絵本と児童文学

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シニアの会話から

2014-11-22 20:57:18 | シニアの暮らし-過去と今と
 テニスをやっては腰が痛くなり、リハビリで少し緩和される日々である。待ち時間がいやなので午後の開始5分ぐらい前に行く。この頃顔なじみになっているが、ぼくはしゃべらない努力をしてもっぱら聞いている。
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「今趣味は何やっているの」
「80になったので、ぜ~んぶやめた。墓場には身軽で行ったほうがいいよ。今は病院通いで、診察券がトランプできるほどになったよ」
 この人は様々な人と会話をするが機知にとんだ会話センスに感心して、つい耳を澄ましてしまう。
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 この人があるとき、クリニックに入ってからクリニックの人に、
「あそこに犬がしばられているよ。かわいいよ」といった。
犬の飼い主の顔が一瞬曇ったのを察したぼくは、
「しばってるんじゃなくてつないでいるんだよね」
といったら、飼い主の顔はさっと明るくなってぼくの方を向いた。
「しばる」という言葉が、話した人はリードを結んでいるという意味で使ったのが、飼い主はぼくの予想通り犬を縛っていると受け止めたのだ。話をした人が「かわいい犬」を紹介したのだが、その前の「しばる」という言葉に反応してしまった。シニアの会話によくあるすれ違いだ。
* *
 クリニックの外で開始を待つところに、小学生の下校時間にボランティア「子ども見守り隊」という腕章をしている人がいる。80歳前後だと思うが、子どもにさまざまな声かけをして子どもも反応してなじんでいるので、なかなかできないことだと感心している。それに夕刊を持っていて少しの時間でも読んでいる。昭和の人は一般的には新聞を離さないものだと再確認する思いだ。
 クリニックに初診の人に並ぶ場所を知らせるし、通院している人とも会話を交わす。通院の女性が、
「感心ですね。わたしも見守って欲しいよ」
「ほら、今見守ってるよ」
といって顔を見て返事をした。

 様々な会話していたら、
「わたしはレンジを使わないで、ガスで温めるんだ。東電に頭へきているから、電気はなるべく使わないようにして、暖房も東京ガスだよ」
という話に展開が変わった。周りの反応がなかったので、よい話なのでよほどぼくは反応しようと思ったが、こらえた。クリニックの扉が開いて、待っている人はそこを離れた。



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