娘が結婚して、もう直ぐ2ヶ月になる。
結婚と言っても、今は届を出しただけ。8月後半にスペインに新婚旅行に行き、結婚式は来年冬にハワイでやると言う。
普通は、結婚式、結婚届け、新婚旅行だよね、と言って笑っている。
おまけに、役所に届を出しに行ったのが、仏滅。役所の人に、「仏滅に届を出す人はあまりいませんけど、特別な日ですか?」 と言われ、「亡くなったお父さんの誕生日です」 と。
今、住んでいる所が、彼が住んでいたワンルームマンション。狭くて、彼が夜遅くまでパソコンしたりで、「寝不足だ」 と時々帰って来る。
それで、「広い所を借りて家賃を払うよりは、買った方がいい。家賃でローンを払う」 と彼が言うので、二人で不動産屋さんに連れられて見に行った。
娘が怒って言う、「駅まで歩いて行けて、坂道が無い所。と言ったのに、連れられて行ったのが、歩いて18分、おまけに凄い坂道を登って行くんだよ」 と。
不動産屋さんなんて、そんなもの。こっちが欲しい物件じゃなくて、向こうが売りたい物件や、なかなか売れない物件をまず紹介する。
私も、家を買う時に経験している。
彼は、横浜に勤務しているので、そっち方面が良いと言っていた。趣味の活動場もそっちなので。
でも、たまたま京王線で見た物件を二人で見に行って来て、気に行ったから一緒に見に行こうと誘われた。
そこの第2期の戸建て分譲。売り出しは7件。
彼は最初から戸建てがいいと言っていた。確かに、戸建てがいいとは思うが、駅に近ければ狭くて高い。マンションの方がいいんじゃない、と私も娘も言っていた。
でも、そこは、駅まで5分くらいで庭もそこそこあり、菜園スペースまである。
私も気にいった。周りの環境は抜群にいい。
後は、資金繰り。
娘はずっと同居して勤めていたので、そこそこの貯金は有る。私は、しつこいぐらいに貯金をしなさいと言っていた。
何かを選択しなくてはならなくなった時に、貯金があるとないとでは、選択の幅が違うと。将来、何かアクシデントがあった時に、お金があれば心に余裕が持てるから、と。
彼も、娘に刺激されて、付きあった時から努力して貯金をしたそうだ。
でも、やっぱりそれだけでは、ローンを払って行くのは大変だ。
私は、今、一人暮らしなので、年金でやっていけるから、少し融通する事にした。
「絶対に返すからね」 と言うが、「無理しなくていいから。まずは、銀行から返して、返せなくなっても遺産相続の前払いね」 と笑う。
彼の方も、お父さん達がお金を貸してくれるそうだ。それで、何とかなりそう。
私達の時代と違って、今の若い人達は、本当に大変だし可哀想だ。
昔は、正社員が当たり前だったし、給料も毎年上がるものだと思っていたし、もちろん、ボーナスもちゃんともらえた。だから、当たり前のように家を買いローンを組んでいた。親に頼らなくても、自力でなんとかなった。
でも、今は、正社員として安定していると思っていても、10年先はどうなんだろうと、何となく漠然とした不安がある。
老後の為にと溜めていた貯金でも、そのまま塩漬けしておくよりは、活かすなら今でしょ、と。
息子にも、電話して、その事をキチンと話した。
日曜日に、申し込みに行った時に、娘が販売の人に、「たまたま京王の中吊り広告で見て」 と言ったら、「ウチは、電車内にも、新聞の折り込み広告も出してないんです。高いから。あんまり宣伝していないんです。暇を見つけて、手分けして皆でポストに入れてるだけで。」 と。
娘が、「あれ、どこで見たんだろう」 「調布の駅には置いてありますが」 「あ、そこかも…。」
私達と、不動産屋さんと、「きっと縁があったんでしょうね」 と。
いろんな偶然が重なって娘達は、気にいった家を見つけた。
二人とも、本当に、いろんな偶然が重なって付き合う事になり、一緒に未来を共有するパートナーとなった。
穏やかな性格の彼に、安心して娘を託す事が出来る幸せを感じている。
「お父さんが生きていたらね。」 と言うと、娘は、「もし、お父さんが生きていたら、彼とは出会っていなかったよ。」 と言う。
人生って不思議だ。
曲がり角に来た時に、道が二つも三つも別れていた時に、どの道を選ぶかによって、その後の人生が変わって行く。
そして、私達は、たった一つの人生しか歩む事は出来ない。
たった一本の道を、前へ前へと、終わりのその時まで歩み続けるしかない。素晴らしい景色が現れるのか、見たくない風景が広がっているのか、好むと好まざるとにかかわらず、歩いて行くしかないのだ。
縁あって一緒の道を歩き始めた娘夫婦が、笑顔で歩き続けられますように。
