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善光寺さんと世界遺産

2016-02-20 07:00:08 | 日記
世界遺産指定を目指した動き

 書類が必要で近くの支所に出かけました。
見るともなく目をやった先に「善光寺さんを世界遺産に」の文字がありました。
それは青空の下、ドッシリと構えた善光寺本堂が大写しになった1枚のパンフレットでした。

 毎週土曜日はウォーキング中に思いついた謎を取り上げています。
12月に始まった善光寺の謎シリーズ、今日のテーマは「善光寺を世界遺産に」です。

 パンフレットの発行者は「善光寺の世界遺産登録をすすめる会」で、長野市商工会議所内
にある長野青年会議所が代表だと表記されていました。
「善光寺は寛容な信仰形態を持ち、わが国を代表する門前町と共に発展してきました。
祈りによって築かれた文化遺産が世界遺産に登録される事を目指して、魅力を高めていきましょう」
趣旨がこの様に記載されていました。

 世界遺産は国がユネスコに正式な候補として届け出る事から始まりますが、国内に
同じ趣旨の届け出が無い事が前提になります。
 県では善光寺と松本城を世界遺産に押す動きがありますが、前者は法隆寺、後者は
姫路城が既に指定を受けており、この前提条件に引っ掛かってしまいます。
そこで「度重なる火災を受けながらその都度復興を果たした善光寺本堂と、世界に
類の無い独特な空間を示す門前町をセットにして推薦を得よう」とした動きが出て来ました。
 世界遺産は国内では26の都道府県が指定を受けていますが、残念ながら長野県
には指定箇所がありません。

あらゆる人があらゆる想定を

 もしも世界遺産指定を受けたら私たちの生活や環境はどう変わるのでしょうか。
「世界中から観光客が押し寄せ、市の経済が活況を帯びる。
潤った財政でバス路線が拡充され料金も無料化される。
高齢者が通院したり買い物に出かけたりするのが便利になる。
しかし市内は押し寄せた観光客で何処も渋滞。
それでも時間だけはタップリとある高齢者、混雑したアーケードで、大勢が待つ交差点で、
あるいは全然進まないバスの中で、少しばかり照れながら海外からの訪問客と会話を始める。
元気の良い年よりはボランティアに参加して新たな生きがいを実感する。
一方で善光寺周辺の混雑はピークを迎え、これまでの様な静かな祈りは望めない。
世界的に注目が高まり、寛容な信仰形態を持つ善光寺が謂れのないテロの対象に晒される」

 最悪の想定まで含めて、世界遺産の指定は良い流れも悪い流れも区別なく引き寄せるでしょう。
どの様な意見に対しても賛成があれば反対もあります。
だからこそ、世界遺産の登録を目指す前に、市民全員がそれについて考える事が大事
なのではないでしょうか。
 私たちの心の拠り所善光寺。
「世界遺産の指定は必要なのか」を市民一人一人が考え始めるところから出発できると
良いですね。
コメント
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