行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

福島原発事故は未知の領域に

2011-03-30 18:26:14 | Weblog

福島原発事故はここへ来て、大量の被曝汚染水、プルトニウム汚染、と目まぐるしい展開を見せている。まるでSF映画を見ているようで、これが現実の事故とは息の詰まる毎日だ。
このブログで世界の英知を集めて解決をと書いたが、フランスのアルバや米国の専門家が加わり、これ以上事故が拡大しチェルノブイリのごとくレベル7にならないようにあらゆる対策が検討されている。

欧州では日本全体が放射性物質で汚染されているような報道がなされ、日本製車まで輸入禁止を求める動きもあり、チェルノブイリの恐怖を思い起こさせているようだ。そうした動きに歯止めをかけるためにもフランスやドイツの原子力専門家を対策チームに加えると伴に情報の透明性が要求される。

特にフランスは日本では不可能だった原発の使用済み燃料を再加工してプルトニウムと高レベル廃棄物に分けるいわゆる核燃料サイクルの一翼を長い間担ってくれていた国だ。また、夢の原子炉と喧伝された高速増殖炉スーパーフェニックスを開発したが、事故で頓挫した経験も持っている。何か日本にはない技術を有しているのではないかと期待している。また米国は最新の核兵器保有国で、核戦争への備えも秘密のベールに隠れているが持っているのではないか。

福島原発の現場は放射線レベルの高い、日本では想像もしなかった事態となっている。従業員の被曝を最低限に抑えつつ、汚染された水を抜き、そこから汚染を取り除き、外部電源を確立し、原子炉を安定させるため、世界の英知を再度求めたい。

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原発と水の複雑な関係

2011-03-28 22:39:40 | Weblog

1980年代後半、私は原発から出る使用済み燃料など高レベル放射性廃棄物の処理に関する研究会の一員として、米国ネバタ砂漠のユッカマウンテンやスイスアルプスのグリムセルなどの実験施設を訪ねた。環境に如何に影響を与えないで放射性廃棄物を保管するかが大きなテーマだった。放射性物質が保管場所から万が一でも漏れることがあるとすれば、水によって外部に運ばれると考えられた。従って砂漠のように水のないところか、岩石や粘土で水を閉じ込められるところが保管場所の適地とされた。

一方、原発では水は原子炉の中で蒸気となりタービンを回す主役であり、緊急時には緊急冷却システムで原子炉を冷やす(今回これが働かなかった)。また水は放射線を遮るので使用済み燃料プールはホウ酸水で満たされ、かつ高温の使用済み燃料を一定期間冷却する。(今回これも作動しなかった)

ところが今回のように、燃料が溶解し、かつ高レベルの放射性物質が冷却水に混ざり、外部へ流れ出したとたんに水は悪役になる。こうなると原発内での水溜まりには放射性物質が混じっていると考えるのが普通で、先ずこうした水を漏れないタンクとかに隔離する作業が必要だ。タービン建屋での3人の作業員が被曝したが、水の中での作業をやらせた放射線管理者の責任が問われる。この労災は軽傷で済んでほっとしたが、何故起きたのかまだ釈然としない。普段の安全管理を愚直にやってほしい。

東京の水道でもヨウ素が検出されたが、これは原発では何回か水素爆発があり放射性微粒子が風に流され、雨水によって地上にもたらされたと推測できる。40歳以上なら、ヨウ素は飲んでも大丈夫と専門家が言っているので何もペットボトルの水を買う必要はないし、幼児用に給すべきだ。

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3.11帰宅難民、悲喜こもごも

2011-03-26 17:58:34 | Weblog

大震災から2週間経つ、知人、友人と会うとあの日の話に自然となる。東京の鉄道が全てストップし、帰宅難民があちこちで発生し、勤め人はもちろん年寄りで出かけて災難に遭った話が出て来る。6時間も歩いて帰宅した剛の者もいるが年寄りの中には新宿で段ボールを支給され野宿をしたり、駅で寒さに震えて一夜明かした人もいる。機転を利かして自転車を求め帰宅しようとしたが道路は車と歩く人で満足に走れなかったという人もいる。

被災地でまだ寒さに震えている人に比べれば、苦労話程度だが、今日会ったAご老体からはちょっと嬉しい話を聞いた。彼は昭島で帰宅難民になって、JRが開通するまで一杯飲み屋で待っていたが、完全に動かないと駅で聞かされ、酔いが覚めただけでなく夜が更けるにつけ寒さが応えてきた。周りには同じ境遇の人が集まりだし、隣にいた見知らぬご婦人がA氏に昭島市で避難所を開設したと携帯メールで見たのでご一緒しましょうと市民会館に連れて行ってくれたという。

市民会館では昭島市役所の人が毛布、水、スナックを配布した上、暖房の効いたホールが待っていた。すでにホールには500人以上も入っていて、椅子に座って仮眠しようとしたが、足の不自由なA氏を見て横になれる2階のソファに案内してくれたのでゆっくりと眠れた。一晩中、昭島市民でない帰宅難民の世話を見てくれ、感謝しても仕切れないと言っていた。

当日がんばった昭島市役所の職員の皆様感謝されてますよ!