結婚と言っても、今は届を出しただけ。8月後半にスペインに新婚旅行に行き、結婚式は来年冬にハワイでやると言う。
普通は、結婚式、結婚届け、新婚旅行だよね、と言って笑っている。
おまけに、役所に届を出しに行ったのが、仏滅。役所の人に、「仏滅に届を出す人はあまりいませんけど、特別な日ですか?」 と言われ、「亡くなったお父さんの誕生日です」 と。
今、住んでいる所が、彼が住んでいたワンルームマンション。狭くて、彼が夜遅くまでパソコンしたりで、「寝不足だ」 と時々帰って来る。
それで、「広い所を借りて家賃を払うよりは、買った方がいい。家賃でローンを払う」 と彼が言うので、二人で不動産屋さんに連れられて見に行った。
娘が怒って言う、「駅まで歩いて行けて、坂道が無い所。と言ったのに、連れられて行ったのが、歩いて18分、おまけに凄い坂道を登って行くんだよ」 と。
不動産屋さんなんて、そんなもの。こっちが欲しい物件じゃなくて、向こうが売りたい物件や、なかなか売れない物件をまず紹介する。
私も、家を買う時に経験している。
彼は、横浜に勤務しているので、そっち方面が良いと言っていた。趣味の活動場もそっちなので。
でも、たまたま京王線で見た物件を二人で見に行って来て、気に行ったから一緒に見に行こうと誘われた。
そこの第2期の戸建て分譲。売り出しは7件。
彼は最初から戸建てがいいと言っていた。確かに、戸建てがいいとは思うが、駅に近ければ狭くて高い。マンションの方がいいんじゃない、と私も娘も言っていた。
でも、そこは、駅まで5分くらいで庭もそこそこあり、菜園スペースまである。
私も気にいった。周りの環境は抜群にいい。
後は、資金繰り。
娘はずっと同居して勤めていたので、そこそこの貯金は有る。私は、しつこいぐらいに貯金をしなさいと言っていた。
何かを選択しなくてはならなくなった時に、貯金があるとないとでは、選択の幅が違うと。将来、何かアクシデントがあった時に、お金があれば心に余裕が持てるから、と。
彼も、娘に刺激されて、付きあった時から努力して貯金をしたそうだ。
でも、やっぱりそれだけでは、ローンを払って行くのは大変だ。
私は、今、一人暮らしなので、年金でやっていけるから、少し融通する事にした。
「絶対に返すからね」 と言うが、「無理しなくていいから。まずは、銀行から返して、返せなくなっても遺産相続の前払いね」 と笑う。
彼の方も、お父さん達がお金を貸してくれるそうだ。それで、何とかなりそう。
私達の時代と違って、今の若い人達は、本当に大変だし可哀想だ。
昔は、正社員が当たり前だったし、給料も毎年上がるものだと思っていたし、もちろん、ボーナスもちゃんともらえた。だから、当たり前のように家を買いローンを組んでいた。親に頼らなくても、自力でなんとかなった。
でも、今は、正社員として安定していると思っていても、10年先はどうなんだろうと、何となく漠然とした不安がある。
老後の為にと溜めていた貯金でも、そのまま塩漬けしておくよりは、活かすなら今でしょ、と。
息子にも、電話して、その事をキチンと話した。
日曜日に、申し込みに行った時に、娘が販売の人に、「たまたま京王の中吊り広告で見て」 と言ったら、「ウチは、電車内にも、新聞の折り込み広告も出してないんです。高いから。あんまり宣伝していないんです。暇を見つけて、手分けして皆でポストに入れてるだけで。」 と。
娘が、「あれ、どこで見たんだろう」 「調布の駅には置いてありますが」 「あ、そこかも…。」
私達と、不動産屋さんと、「きっと縁があったんでしょうね」 と。
いろんな偶然が重なって娘達は、気にいった家を見つけた。
二人とも、本当に、いろんな偶然が重なって付き合う事になり、一緒に未来を共有するパートナーとなった。
穏やかな性格の彼に、安心して娘を託す事が出来る幸せを感じている。
「お父さんが生きていたらね。」 と言うと、娘は、「もし、お父さんが生きていたら、彼とは出会っていなかったよ。」 と言う。
人生って不思議だ。
曲がり角に来た時に、道が二つも三つも別れていた時に、どの道を選ぶかによって、その後の人生が変わって行く。
そして、私達は、たった一つの人生しか歩む事は出来ない。
たった一本の道を、前へ前へと、終わりのその時まで歩み続けるしかない。素晴らしい景色が現れるのか、見たくない風景が広がっているのか、好むと好まざるとにかかわらず、歩いて行くしかないのだ。
縁あって一緒の道を歩き始めた娘夫婦が、笑顔で歩き続けられますように。