行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

1ドル100円、1ユーロ130円へ

2013-04-09 18:06:43 | Weblog

この為替レートは庶民感覚ではどのような水準なのだろうか。英国の雑誌エコノミストがマクドナルドのビッグマックの各国売価で為替レートを算出しているが、購買力平価での為替レートとして庶民感覚では判りやすい。
今日本のビッグマックは地域に差があるが東京では310円、米国では4.33ドル、ユーロ圏では3.58ユーロ、冒頭の為替レートで換算すると、ビッグマックは米国では433円、ユーロ圏では465円(付加価値税を考慮すると370円)となり、かなり円安の水準だ。

但し、日本のビッグマックの原料の牛肉はオーストラリア産だ。豪ドルがほぼ米ドル並みに1豪ドル80円から100円に高くなっているので時間軸を考えると原料高となり、ビッグマック310円は値上がりするだろうし、デフレ脱却を唱える安倍政権の狙い目でもある。つまり、現時点では東京でビッグマックを食べると割安でお得感があるが、時間軸を考えると単純ではない。

マックでなく普通のレストランで食事をとるとどうなるのだろうか。昨年、北イタリアのコルティナ・ダンペッツォに滞在した時、ごく標準的なリストランテ5TORRIでのサラダ、ピザ、ワインなどの夕食代が二人で38ユーロだった。当時1ユーロ108円くらいで4000円ちょっと、食べきれない量にしては安い夕食代だった。今日のレート1ユーロ128円だと4864円、まだ東京のレストランより安い。庶民として円安は冒頭のレートぐらいでストップして欲しい。

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昭和記念公園スプリングマジックオープン

2013-04-07 23:25:37 | Weblog

名残の桜も花吹雪で風情がある。スプリングマジックがオープンし、チューリップも咲き始めたが桜は水辺に花びらを浮かべてるだけの景色。

欅の若葉が映える

ポピーは満開へ

池の周囲のチューリップは結構咲いている。奥にはポピー畑が

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黒田マジックで日本中大騒ぎ

2013-04-05 22:51:48 | Weblog

デフレ脱却へ2%の物価上昇を2年間で実現するため、これまでと違った手段でお札を2倍発行すると日銀政策委員会が満場一致で決めたとたんに円は96円になり株はこの二日間で13000円まで上昇した。黒田新米総裁の見事なマジックで日本中が大騒ぎとなった。

日銀の2倍となる発行通貨は主として銀行を通じて世に出るわけだが、企業が借りて設備投資をしたり、個人が買い物や住宅建設でローンを組むということが起きて初めて物価に影響する。黒田総裁は「2%物価上昇ということが明らかになれば,企業は設備投資をする」と言っているが私にはぴんとこない。よほど輸出が伸び、消費者が財布の紐を緩め、余裕のある高齢者が金でも使わないかぎり設備投資には結びつかない。

企業が銀行から借りないと、余った通貨は銀行が日銀に貯金をすることになり、せっかく世に出した通貨は戻ってしまう。金利は史上最低になったがこれの恩恵はローンを借り換える一部の人で、年金生活者の大部分は貯金の利率が下がり、財布の紐を引き締める。

昨日、今日のマーケットの熱狂も厳しい現実に直面することになり、浮かれた楽観は禁物だ。デフレファイター黒田総裁は歴史に残る闘いに突入した。歴史に残る総裁ではインフレファイターの一万田尚登(いちまだひさと)がいる。彼は日本銀行にはいり,大阪支店長などをへて,昭和21年に第18代総裁になった。以後8年半にわたりインフレ抑制に金融政策を推進し、GHQをバックに「一万田法王」と呼ばれるほど絶大な権威を振るい、川崎製鉄(現JFEスチール)が千葉に製鉄所を建設しようとした際、金融引き締め政策に逆行する巨額投資に憤り、「建設を強行するなら今にペンペン草をはやしてやる」とまで言った。黒田総裁は企業に設備投資を促す役割、歴史の皮肉だが、別のマジックを考えるか?

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千鳥ヶ淵の夜桜独占

2013-04-03 23:18:18 | Weblog

今年の桜見物、天気の変化が激しく、花見幹事を悩ませ、2日の雨中決行千鳥ヶ淵の夜桜見物は何と独占状態だった。私が会長を務めるワイン会の花見、例年より早く設定したのだが朝から雨、九段下のフレンチに集合、鴨葱をつまみにシャンパン、サンテミリオン、ポイヤックを空け、この雨では解散と思ったが、ここまで来て花を見ないのは失礼という強いご意見、見たら長靴を履いてる出で立ち。

花の状態は? 1日は出勤していたので昼休みに下見をしたら、下の写真のように2~3分ほど散ってはいるが夜桜なら合格と判定をした。ほろ酔い機嫌で千鳥ヶ淵に到着したのだが雨のため千代田区観光協会も店じまい、ライトアップは無し、街灯のみの夜桜となった。しかし街灯も最近はナトリウム灯で明るいため結構桜が映える。人影もない中、我らの独占状態となったわけだ。

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産業競争力と解雇自由化

2013-04-02 11:15:15 | Weblog

政府の有識者会議で、正社員中心の労働市場の見直し議論が本格化している。勤務地や職務を限定したり、解雇規制を緩和したりするなどして労働市場が流動化すれば、成長産業への人材移動が円滑になって経済が活性化するという論法だ。小泉規制改革で派遣労働者の製造業への拡大など規制緩和を実行した竹中氏や経団連の長谷川委員が主に主張している。

特に力点を置いているのは解雇規制の緩和で、長谷川氏は金銭を払い解雇を可能にすべきとしている。現実、解雇問題で長期裁判になり、職場復帰より金銭解決の方が多いことを考えると、手軽に金銭解雇が横行することなる。問題はこれで企業の競争力が高まるのか、また成長産業への人材移動が進むのかということだ。

かつては日本企業の企業内訓練や教育は世界トップクラスで、90年には日米構造会議の一環でワシントンでセミナーを開催し、筆者も労働側代表で日本の制度を評価した記憶がある。企業は人なり、人材育成こそが競争力の源泉だと米国を説教して回ったのだ。

近年、日本の大企業は人材育成どころか手軽に非正規労働者を雇ってきた。今度は正規社員まで不安定雇用に貶め、それで競争力が増すのだろうか?電機産業などはこの10年の経過を見ると、人材育成や能力開発投資をケチり、そのつけが回ってきた企業が多い。

優秀な労働者を金銭解雇し、成長産業へ人材移動なんて、実現不可能なことは明らかで、解雇制限を撤廃するがための理屈だ。就活情報が活発化した現在、良い処遇の成長産業があれば、金銭解雇などしなくても労働者は移動する。

日本に今欠けているのは、企業が倒産した場合,失業者を必要な期間訓練し、確実に就職させるシステムで、スエーデンやシンガポールでは機能しているので労働者は安心して失業できる。手厚い保護でゾンビ企業を残していることこそが競争力を阻害している。ちなみにスエーデンは国際競争力で世界トップクラスだ。

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