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神農も食したのだろう、この草の根

2016-02-02 08:06:29 | 日記
遅まきながらの学習

 野山に自然に生えている草を大雑把に括って雑草と呼んでいますが時に、
これは雑草なのか、と驚かされる草があります。
今日取り上げるのもそんな草のひとつで、長い間雑草では無くて園芸種が
野生化した物だと思い込んでいました。

 毎週火曜日はウォーキング中に見かけた山野草を取り上げていますが、
今週は キジカクシ科 ジャノヒゲ属 ジャノヒゲ です。

 幅の狭い細長い葉が根元から幾本も生えている常緑の草です。
この草を見つけたのは八幡様の境内に作られた土手の斜面でした。
 余り日当たりの良くない土手の所々に根を張って特徴的な葉を伸ばしていました。
森林公園の小道の脇でも数株が生え、数珠のような群青色の小さな実を着けて
いるのを見つけました。
 しかし一番良く目にするのは住宅の玄関先です。
縁石に沿ってこの草を植えるご家庭は実に多い。
だから疑いも無く、ジャノヒゲは園芸種だと信じ切っていました。
 今回図鑑を開いて、昔から日本全国にある在来の種だと初めて知りました。

咳を止めるメカニズム

 ゴホゴホとこみ上げる様な咳、あるいは痰が切れにくい乾いた咳、辛いですよね。
齢を取るに従い体の潤いは減少します。
時として気道の粘膜の湿り気が不足するとこの様な咳を引き起こします。
 そんな時に漢方薬では麦門冬が処方されます。
良く名前が知られたこの薬、実はジャノヒゲの根が原料です。

 西洋医学では化学物質を使って今ある症状を抑える治療を目指します。
咳ならば、麻薬性のコデインや非麻薬性のノスカピンを用いて中枢をマヒさせる、
あるいはメチルエフェドリン等のアドレナリン作動薬で交感神経を刺激し気管支を
拡げさせて咳を止める、等の治療が行われます。

 翻って東洋医学では、体の状態を見極めて病気の根本的な原因を突き止め、
その改善を目指します。
治療に使う物は自然界の物質。
 その為古くから生薬の研究が進み膨大な知識が蓄積されてきました。
農業と医学の創始者と言われる神農は、植物を中心に鉱物や動物の成分をひとつひとつ
口に入れて効果を研究したと言われています。
その集大成が2000年前に中国で書かれた神農本草経です。

 ここでは365種の薬物が分類され、人々の健康作りに役立てられて来ました。
「神農は1日に70もの毒に当たった」の記述を読むとその凄まじさに鳥肌が立ちます。
その情熱と探求心は何処から生まれたのでしょうか。
 「野生種と園芸種の違いが分からな~い」とほざいている自分が恥ずかしくなります。
コメント
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