波打ち際の考察

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波屋山人

東京国際ブックフェア基調講演、茂木健一郎(もぎけんいちろう)「本の流通は脳にはじまり、脳に終わる」

2008-07-11 23:38:21 | Weblog
先週はライブをはしごしたけど、今週は講演会をはしご状態だ。
7/8火曜日には元NTTドコモ、現ぴあ役員の夏野さんの講演会で、「インターネットはまだ道半ば。半分くらいでは。産業革命と同じような状況にいる」という話を聞いた。

7/10木曜日には、東京ブックフェアの基調講演で茂木健一郎さんの「インターネットが活用されているこの時代は明治維新に値する」というような話を聞いた。

どちらにしても、すごい時代に生きている。ぼくたちは。
20年前、親戚の90歳代の親戚のおばあちゃんに、「日露戦争とか大正時代とか、第一次世界大戦とか二・二六事件とか第二次世界大戦とか、生身で感じていた人にとってどんな時代だったの」、と聞きたかったけど聞けなかった。

ぼくたちは、きっと第二次世界大戦よりもわくわくするような大変換期に立ち会っている。
この機会をじっくり味合わなくちゃ。


■ブックフェア22008基調講演 茂木健一郎さんの講演から一部メモ
本は情報の王者の立場から落ちるという危惧がある。本は重いしかさばる。
でも、ネットで情報が全部PDFファイルでオープンになっていても同じ情報をぼくたちは本で買う。
読むという行為において本に勝るものは無い。
本には没入感がある。デジタルな画面にはない感覚。
世界と自分の境界がなくなり、白熱しているような状態。
本とデジタルには別の役割がある。

デジタルの情報が無料であるからといって本の流通を妨げるものではない。
活字と自筆にも違いがある。
夏目漱石のファンで、夏目漱石の自筆原稿を見たこともあるけど、自筆原稿と活字は違う。
活字のほうが余計な情報が無い。
印刷されたもので読むと、かけがいのない体験を得ることができる。没入できる。
紙という媒体は脳を本気にさせる。

インターネットの出現により、情報の検索性が増えた。
本はインターネット時代になっても重要性を増している。
でも、ほんとうに雑誌は危機にあると思う。
本は輝きをましている。インターネットは固定点を失っている。

雑誌はひょっとするとやばいかもしれない。
週刊誌は検索もできないしアーカイブもない。
インターネットに情報があふれる中で、脳は不安。情報のいかりを下ろしたい。
本にいかりを下ろしていく。
雑誌は苦しい。
全アーカイブを情報化してインターネットにのせることを本気で考えないといけない。

本の存在意義は古典を作ること。
古典は文明の固定点である。
ゆるぎないものが必要。
ネットの情報の弱点は利点でもあるけど簡単に修正できるということ。
100年経っても200年経っても変わらない価値を求めるなら、本。
本というメディアの特性。10年先、20年先を見るなら古典を目指す。

ネットの本の関係をどう考えればいいか。
Googleのファン。
Google book search は本の内容を検索できる。
PHP研究所はなぜか参加している。
一部のページを見られるからといって本が売れなくなるわけではない・

Amazonでもロングテール、いままで売れなかったような少ない部数しか売れない本がインターネットで売れるようになってきている。
田舎の書店にはつまらない本が多い。田舎の人はそれが世界だと思ってしまう。
知のデフレになる。

知のデフレに対抗するのは本しかない。
「ちくま 思考の補助線」はロングテール本。
ロングテールに手を伸ばすために、本の検索ということを考えたほうがいい。


本のタイトルは編集者や営業の人が決める。
タイトルは本を売る情報としては少ない。
Google book search なら全文検索できる。
茂木健一郎氏の本はジャンルが分かりにくく書店に並べにくい。
脳科学本かエッセイかわかりにくい。
「生きて死ぬ私」(ちくま文庫)は代表作5本のうちの一つに入る。
そもそも、徳間書店の人に臨死体験の話を、と言われたけど結局エッセーになった。
編集の石井さんには「茂木さんが五木寛之だったらよかったんですけどね」と言われた。
内容がよくても売れるわけではない。
五木寛之ならラベルがある。
当時茂木健一郎には脳というラベルしかなかった。
本の検索はそういったことを解決するかもしれない。

「レディメイド 千利休」で検索して本が出てきたら買いたい。
Google book search ならそういうことが可能。

無料で情報が全部ネットに出ているものでも本として売れる。
ある情報がネット上にあることと、本として売れることは矛盾しない。
どうやって本に人を近づけるかが大事。
いい本があれば、どうやって潜在的にほしいと思っている人に結びつけることができるか。

それに対して現在はきわめて原始的。
本気でやったほうがいい。
新聞広告、書店でのポップ広告もいいけど。
もっと別のやり方があるのではないだろうか。
インターネットという強烈な情報検索ツールかが出てきた。

ネットというインフラがある。
どうやっていい本を潜在的な読者に届けるのか、もっと工夫することができる。

茂木健一郎氏の工夫。
よみうりウィークリー、サンデー毎日などに連載しているけど、現行の一部をブログに載せている。
原稿の一部だけブログに載せて、全文はよみうり~を見てください、と書いている。
ネットの性質を利用しない手はない。
論理的に正しい。
自分が出版社の社長であれば、Google book search を利用する。

今は文明開化くらいの大転換期。
アメリカ発のインターネットの中で日本は防戦一方。
でも本とインターネットは相性がいい。
どうやって本との幸福な出会いを演出するか。
脳には楽観回路があり、うまくいくと思えばよく機能する。
客観的な状況よりもうまくいくと思うのが脳。
うまくいかないとウツ状態になる。
本の将来は明るいと信じることが大事。

本を積み重ねた分だけ自分も遠くを見渡せるようになると思っている。
本というものは圧縮の密度。どれだけ集中できるか。
欠かせないもの。
イギリスでは、何かを専攻するということをreadという。
Read philosophy(哲学専攻)など。

言葉の持っている要約力はすごい。
ドキュメンタリー番組のリアリティは言葉によって支えられている。
どこかにこういう記事があったような気がするのだが、岡本太郎はこういうことを言ったらしい。
あるパーティーの発声のときに、「この酒を飲んだらしんでしまうと思って飲め!乾杯!」と言ったという。

オスカー・ウェルド?の「我々は皆下水溝の中にいる。だけど我々の何人かは空を見上げている」という言葉もすごい。
本の恵みを我々はもっと思い起こさないといけない。

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1 コメント

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おいおいおいwwwwwww (ぷちょ)
2008-07-12 16:00:15
凄すぎて即レスしにきたぞwwww
教えてくれてありがとう!!!ソッコーで旅行代稼げたよ(σ・∀・)σ
「臭いぉちωちωが好き」って変態女だったから千ン⊃洗わないで会ったら
大喜びで根元まで咥えてキレイにしてくれたしwwwwアホすぎーーーwwww
でもパイのデカさは最高だったわ(・∀・)
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