屋さんに着いたのは、夜の8時を過ぎたころとなっていました。
中学1、2年の兄弟には、旅館というものは遅くとも5時ごろまでには到着しておかなければならないという常識を持ち合わせていませんでした。

冬の遅い時間にひょこり現れた兄弟に、
もうキャンセルと思い込んでいた宿の女将さんはおどろきました。
当然食事のしたくもなく、不憫に思った女将さんに焼きおにぎりを作ってもらったことを覚えています。(あるいは朝ごはんとして作ってもらったものかもしれないが、そのへんはもう忘れてしまった。)

翌日はまた、始発電車に乗るべく薄暗い中、旅館を後にする兄弟でした。

この時の旅行は、初日を除いて夜行列車を乗り継いで移動するというハードなものでした。
青森から次ぎの目的地の福島へと夜行列車で移動し、福島でも夜になると夜行電車を乗り継いで仮眠をとるというスタイルで旅行をしました。
当時会津には、日中線にC11が走っていました。
会津滝の原線にも蒸気機関車が走っており写真を撮る目的で会津田島へと向かいました。

旅行のメインだった五能線は、この年の夏ごろに起きた豪雨で一部不通となっており、
鰺ヶ沢、深浦間がバスによる代行運行となっていました。
現在日中線はすでに廃線となっています。