Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

金子三勇士 in CHANEL Pygmalion Days Special Concert

2010-11-15 00:07:02 | ピアニスト 金子三勇士
11月14日(日)、金子三勇士はシャネル ネクサスホールにおいて
「指揮者 大山平一郎と若手音楽家たちによる室内楽」に出演した。

ブラームス ピアノ四重奏 第一番 ト短調 作品25
金子三勇士(ピアノ)
印田千裕(ヴァイオリン)
大山平一郎(ヴィオラ)
金子鈴太郎(チェロ)

その日は会場近くのホテルで実家の母の誕生祝いのランチをした後、
開場時間にはかなり早かったが、
シャネルネクサスホールの方向へ歩き始めた。
何と雑踏の中で金子三勇士と遭遇。
アンサンブルの合わせが一区切りして、外の空気を吸いに出てきたところだそうだ。

3日前に中国、西安での演奏旅行から戻ったばかり。
ソロの他にトランぺット奏者との共演もあり現地では多くの観客に囲まれて、
充実した時間を過ごしたようだ。

日曜日の午後、歩行者用道路となった銀座周辺、
大勢の人で溢れる街の中、ちょっとでもタイミングがずれたり、
別のルートでこの道に至っていたら会えなかったと思うと
こんな偶然のできごとに驚かずにはいられない。

金子三勇士のアンサンブルを聴くのは昨年の東京音大のホールでの
ドボルザークの演奏以来。
ソロとは違った表情を室内楽演奏では観ることができる。

前半は、ベートーヴェン 弦楽三重奏 第一番
後半に金子三勇士が登場。
弦楽奏者達と呼吸を合わせ、滑らかにスタートしていく。
背中から他の演奏者の音を聴きつつ、自分の音を作り上げていく。
時折、左手の演奏のみの部分、体を大山平一郎の方へ向け、
視覚でも雰囲気を捉え方向性を確認していく。

第一楽章から第四楽章までピアノは様々な表情を見せる。
緩やかに始まり、第三楽章の打楽器のリズムを刻むような部分、
そして最終楽章では三勇士の得意とするハンガリー的な調べ。
室内楽、これくらいの規模の小ホールならではの心地良い響きを楽しんだ。

金子三勇士、主役を演じさせても才能が輝くが、脇を固める技にも長けている。
他の演奏者とのバランスを取りながら、その中で自分の演奏もしっかり聴かせていく。
相乗効果でそれぞれの演奏者の魅力が惹きだされていく。
ソロとは異なるピアニストとしての奥行きの深さを堪能することができた。