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雑草の日:雑草の魔力

2023-08-01 06:29:59 | 日記
薄暗い景色に浮かぶもの

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週は、 アヤメ科 ヒメヒオウギズイセン属 ヒメヒオウギズイセン です。

 夕立の気配を伴って雲が急速に広がり始めた空。
家までまだ距離があるから急ごう。
速足で歩き始めたら、薄ぼんやりした景色に浮き出る鮮やかな橙色が目に
飛び込んで来ました。
 すっかり花期が終わったアイリスが植わる公園の一角。
その中に混じりこんだ何かの花が開いている様ですが、遠目では判別できません。
焦る気持ちを抱えながら近づくとヒメヒオウギズイセンが3株生えていました。
 何処かから種が飛んできたかと考えましたが、この草は滅多に結実しない筈。
誰かが球根を植えたのかもしれません。

 <株の間から花茎を伸ばし穂状の花を付ける。
花茎は途中から分枝し一枝に4~20個の花を2列に咲かせる。
花の径は3~5mm、橙色から朱赤色で中央は黄色を帯びる。>(ガーデニングの図鑑 より)
 真夏の太陽に似合う花ですが、夕立の気配の中でも存在感は薄れません。
逆にこんな薄暗さだからこそ、余計に朱色が際立ちます。

佐賀県では禁止植物

 元々は南アフリカ原産の植物を交配させて生まれた園芸種。
<1880年にフランスの育種家ヴィクトール・モワーヌが作出した。>
 傑作を生み出したと喜んだでしょうが、その後の制御不能の事態は予想
しなかった筈。
<強健な性質と多様な環境に適応する力、旺盛な繁殖力で分布を拡大。
ヨーロッパ、南北アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドで野生化
している。>(ガーデニングの図鑑 より)
 日本には明治中期に園芸種として渡来しましたが、逸出して野生化。
北海道から本州、四国、九州に分布。
佐賀県では移入規制種に指定され栽培が禁止されています。

 ところがこのヒメヒオウギズイセン、外来種ながら姿形に和風な趣を
漂わせているので、寺社の境内にあっても違和感はありません。
そのため積極的に駆除しようとする向きは少なく、現在も勢力圏を拡大中です。
 駆除するには<掘り起こして全ての球根を徹底的に摂り除く。
除去した物は燃やすかゴミステーションに出すかする。
その後にグリホサートとメトスルフロンメチルの混合物を噴霧する。>(pictureThis より)  
 とは言え根絶やしにするには惜しい美しさ。
駆除が盛り上がらないのも分かります。
 ヒメヒオウギズイセンは夕立に巻き込まれそうなオヤジの足を動かなく
させる魔力を持っています。

コメント
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