行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

海外ファンドがアベノミクスを疑いだした

2016-02-28 22:38:08 | Weblog
 
海外ファンドも春闘に期待

日経平均株価はこのところ今世紀最高値をつけ、本日も18500円台を維持している。その要因を見ると、1月は海外投資家が大幅に売り越す一方、公的マネーと云われる年金積立金管理運用独立行...
 

昨年の東証日経ダウ18000円から今は16000円を保つのがやっとという状態、世界の主要市場で最も下落している。今年に入り東証取引の6~7割を占める外国ファンドの売り越しが続いているのが要因だ。昨年のブログで外国ファンドが買い越しを続ける条件はアベノミク第3の矢が成功することが条件と書いたが、残念ながらそうはならず、むしろアベノミクスへの懐疑から売り越しになっている。

上海のG20では予想どおりというか,ほとんど何も決まらないに等しい結果となった。金融政策は限界となったので財政政策をというのだが、中国のごとく財政政策が破綻しているのにまだやれというのだから呆れる。アベノミクスが「同一労働同一賃金」などようやく分配に踏み出したというのにまた補正予算で道路ということになるかも、いや参議院選挙の前にダムだ橋だという元の木阿弥になる可能性が出てきた。ついでに消費税増税の延期も渡りに船となろう。

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庶民のマイナス金利対策

2016-02-27 23:46:46 | Weblog
2月3日のブログでマイナス金利導入と聞いて瞬間に思ったのは「銀行は当然預金金利をゼロに近く下げるだろう。0.02%の普通預金金利などは0.001%ぐらいになり、時間外で引き出すATM手数料は300円ぐらいになるだろう。300円の利息を稼ぐためには30,000,000円預金しなければならない。そうなると銀行に預ける手間を省き箪笥預金が増え、空き巣泥棒が喜ぶのでは」と書いた。予想どおり普通預金の金利は0.001%に引き下げられた。驚いたことには近所のカインズでは、家庭用金庫がずらりと並んでいた。5万円くらいの金庫だが、空き巣対策にはなる。
 
その後の庶民の反応、①高島屋の友の会に入ると、毎月一定額を12カ月間積立すると1年後に1カ月分のボーナスをプラスした「お買物カード」を貰える。これは8%強の金利に相当するので、申し込みに長蛇の行列ができたとの報道、②JALとかANAの旅行積立の人気が復活した。1年後に旅行する場合毎月積立るコースと一括払い込むコースがあり、後者の場合は3%の利息が付くので、485437円払えば14563円の利息が付き1年後には50万円になるという仕組みだ。1年後に50万円の予算で旅行を計画する場合、預金をおろして払えば、3%の金利がつく計算だ。旅行会社でもこうした積立プランを実施しているので今後人気商品になるだろう。
 
私は①も②も知らなかったので、庶民の知恵もたいしたものだと感じ入った。
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現代の赤髭医療団Japan Heart

2016-02-25 17:15:20 | Weblog
昨日、NPOJapan Heartの創設者であり、理事長の吉岡英人医師のお話を聞いた。国境なき医師団の活躍はかねてより知っていたが、日本の若い医師による途上国で医療を受けられない人を対象とした医療活動「現代の赤髭医療団」(私が勝手につけた名前です)の実態を聞き感銘を受けた。始まりは1995年同氏30歳の時、ミャンマーで貧困から医療を受けられない人を対象に、単身で活動を開始した。軍事政権下でローカルの医療施設の協力は得られず困難を極めたが、毎日多くの住民が無料の診察を求め遠方からバスを乗り継いできた。
 
