波打ち際の考察

思ったこと感じたことのメモです。
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波屋山人

戦車と救急車

2010-02-26 00:57:36 | Weblog
商社マンは戦場であっても商売をする。
需要に応じてすぐ商品を手配する。
時としてむずかしい判断を問われることがある。

■戦車の形をした救急車と、救急車の形をした戦車

ついに戦争がはじまった。
すぐに戦車を送ってほしいと注文が来た。

ところが、現地には試作品しか残っていない。
「戦車の形をした救急車」と「救急車の形をした戦車」という珍品だ。

さて、どちらを納品すべきだろうか。

形で物事の機能を判断する日本人には「戦車の形をした救急車」を、
形よりも機能によって判断する中国人には「救急車の形をした戦車」を売ろう。

日本人には、「これは見たものは皆逃げていく威容だが、救急車として使える」と伝え、
中国人には、「これは見たものは皆警戒しないが、近寄ったところをズドンと撃つべし」と伝えた。


■愚鈍な顔をした司令官と、威厳ある顔をした年輩二等兵

さらに、戦場から傭兵の注文が来た。
すぐに優秀な司令官を送ってほしいとのこと。

ところが、現地には2人しか残っていない。
「愚鈍な顔をした司令官」と「威厳ある顔をした年輩二等兵」という使えない2人だ。

さて、どちらを送り込むべきだろうか。

見かけで物事の価値を判断する日本人には「威厳ある顔をした二等兵」を、
見かけよりも能力によって判断する中国人には「愚鈍な顔をした司令官」を派遣しよう。

日本人には、「立派な司令官を連れてきました。彼が命令すれば誰もが突進します」と言い、
中国人には、「したたかな司令官を連れてきました。とぼけた顔で相手の裏をかきます」と言った。


そして、日本人にも中国人にも喜んでもらい、フランス人の商社マンは売上を伸ばすことができた。

戦争は続き、中国が圧倒的優位のもとに戦局は進んだ。
だが、最終的には日本が中国に勝ったという。

いくら機能が優れていても、それを使用し、維持するのは人間だ。
日本人は、個々の判断力や行動力はたいしたことがないが、組織になると強い。
組織の価値観と自分の価値観を一体化させ、計算を除外して立ち向かってくる。

中国人が、誰がどの戦車に乗るかということで対立し組織としての弱さを見せたとき、
日本人は全速力の救急車を戦車にぶつけてくるという捨て身攻撃を行ってきたという。

威厳ある顔をした年輩二等兵は、割に合わない突撃を繰り返し命令し、多大な損失を出しながらも、最後には愚鈍な顔をした司令官の戦闘意欲を消失させたという。

そのことを知ったフランス人の商社マンは、
「はっきりした価値観を持たない人々を集めて、軍事的・経済的な傭兵を育成する」という方針を固めた。


上記の話はもちろん作り話。
人生万事塞翁が馬、という感じかな。

有効性を判断するのかは難しいし、最終的にどういう結果になるか予測するのも難しい。
ただ、組織の強化を意識すると、自己主張の強くない人の需要は大きいかもしれない。


コメント
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