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節電に知恵絞ろう

2011-03-24 18:52:19 | Weblog

3.11大震災の後、初めて都内の事務所に出た。朝の電車のダイヤは九段下まで通常であったが、駅の構内の照明がいつもの半分程度、エレベーターは止まっていた。計画停電の実施以来節電が徹底してきた。帰路はダイヤがかなり減っていたが昭島までは帰ることが出来た。次の駅の拝島から青梅までは夕方ラッシュまでは休止しており、バスもないし困る人も多い。

節電のおかげで今週は計画停電が実施されないことが多くなってきた。これからの電力不足を補うのはもう一つの代替エネルギーと前からいわれていた節電に如何に知恵を絞るかだろう。欧米に行って良く感じるのは照明方法も色もかなり日本と違うことだ。住居で最も違いを感じるのは日本では天井にサークルライトを付けて部屋全体を明るくする。欧米ではそのサークルライトそのものがないことが多い。

ホテルの部屋だと、卓上ライトとベッドライト、椅子の側の読書灯でその都度点けて使うので日本と比べ部屋全体はかなり暗いが、1週間もすれば慣れてくる。これからは必要に応じて部分照明にすればかなりの節電が期待できる。駅の構内も確かに暗く感じたが不便ということはなかった。欧米とのもう一つの違いは自動販売機で、日本は桁違いに多く434万台設置しており、1台が1kwとすると福島第一原発全体の電力出力469万kwに匹敵する電気食いだ。さらにコンビニはじめ商店の照明や、夜のネオン照明などはかなりおとせるのではないだろうか。

 

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被災地ボランティアもう一つの提案

2011-03-22 21:37:52 | Weblog

被災してから、10日経っても行方不明者が2万人をこえる膨大な数だ。ひとえに津波のせいで発見が困難を極めている。阪神淡路や新潟の時と違い被害があまりにも大きく市町村がキーとなって復興する体制がなかなか出来ないのでボランティアも入れない。

阪神淡路の時は、ボランティアが市町村の窓口に行けばやることを支持され、大阪を拠点にして通うことも出来た。今回の場合、ボランティアNPOも先ず、各被災地の拠点作りから始め、各ボランティアの活動も一ヶ月ぐらいの滞在が必要になる。ボランティア希望者は先ずこうしたNPOを通じて支持を受けてほしい。労働組合員の場合は今連合が東北の地方組織を動員して組織作りをしているので、まもなく全国でボランティアを募集する。

私のような60歳台後半の場合、奥尻、阪神淡路等で経験を積んでいるため被災地の様子を毎日テレビで見ていると被災地で何とか手伝いたいと思わざるをえない。しかし、現地の仕事は当面はがれきの片付け、介護ヘルパーなどで医者とか看護師のような専門職ならともかく、腰痛持ちの私のようなものが現地に行っても迷惑をかけるばかりだ。また60歳台は我が家と同じく、90歳代の親が居て、家を離れることが出来ない年齢層でもある。

現地からの要望も、被害が10兆円をこえ、何よりも義援金をという声が強い。これまでの義援金を見てみると奥尻の時は被災地が狭い範囲であったので各戸配布の上、両親を亡くした子供の育英資金まで用意できたと記憶している。今回は被災者があまりにも多く、これまで以上の膨大な義援金が必要だ。

そこで、シルバーボランティアの代わりに自分が現地で活動したと仮定してその旅費を寄付したらどうだろうか、例えば今月は宮古に行ったと仮定すれば東京-宮古の往復旅費は約3万円だ。来月は陸前高田2.8万円、その次は石巻約2.3万円という具合だ。このぐらいなら何とか年金からひねり出せる。

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福島第一原発、避難区域の日米の差、謎は深まる

2011-03-20 17:23:54 | Weblog

日本は20km退去20~30km屋内待避、米国は80km以内圏外退去と差が出た。今もって謎だが、原因は現状のリスク評価の差としか言えないがその寄って立つ判断が米国議会の調査委員会イェズコウ委員長の委員会での発言からどうも4号機をどう見るかにその原因があると思える。

イェズコウ委員長は15日水曜日の委員会の冒頭、4号機の使用済み燃料プールは空で、燃料が露出しており、再臨界になる恐れがあり、重大な高レベルの放射性物質が放出される可能性があると言明した。日本の東電と原子力保安院はプールには水があると反論し、16日には使用済み燃料は隠れる程度の水を確認と公表した。この差はどこから出てきたのか、米国は日本の政府(保安院)を信用してないことになる。