2008年には、カンボジャでも活動を開始、同国ではかつてポルポト政権により医師は9割が処刑され、貧者は全く医療とは無縁の存在であった。頭部に穴が空き顔が変形するほどのこぶができる子供が東南アジアでは多く、現地では手術ができないので、子供は一生表に出られないか死に至る。子供に普通の生活をさせたいという同氏の熱意から、日本の大学病院で手術し、元気になった子供が映像で紹介された。カンボジャでは診察施薬だけでなく、絶対的に足りない医師の不足を補うという事業が必要と考えた。同氏は日本の若手医師にボランティアを募り、今では600人を超える日本人医師や看護士が現地で無料の治療に無給で働いている。彼らは治療に当たるだけでなく現地の医師を指導し医師養成にも従事している。まさにJapan Heartは現代の赤髭医療団だ。
 
派遣された若手医師は医療環境の悪い中でも、生き生きと活動し、日本にいる時と目の光り方が違うと吉岡氏は言っている。これはかつて私が海外青年協力隊員を訪れた時と同じで、ボランティアというのは普通の労働とは違う何かがある。いまや年間17000件の診察、2500件の手術が可能となった。同氏はテレビ東京番組「世界を変える100人の日本人」として紹介されたのは当然だろう。
今、Japan Heartはカンボジャで小さいながらも病院を建設しようと同氏を先頭に奮闘している。カンボジャだけでなく周辺国の貧しい家庭の子供を守る病院ということで、日本の医師も学び、現地の医師も育てる拠点となる。年間予算の64%は会費と寄付によって賄っている。
 
同NPOの詳しくはジャパンハートで検索して下さい。
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「同一労働同一賃金」は一筋縄では行かない

2016-02-22 21:55:30 | Weblog
大辞林 によれば、「同一労働同一賃金」とは量と質において同じ価値をもつ労働に対しては,性別・年齢・人種などにかかわりなく同額の賃金を支払うという原則。なるほどA君と自分は同じ仕事をしているから賃金は同じだと簡単に思うほど簡単ではない。先ず、仕事の中身がほんとに同じかと言うことだ。家電組み立て工場を例にとると、同じ洗濯機を組み立てているだけなら仕事(職務)は同じだが、となりの冷蔵庫工場で急に休む人が出て応援に行くことがあるがA君なら経験豊富ですぐこなせるが、B君は冷蔵庫の組み立ては未経験でできない。この場合、A君の方が賃金は高くても文句は言えない。また、洗濯機の組み立てと冷蔵庫の組み立てと同じ価値があるかということになるとその組み立て過程を良く分析してみないと判らない。同じ価値があるとなれば、洗濯機組立工と冷蔵庫組立工の賃金は同じということになる。
 
仕事(職務)を分析して、それを完全にこなせる人か、誰かの指導がなければできない人かによって同じ仕事をしていても賃金に差があっても合理性がある。日本の賃金体系は戦後長らく生活が出来る賃金を基本に、年齢(勤続)が進に連れ結婚、出産、子育てなどの生活費要素を補償する定期昇給のある基本給と職務あるいは職能に関わる部分とで構成されてきた。同一価値労働同一賃金は何となく後半の職務給もしくは職能給で行われてきた。
 
ところが、正社員の賃金体系とは全く異なる非正規社員が4割も占める時代となると、経験豊富なパートの賃金は基本給部分がないため、同じ仕事(価値労働)をしていても賃金格差が歴然としてしてきた。特にパートが過半数以上を占める小売業界では大きな問題となってきた。同一価値労働同一賃金を実現するためには正社員を含めた賃金体系の大きな変更が必要となる。
 
更に、ことは賃金だけでなく均等待遇という幅広い分野で改革を進めなくてはならない。日本では賞与という制度があり、非正規社員はそこでの差が激しい。また、有給休暇の消化、育児休暇などの福利厚生面でも同じ待遇を受けることから始めることだ。
 
