波打ち際の考察

思ったこと感じたことのメモです。
コメント欄はほとんど見ていないので御用のある方はメールでご連絡を。
波屋山人

分別がある人

2009-09-12 13:05:59 | Weblog
子どもたちを叱り付けるとき、会社や世の中に不平不満を感じるとき、
政府の方針に納得いかないとき、考え方の違う人の主張を目にしたとき、
自分の価値観に基づいて反射的な反応を見せてしまうことは、めずらしくない。

何々はとんでもない、何々はひどい、何々は空虚だ、何々はお粗末だ、信じられない。
つい、そういった言葉を用いて対象を拒絶する。

だが、どういった構造に対してどのような判断を行っているのか、的確な分析を行うことは少ない。

それでは、同じ価値観の人と同じ空気を共有することしかできず、価値観の違う人を説得することはむずかしい。

先日、ライブドアニュースを見ていたら、mukashisanpeiと名乗る人のコメントが目に付いた。
その人は、八戸市議の藤川ゆりさんについてこういう言葉を使っている。

 外見だけで市議をやっている輩が
 ピンボケなことを叫びまわっても
 常識ある大人は相手にはしない
 くだらぬことに現をぬかしている暇があれば、
 議員としての仕事を確りしなさい
 http://news.livedoor.com/comment/user/mukashisanpei/

ここでは、「ピンボケ」「くだらない」と言う内容について、具体的な説明はない。
何がピンボケなのか、何がくだらないのか、どういった構造に対して、どういった見地から、否定的に判断するのか。
冷静に説明できない人は、欲求不満のはけ口として暴力的な言葉を周囲に振りまいているように見えてしまうかもしれない。

かつて八戸市議会の映像をみたことがあるが、藤川さんは堂々と壇上で持論を述べていた。
私などでは到底かなわない我慢強さやひたむきさを持っている人だと感じている。
だから、彼女をあげつらう暴力的な言葉を、残念に思う。

藤川さんも政治家として、行動や発言の内容に対して批判を受けるのであれば、沿道の匿名者から品のない野次が飛んできても甘んじて受け止めるだろう。

だが、言いがかりのように暴力的な言葉をぶつけてくる人には、事故に遭ったような気分になるかもしれない。
行動や発言の内容に言及する誠実さがなく、何が「ピンボケ」で何が「くだらない」のか、きちんと説明できない人はその人こそ「ピンボケ」で「くだらない」と言われてしまう恐れがある。

mukashisanpei氏は、自分の価値観、思い込み、刷り込み、感覚、好み、などに合わないものを排除したいのだろう。

自分の心の安定を保つために、受け入れられないものを排除してもいいが、なぜ排除するのか、なぜ拒否するのか、判断基準の説明を試みなければ、自分の価値観を意識することはできないだろう。

自分の価値観について意識的になれば、なぜ不満を感じて暴力的な態度をとってしまうのか理解し、解消することにつなげることができる。

mukashisanpei氏はひとつの表現行為と考えているのか、ストレス解消を試みているのか、下記のようなコメントをニュースのコメント欄に付けている。
これだけ上から目線でコメントできる人は、どれだけ自分に自信があるのだろう。

そういえば週刊東洋経済(2009.8.29)のアマゾン特集で、出版プロデューサーの土井英司さんは、「レビュアーは自分も評価されていることを自覚せよ」と述べていた。
ウェブニュースのコメントも、ニュースを評価している面と、一般人から評価されている面があるのかもしれない。

http://news.livedoor.com/comment/user/mukashisanpei/
「人間として再生される事を希望します…。まぁ、無理だろうな~!」
「“恥”と言う言葉を知りなさい!」
「全く情け無い輩だ!!」
「政治家以前に人間としても超低レベルな輩とお見受けしました」
「幼稚で間抜けなコメント」
「批判だけで建設的意見なし!」
「この様なトンチンカンな主張が、公然と罷り通る世の中になったことに正直恐怖を感じます!」
「この程度のことすら洞察できないようでは、この先、確実に淘汰されるよ」
「貴方の認識、理解力を鑑み、残念ですが回答するに当たらない程度と認識します」

上記のような言葉は、musashisanpei氏本人が言われると不快に感じることなのではないだろうか。
自分が言われると衝撃を受ける言葉が、他の人にとっても破壊力を持つと思っているのではないだろうか。

