波打ち際の考察

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波屋山人

出版社の背景(東京国際ブックフェア2008に行ってきた)

2008-07-16 20:34:52 | Weblog
先週7/10木と7/12土の2日、東京国際ブックフェアに行ってたくさんの本を購入してきた。
過去最高の出展社数(30か国770社)で、入場者も最高(4日間で6万人以上)だったらしいけど、どうも出展をとりやめている出版社も多いのではないかと感じた。
マガジンハウスも来てなかったし。
毎年出展していたソースネクストもいなかった。

どうやって出展社数を増やすか、運営側は毎年頭を痛めているだろうと思う。
来年はもっとVIPチケットを発行して、無料セミナーも増やして、小さな出版社に共同で小さなブースを出すように営業して、後は大手の出版社に良い条件を出して撤退をとどまってもらうのかな。

あるいは、エロ本系出版社にも出展を認めるのかな。
奥の手としては、「東京国際マガジンフェア」を開催して同じスケジュールで開催したら相乗効果で来場者数が増えるかも。


そういえば今年は新宗教系(神道系)の「たちばな出版」は出展していなかった。
社長が逮捕された「アートン」はもう出版社が存在してないんだっけ。
アノニマスタジオとか、プチグラとか、小ぎれいな出版社の出店は年々増えている気がする。

農文協はあいかわらずネイチャーな感じを放って個性的。
外国のブースはどこも寂しい。
特に、リトアニアとかイランとかエジプトとか、立ち寄って見ている人は少なかった。
せっかく遠くからきていただいているのに、もったいない。

大学出版部協会のブースはいろんな大学出版会の出版物を並べている。
残念ながら立ち上げたばかりの筑波大学出版会の出版物はない。

各大学の大学出版会の出版物を眺めていると、なんだか文芸社などの自費出版の本を見ているような気分になってきた。
失礼かもしれないけど、価値の高い本はどのくらいあるのだろう。
筑摩書房や文藝春秋や岩波書店や朝倉書店や東洋経済新報社など、出展していた出版社の人たちは大学出版部協会のブースに並んでいる本を見て、いい執筆者を探そうとしただろうか。この先生にうちでも書いてもらおうと思っただろうか。

一般の出版社から発行できない大学の先生のために、大学がサポートして研究成果としての出版物を作ってあげてもいいと思うけど、そうして作られた本は非常に高いものについていると思う。
ほとんどの大学出版会は事実上赤字。それを負担しているのは大学。
大学出版会の内部に自浄作用があるのかどうかは知らないけど、経営という面で考えると非常に厳しいと思う。
(特に近年研究の成果が目立たない筑波大学にはがんばってほしい。教職員の組合活動をがんばるのもいいけど、研究者なんだから成果出してもらわないと)

大学の先生も、出版する価値があると思う原稿があれば、いろんな出版社にアプローチすればいい。なぜ本にならないのか、出版社の人の意見に耳を傾けてもいい。

僭越だけど、学問レベルの向上や人間の知性の進歩に貢献している大学の先生はいったい何割くらいいらっしゃるのだろうかと感じた。


そういえば今年は「博大書店」も来ていなかった。これは法輪功系。
たしか去年、新日本出版社(共産党系)のブースと非常に近い位置に出展していて、運営会社の人は配慮していないんだなと苦笑した。

出版社にはいろんな背景がある。
知らない人が見たら全く宗教系だと思わない出版社もけっこう多い。
思いついたものだけちょっとメモしてみます。
これ以外にも宗教団体系、政治団体系の出版社はあるはず。

■今年も出展
新日本出版社 → 共産党系
天理教道友社 → 天理教系
聖パウロ修道会 → カトリック系(文化放送の大株主)
浄土宗出版 → 浄土宗系
本願寺出版社 → 浄土真宗西本願寺派系
幸福の科学出版 → 幸福の科学系
聖教新聞社 → 創価学会系
潮出版社 → 創価学会系
第三書館 → 赤軍派系?
等々

■以前出展
博大書店 → 法輪功(ファールンゴン)系
ディスカバー → 自己啓発セミナー系
たちばな出版 → 神道系新宗教系
平河出版社 → 阿含宗系(密教系新宗教)
等々

※宗教団体や政治団体とは関係ない出版社
家の光協会 → 農協系
週間金曜日 → 特定の政治団体の影響下にはない


まあ、宗教団体や政治団体にとってはいい宣伝の場なのかもしれませんね。
今年も「宗教系」「老舗文芸系」「新興おしゃれ系」の出版社が目立っていました。

ポプラ社は勢いそのままに広いブースに多くの人を集めていた。
センスのいいブースが印象的なベレ出版とともに、「最も印象的なブース賞(Most Valuable Booth)」に選びたいと思う。

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