JIPT(労働政策機構)の調査によると、先進欧州では「同一(価値)労働同一賃金原則」は人権保障の観点から施行され、「均等待遇原則(差別的取扱い禁止原則)」の賃金に関する一原則と位置付けられてる。EU法における男女「同一(価値)労働同一賃金原則」の間接差別に関する判例をみると、勤続年数、学歴、資格、勤務成績、技能、生産性、移動可能性(勤務時間や勤務場所の変更にどの程度対応 できるかという柔軟性)、労働市場の状況等が、広く賃金に関する異別取扱いを 許容する客観的(合理的)理由として考慮されている。

今後、賃金体系を考えるにあたってEUの判例が参考になろう。正社員と非正社員との賃金格差は上記下線の合理的な部分を含めた均等待遇の一環として考えるべきものだ。製造業や小売りなどサービス業とでは合理的な賃金格差は異なるが、きめ細かい職務分析と職務遂行能力の研究が基礎になることは間違いない。
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再論 消費税は日本人に合わない

2016-02-20 17:40:00 | Weblog
 
消費税は日本人に合わない(昨年のブログ)

先日発表された10~12月期のGDP速報値、専門家の予想(3.5%)を下回る年率2.2%の結果だった。前回のマイナスサプライズに続く経済専門家の敗北であった。大きな原因は個人消費が...
 

内閣府が発表した2015年10〜12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.4%減、年率換算は1.4%減で2四半期ぶりのマイナス成長となった。今回のGDP成長率がマイナスに転じたのは、日本のGDPの約6割を占める個人消費が低迷していることが大きな要因としてあげられる。個人消費は0.8%減と、2四半期ぶりのマイナスであり、前期の0.4%増から大幅に減少に転じている。
暖冬という特殊要因も個人消費の押し下げ要因としてあげられるが、物価上昇分を差し引いた昨年の実質賃金は4年連続のマイナスというのも大きな要因だ。ガソリン価格が劇的に下がった時期だが、消費税増税後の円安物価高などで、消費者の節約志向がここへ来て鮮明になっている。価格上昇を背景に住宅投資も1.2%減で4四半期ぶりにマイナスとなった。良かったのは増益基調の企業設備投資で1.4%増と2期連続のプラスとなった。

ここへ来て、消費税10%への反対論が再燃してきた。この1年、軽減税率導入で何としても10%を実現しようとする政府の努力は判るが、学者や専門家の軽減税率導入反対論も強い。反対論の議論を見ていると、富裕層は食料品でも高いものを買うから、軽減税率で得するとか、中小企業の手間がかかるとか、益税が発生するといったことのようだ。欧州各国がきちんと軽減税率付き付加価値税を導入し、社会保障の財源としていることを考えると、この税制そのものが日本人にあってないのではと思わざるを得ない。今の富裕層以外の節約志向の強い消費者にとって、毎日の買い物で消費税が更に上がれば、ダメージは大きく個人消費は失速し、新3本の矢など吹っ飛んでしまうだろう。

アベノミクスが株安、円高で危うくなっている中、参議院選挙もあり来年消費税10%はかなり難しくなってきた。消費税に頼ることを断念し、本来の所得税に議論を戻すことだ。従来「クロヨン九六四」(注)と所得の捕捉に不公平があるとされ、給与所得者が不利とされて、消費税を導入を進めてきたわけだが、マイナンバーの導入で所得捕捉が正確にできるならば、累進課税が強かった元の所得税制に戻すべきだろう。
注、所得捕捉率、給与所得者は約9割、自営業者は約6割、農業、林業、水産業従事者は約4割であると言われる。このことを指して「クロヨン」と称する。

 

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元気印の新幹線は我田引鉄の素

2016-02-18 18:56:01 | Weblog
北陸へ、北海道へと新幹線網が伸び、既存の東北、上越新幹線も1兆円掛けて大規模改修を行い安全性を向上させるとJR東が発表した。人口減、低成長の日本経済下で新幹線を地方に延長すれば赤字路線になると予想していたが、インバウンドで外国人観光客が2000万人になるという幸運に恵まれ、新幹線を保有するJR各社の決算は好調だ。
 
