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植物は不凍液で寒さに立ち向かう

2016-02-09 07:00:40 | 日記
全ては雪の下

 来週でこのブログを始めて丁度1年。
その間、山野草を見ながら歩いたので50種程の名前や生態を覚えました。
草の名前など全く知らなかった1年前に比べれば飛躍的な進歩ですが、まだまだ
量も少ないし底も浅い。
今年は一歩踏み込んで深堀りした知識を身に着けるのが目標です。

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた山野草を取り上げていますが、
今週は イラクサ科 ヤブマオ属 ヤブマオ です。

 一見すると柔らかな布団を被せた様に見える雪ですが、実際には冷たくて重い塊です。
ほんの4か月前、この下には青々としたヤブマオが茂っていました。
シソの葉に似たギザギザな緑の葉っぱは、時に風に吹かれて白い葉の裏を見せていました。
茎の先端には太いひもの様な棒状の花がありました。
 それが今ではすっかり姿を消してどこかで春の訪れを待っています。
その命、雪の下でどうやって厳しい寒さに耐えているのでしょう。

砂糖で越冬

 植物には幾つかの越冬の仕方があります。
1年草に多いのが、春に芽を出し秋に種になって冬を越すタイプ。
秋に芽を出して余り大きくならずに冬を迎えるタイプもあります。
エネルギーを使わない様に、丈を伸ばさずロゼット状で地面に張り付いて冬を越します。
更には茎や葉等の地上部を枯らせて、根や地下茎で冬を越すタイプ。
これは主に多年草です。
ヤブマオもこのやり方です。

 ヤブマオの根は縦横無尽に伸びて、背丈を超える長さに成長します。
深い場所の根は平気でしょうが、地上付近は寒さによる厳しい攻撃に晒されます。
地表に近い部分の土壌は凍結しやすいので根が水浸しになり、細胞の外側に入り込んだ
水分が凍りついて組織を破壊します。
 厳しい寒さには耐寒性程度の防御手段ではかないません。
必要なのは氷点下にも耐える耐凍性の仕組みです。
そこでヤブマオなどの根はショ糖やソルビトール等の耐凍性の物質を蓄えて寒さを凌ぎます。
難しそうな名前ですが、ショ糖は白砂糖、ソルビトールはリンゴの密の部分です。
 雪中キャベツや雪中ニンジンがおいしいと評判ですが、寒さを防ぐ為に蓄えた耐凍性物質
で甘みが増すからなのですね。

 今の時期きっとヤブマオの根も口に含めばほんのり甘いのでしょう。
一面の雪を取り払い、硬い地面を掘り起こし、枯れた茎を引っ張って、出て来た根をひとかじり。
う~んあり得ない、そんなズクはありません。
今年もやっぱり私にとって深堀りは縁遠い話です。
コメント
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