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良く見るけれど正体不明のこの草、何?

2016-02-16 07:00:00 | 日記
冬の散歩道

 冬の散歩道は殺風景。
畦道でも道端の空き地でも、たいてい目に入るのは朽ちて薄茶に変わった草です。
夏の頃、あれ程方々で勢いを見せつけていた緑の色素は、雪と氷に洗い流されてしいました。
 しかし場所によっては緑も残っています。
さすがにこの時期鮮やかではありませんが、色落ちした緑と薄汚れた黄色の草が生えていました。
秩序無くもつれた長い葉を絡み合わせて地面に張り付く姿は、使い込んで捨てられた
汚れたモップの様。
ひとつだけならすぐに忘れてしまいますが、一面にモップが捨てられているとどうしても
気になります。
 あちらこちらでロゼット状に地面に張り付いて、寒さが厳しい今の時期やけに目立つけれど、
この草は何?

 毎週火曜日はウォーキングをしながら見つけた山野草を取り上げていますが今週取り
上げる草は・・・。

地道な捜査の末に

 イネ科の植物の正体を探るのは厄介です。
何と言っても姿かたちが似ている物が多過ぎる。
見分けるには、穂を見つけて図鑑で調べるのが一番簡単です。
しかし立ち枯れた茶色の草には残っていても、肝心なこいつには穂がありません。
恐らくエネルギーを出来るだけ使わない様に、役目を終えた組織は早い時期に切り捨てられ
たのでしょう。
 長い葉を持ち帰って図鑑と引き合わせましたがこれは無駄。
際立った特徴の無いイネ科の葉っぱはどれもが同じに見えました。

 地道な捜査の末、とうとう重要な手がかりを見つけました。
一本だけ穂を残した一株があったのです。
付近に根を張る他の草の物では無いのか、間違いなくモップの根から伸びている穂なのか、
何度も確かめてから持ち帰る為に折取りました。
穂はスッカリ枯れているので、力を入れると一粒一粒の小穂がポロポロこぼれ落ちてしまいます。
なるべく穂全体が残る様に大事に持ち帰り図鑑を広げました。
そうして判明しました、この草の正体が。

 大抵のイネ科の草は冬になる前に枯れてしまいます。
種になって地面に落ちて、あるいは地上部分を枯らして根だけになって、春を待っています。
 余り種類は多くないけれど、地上部も根っこもそのままで冬を越す物もあります。
種や根だけの植物に比べたら、このタイプはやたら競争に強いでしょう。
春の日差しが届いた途端、すぐに光合成を開始してエネルギーを作って生育範囲を広げ
られるのだから。
 その仕組みのお蔭でこの草は日本中何処ででも普通に見られるし、いわゆる雑草の代名詞
にもなっているのです。
しかしてその正体は、イネ科 エゾムギ属 カモジグサ でした。
コメント
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