しかし、北陸新幹線の関西への延長では米原で東海道新幹線に接続する案とか琵琶湖の湖西を通し、京都で接続する案とか地元出身の政治家が我田引鉄でうごめきだした。東海道新幹線では当初の名古屋から大阪へのルートは雪の多い関ヶ原を避け、鈴鹿トンネルでショートカットすることであったが、大野伴睦という当時の自民党副総裁が動き、選挙区の岐阜を通るルートに変更させた。岐阜の新駅は田んぼの中にでき、駅前には大野伴睦夫妻の銅像が建っている。冬になると関ヶ原の雪のために20分から30分ぐらい東海道新幹線がおくれ、1940年代よく利用した私は大野伴睦氏を恨めしく思った。スピードが身上の新幹線では10分でも遅れることは許されないことから、車体の雪を落とすスプリンクラーを関ヶ原沿線に設置したりして今では遅れることはなくなったが、政治で線路を曲げることは2度とやってはならない。
 
ところが、北陸新幹線の関西延長で、舞鶴経由で京都へという案が出てきたのには驚きを超えて笑ってしまった。自民党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム検討委員会の西田昌司委員長の案だという。彼は京都府出身議員でこれこそまさに我田引鉄で、舞鶴経由にすると10分から20分余分にかかるだろう。
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米国の問題、所得格差から寿命格差へ

2016-02-16 23:22:35 | Weblog
大統領選挙予備選ではサンダース民主党候補が格差社会の米国を糺すためには他の先進国なみに国民皆保険、有給休暇、有休介護休暇、公立校無料化、雇用創出、インフラ再建をすべきと主張し、ヒラリークリントン候補を追い上げている。サンダースがこの2か月に集めた1700億円もの寄付のうち87%が250ドル以下の寄付だったことを考えると、格差問題はこれからの大統領選の焦点となる。
 
ここへ来て、ニューヨークタイムズは富裕層と低所得層の富の格差だけでなく、寿命の格差拡大を取り上げている。社会保障庁によると1970年代、富裕層の60歳と低所得層の60歳では平均余命で1.2歳の差があったが、その後、2001年では5.8歳に差が拡大した。最近のブルッキング研究所の調査では上位10%と下位10%の所得層の男性平均余命を比較すると、1920年生まれでは6歳の差であったが1950年生まれでは14歳と倍以上の差に拡大している。女性の場合は4.7歳から13歳に格差は拡大している。下位10%の男性賃金労働者平均寿命は1920年生まれが72.9歳、1950年生まれが73.6歳に対し、上位10%の男性賃金労働者平均寿命は79.1歳から87.2歳に大きく伸びている。この命の格差は今後大統領選で取り上げられよう。
 
この寿命の差の原因は、医療環境と教育環境にあると専門家は指摘している。例えば、喫煙は死因の大きな要素だが、富裕層で教育を受けた層は喫煙習慣を止めている。麻薬にしても貧困白人層に蔓延している。普通の先進国では当たり前の国民健康保険が米国にはないことが影響している。都市間で癌の生存率比較してもトロントの低所得者層はデトロイトより生存率が高い。
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鳥よせ

2016-02-14 16:21:36 | Weblog

春一番で我が家の梅も開花し、小鳥達も嬉しそうだ。2011年6月末に我が家のベランダの木にヒヨが巣を作り5羽のヒナが巣立った。それ以来、食べ残しのご飯を庭にまいて小鳥達を呼んでいる。ご飯はスズメに与え、ミカンはメジロに与えているのであるが、我が家から巣立ったヒヨかどうか判らないが、ヒヨが頂点に立ち、ご飯やミカンを横取りする。ヒヨによって性格が違い、スズメと一緒にご飯をつつくやさしいヒヨもいれば、スズメを追い立てるヒヨもいる。