だが、論理的な言葉を使わず暴力的な言葉で相手をけん制するという手法は、言葉を尊重する人のやることではないように思う。

それに、分析を行わずに好き嫌いで判断してしまうと、思考力のない人だと思われてしまう。
もし、政治家に対して、学歴が高くなかったり、イメージDVDを出したり、美人でちやほやされていることを批判するのであれば、そのような政治家全員にそう言えばいい。

自民党の藤川さんのことは見下して、民主党の田中美絵子さんのことはフォローするというのは、物事の構造を見ず、看板の好き嫌いで判断しているだけのように見える。

どちらも美人で感じ良く、地方から出てきて東京の私立大・私立短大を出て、過去にテレビに出たり映画に出たり。
政治家秘書経験があって、しゃべりが堂々としているのも似ている。

共通する構造があるのに一方を否定して一方を守るというのは、自民党と民主党という所属政党の違いを重視しているからだろう。

差別の解消を主張する人がエロ雑誌出版社を見下してたり、戦争に反対する人が家庭内暴力をやめられなかったり、侵略や植民地運営に反対する人がチベットやウイグルについては黙り込んだりしていては、信頼されない。
物事の構造を見るのではなく、好き嫌いで行動しているのだと思われてしまう。

もし、mukashisanpei氏にお子さんや奥さんや部下がいたら、日常的に怒鳴りつけられたり不快感を見せ付けられたりして、萎縮する思いをしているのではないだろうかと心配になる。
そのような環境に育った子どもは、また親と同じようなことをしてしまうかもしれない。

因果関係や理屈を説かず、一方的に拒絶し決め付ける人は、捕虜や家畜の管理はできるかもしれないが、教育者や経営者には向いていない。

イライラしている時に何かを破壊することは、気持ちがいいことかもしれない。
だが、イライラを無くさなければ、根本的な解決にはつながらない。

イライラを無くすためには、物事の因果関係を見ていく視点を持てばいい。
どういった構造に対してなぜそのように感じるのか、原因が見えてくるはずだ。

世の中に不満をぶつける前に、まずは自分の価値観を把握しておきたい。
そうしないと、傍若無人で見下したような物言いをする人に対して不快さを感じる人が、イライラして、攻撃してくるかもしれない。
同じムジナの争いだろうけど、musashisanpeiはそれに立ち向かうだけの論理もなければ腕っぷしもないかもしれない。

もし、どこかの飲み屋にmukashisanpei氏がいたら、似たような背格好の人が近くの席でmukashisanpei氏を見て
「全く情け無い輩だ」「人間としても超低レベル」
「幼稚で間抜け」「トンチンカン」「淘汰されるよ」
と指差しているかもしれない。
ふと気がつけば、それは鏡に映ったmukashisanpei氏の姿かもしれない。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 心と体に、おいしいお店。 | トップ | IT系の次はNG系か(儲かる農業) »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
その通りだと思います。 (Unknown)
2009-09-28 12:21:55
批判するだけなら誰でもできる。簡単なことです。
そのような一方的で暴力的なコメントや批判が、同じようなレベルの人々に影響を及ぼし、雰囲気が醸成される事はとても危険だと思います。
それが個人の中傷に向けられた場合は特に。

ま、こういう人達は匿名じゃなければ言うことのできない弱い人々なんだと思いますが....

返信する
ご指摘ありがとう! (mukashisanpei)
2009-10-08 01:35:05
登場人物ことmukashisanpeiです。
色々とご指摘いただきありがとう。

ストレスの発散の場として、無意識に閉鎖された環境を利用してしまったことを反省している。

このブログを偶然目にしなければ、引き続き生産性の無い、有害無益で貴重な時間を溝に捨てる無意味な書込みを続けていたかもしれない。

しかし、今日このブログにめぐり合ったことは、私にとって必然であったのであろう。

内容の是非を問わず、今日を持って仕事以外の投稿は全て取り止めようと考えている。

本当にありがとう!


追伸 
>もし、mukashisanpei氏にお子さんや奥さんや 部下がいたら、日常的に怒鳴りつけられたり 不快感を見せ付けられたりして、萎縮する思 いをしているのではないだろうかと心配にな る。そのような環境に育った子どもは、また 親と同じようなことをしてしまうかもしれな い。因果関係や理屈を説かず、一方的に拒絶 し決め付ける人は、捕虜や家畜の管理はでき るかもしれないが、教育者や経営者には向い ていない。

確かにそう思われても仕方が無い所である。無論反論するつもりは微塵も無い。が、しかし“現実は小説より奇なり”的なものかもしれないね(笑)。
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事