波打ち際の考察

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波屋山人

「ヒマラヤほどの消しゴムひとつ」の意味

2010-03-17 23:22:45 | Weblog
テレビを見ていると、印象的なメロディーが流れる。
開放感のある海岸沿いの道を歩きながら、宮崎あおいさんが口ずさんでいる。
ブルーハーツの曲だ。
何のCFかは印象的ではないけど、曲と歌詞が耳に残る。

口のわるい彼女は「歌が下手」などと言うけど、そんなことはない。
わざと、アカペラで、シンプルに、飾ることなく口ずさんでいる。
広がる世界に向かい合って、つい笑顔とメロディーがあふれ出る感じ。

「ヒマラヤほどの消しゴムひとつ」
「ミサイルほどのペン」
とは、どういう意味だろう。

彼女に聞くと「え、わからない。大きな消しゴム?」などと言っている。
そんなはずはないだろう、と思う。
巨大な消しゴムの山とか、ロケットみたいな巨大なペンがあっても、何に使うのだ。コントじゃないんだから。

ぼくなりに、歌詞の意味を解読してみよう。

 ヒマラヤほどの消しゴムひとつ
 楽しいことをたくさんしたい
 ミサイルほどのペンを片手に
 おもしろい事をたくさんしたい

これは、若者の歌だ。
つまらない授業を受けていると、先生の言うことは耳を素通りし、黒板に書いてあることは目に入らない。
自分の世界に入りこんで、手元の消しゴムを巨大な白い山脈に見立てることがある。
机の上のペンを破壊力抜群のミサイルに見立てることもある。

消しゴムの山脈の陰には何ものかが潜んでいるかもしれないし、誰かが山登りを試みているかもしれない。
ペンのミサイルは教壇を狙っているかもしれないし、前の席の男の背中を狙っているかもしれない。
ペンに見立てたミサイルをゆっくりと山脈にむかって動かすことだってあるだろう。

文房具を何かに見立てて想像を広げる若者に対しての、応援の歌だと読み取れる。
「身近なつまらないものにも想像力を広げて、いろんなことを体験しよう。楽しもう」
というような姿勢を感じる。

 今しか見る事が出来ないものや
 ハックルベリーに会いに行く

この部分にも、トム・ソーヤの冒険心や、未知の世界に対する好奇心が示されている。

「夜の扉」は開けられるし、
「支配者達はイビキをかいてる」から目を盗んで出かけられる。
「夜の金網」だってくぐり抜けられる。
好奇心に満ちて感じ取れる世界を広げて行く、若者たちの気持ちを歌っている。
抑圧に反発して顔をしかめるよりも、軽やかに枠組みを抜け出して、楽しみを見つけるほうに踏み出している。

だから、宮崎あおいは笑顔だし、ちょっと安定していないような体勢でも、軽やかに先に進んでいくことができるのだ。


(すごく見当はずれだったらごめんなさい)


■THE BLUE HEARTS
「1001のバイオリン」 作詞・作曲 真島昌利

ヒマラヤほどの消しゴムひとつ
楽しいことをたくさんしたい
ミサイルほどのペンを片手に
おもしろい事をたくさんしたい
夜の扉を開けて行こう
支配者達はイビキをかいてる
何度でも夏の匂いを嗅ごう
危ない橋を渡って来たんだ
夜の金網をくぐり抜け
今しか見る事が出来ないものや
ハックルベリーに会いに行く
台無しにした昨日は帳消しだ
(略)
※参考
http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND48132/index.html

・宮崎あおい CM earth music&ecology 歩く篇
http://www.youtube.com/watch?v=QjikKRJi7qc&feature=related

コメント (5)
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