たまにはリンゴもと、テーブルにおいたらメジロがめざとく見つけ、つつきだした。ところがヒヨにみつかると、リンゴはテーブルの下に落とされてしまった。

シジュウカラやジョウビタキはこちらから与えたご馳走には見向きもしない。

ヒヨがベランダの鉢植えに巣を作り巣立ちまでは2011年6月22日から7月1日までブログで記録してあるので、興味のある方は参照して下さい。

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リーマンショックを超える株の暴落

2016-02-12 23:11:38 | Weblog
今日の東証日経ダウ平均は14952円で年初来2割も下落し、リーマンショック時の18%を超える下げとなった。学者も証券会社専門家も含め誰も予想もしなかった水準で、政府(安倍)日銀(黒田)が緊急に協議するといった事態になった。マイナス金利を導入した日銀の誤算ではあるが、昨日のイエレンFRB議長の米国利上げ延期発言も通常なら株価がプラスに働くのであるが、米国ダウ株価も2年前の水準に下落している。株価によかれとした政策が逆にそれほど経済実態が良くないのかと投資家にとられたのだろう。世界中、得体の知れない不安が今月に入って漂っている。
 
リーマンショックの時と違うのは、実体経済はそれほど悪い状態ではないと専門家は述べ、我慢してれば回復するという楽観論者もいる。私には、マイナス金利導入がパンドラの箱を空けてしまったような不気味な気がしてならない。マイナス金利はインフレ期待よりデフレに感じると庶民感覚を3日のブログで書いたが、その後9日の日経経済教室で櫻川慶応大学教授が「デフレ回帰の恐れ」と理論的に解明してくれた。円相場が1ドル112円になると供に東証では海外投資家はそのにおいを感じているのか売り越しに転じ、暴落につながった。
 
リーマンショックの時、日本経済はハチに刺されたぐらいと政府は答弁していたが、その後大変な事態となった。私が恐れるのはマイナス金利導入で銀行の経営に大きな負担がかかり、地方銀行など経営基盤の弱い銀行などで信用不安が生じないかということだ。そうなると金融不安となり、実体経済に大きな影響が出て来る。上海で今月26.27日、G20財務相会議が開催されるので、世界不安の元凶中国を含めしっかりとした対策を打ち出して貰いたい。
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円高時代へ逆戻り,日銀の努力も水泡に

2016-02-11 23:09:30 | Weblog

昨年のブログの予想が当たって円高に振れたが、本日現在1ドル112円、これほど高くなるとは!!確かに石油価格が30ドル前後に下落し、経常黒字は2015年前年の6.3倍16兆円に急増し、かつ観光客増で旅行収支まで黒字になったので円高には振れるけど、それだけでこの10日間で120円から112円になるというのは異常だ。日銀黒田さんのマイナス金利導入でせっかく115円から120円にもどしても、努力は水泡に帰した。

大きな背景は、欧州銀行の経営不安、大手石油生産企業の信用不安、中国経済等世界経済の不安感が安全資産とされてる円買い(日本国債を買うなど)の動きが今週激しいことによるものだ。日本国政府の借金は1000億円もあるが、国民の資産、対外債権などはそれをはるかに上回り、円は今のところ最も安全な資産なのだ。

日本経済にとって、春闘による賃上げはアベノミクスの成否を握っているが、1990年代の春闘時期もそうだったが新年になると円高になるアノマリーがあり、今年も同じ現象が起きている。春闘の交渉の最中に110円ぐらいになる可能性も出てきた。輸出産業である自動車や電機の企業での交渉は極めて難しい事態だ。しかし、世界中の上場企業業績平均で見ると予想を下回るけど東証上場企業平均だけが増収増益であり、日本経済が転ばぬようにマクロの視点で賃金引き上げをはかって貰いたい。

 
インバウンドの力

昨年来、インバウンドという耳慣れない言葉がこの国で流行っている。文字通りの意味は入ってくると言う意味だが、誰が言い出したのか判らないが、来日訪問外国人客を指し、主に彼らが日本で消費...
 

 

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