18日、東京電力は4号機の使用済み燃料プールの温度が200万キロカロリー/時間(10日で水は蒸発しプールは空になる)と極端に高いと発表した。米国は何らかの手段でこうした状態を把握していたのではないだろうか、益々謎は深まる。

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物流の重要さを認識

2011-03-18 17:16:38 | Weblog

コンビニもスーパーも買いだめの攻撃ですぐ棚が空になる。マスコミを通じて政府が買いだめをしないでくれと言っているのに、情けない。トイレットペイパーとテッシュを持って歩くのが流行みたいだ。店の張り紙は震災のため交通事情で入荷が遅れているという趣旨が多い。道路がガソリンを求める車列で占領され、益々交通事情が悪くなる。

朝、お握りをコンビニへ買いに行ったがくだんの張り紙、昼前に行ったら入荷していた。生乳はすぐなくなるのでスーパーでも一人1本に制限、年寄りの買い物代行していても1回1本だ。精算が終わってもう1本買おうとしたがすでにものは無し。生乳の生産地では運送手段がガソリン不足か交通事情か判らないが不足し、泣く泣く生乳を捨てているという。


被災地では、1週間たっても食糧、水、灯油、毛布をと叫んでいる。ようやく道路が幹線高速道路から被災海岸地帯へと繋がったなかなか届かない。集荷場には全国から支援物資が続々と届いているのに、県ではどこに届けるかデータがそろわずトラックが待機している。避難所からの情報が上がってこないのか情報処理が上手くいっていないのかこれも物流の基本だ。
物流の重要さを認識させられた。

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福島第一原発50名の救国隊がんばれ

2011-03-16 23:41:33 | Weblog

大変な事態になった福島第一原発、使用済み核燃料プールの水がなくなり燃料を覆うジルコニウムが融け出す事態が加わった。海水の注入はプールの周囲が高レベルの放射能で近づけない。4号炉のように水素爆発で火事になっても消火不能だ。一号から3号炉にも海水を入れないと炉心溶融が進む。

750名の作業員は2号炉の格納容器内の爆発で放射線レベルが危険となり待避し、残った50名で必死の作業をやっている。東電からの発表がないので詳しいことは判らないが、コントロール室は厳重に防護されているが、高レベル放射線の中の作業だから社命と言うより志願を募り、未経験で困難な作業を短時間で交替しながら昼夜懸命の努力がなされている。

使用済み核燃料は高温で3年間ぐらいはプールに入れておく必要があるが高レベルの放射能を有するのできわめて危険だ。自衛隊のヘリコプターが海水を空中から入れる試みもヘリコプターが汚染されるとのことで中止になったようだ。デモの時に放水する技術を生かし、機動隊が放水車を持ち込むとの報道、これも近くには行けないのでかなり難しいが50名の決死隊にはありがたい助っ人だ。

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福島原発対策には世界の英知を

2011-03-15 22:15:13 | Weblog

海水注入が成功して落ち着くことを祈るが、福島第一原発はついに複数の事故で1号機から4号機まで緊急事態を迎えた。高レベルの放射性微粒子が拡散する可能性が出てきた。スリーマイルは一つ、今回は4つの原子炉の事故で地球レベルの汚染になる可能性が出てきた。東京電力の不手際を責める時ではない。一電力会社の能力を超えた事態だ。

日本の専門家だけでなく、世界の英知を集めて人類初めての大規模事故をどう治めるか、具体的にはあらゆる手段をつくして放射能をどう閉じ込めるかを考える特別チームの編成がただちに必要だ。

 

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計画発電は混乱の極み

2011-03-14 23:02:54 | Weblog

東海原発がメルトダウンを始めたとの最悪なニュースを聞いて驚いていたが、本日は朝から計画停電という混乱停電で振り回された感じだ。朝起きたら、朝早く出勤するはずの息子がいるではないか、JRが動いてないという。昨夜東電の計画停電の実施が泥縄で決まったが、輪番停電グループの3つに入っている昭島が何時停電になるのか不明のままで、市の広報スピーカーでなんとか12時20分から16時30分ぐらいとたどり着いたのだが、朝一で市の窓口で確認したら、第3と第4のグループの停電時間12時20分から17時30分の間の3時間だとのこと、自分の住所がどちらのグループか判らないままであった。それにしてもJRの青梅線、武蔵野線、中央線の立川~高尾、南武線の全面ストップには驚いた。

こうなるとサラリーマン休むか、マイカー使用かだが、後者の忠実な勤め人でガソリンスタンドは長蛇の列、東西を走る江戸街道は上下とも自動車であふれる事態になった。こんなことをやったら工場団地がある多摩地区の中小企業は長続きしない。東電もJRもそうした配慮をする余裕がないのか?その後、結果的にこの地域の停電はなく、幸いであったが計画停電が混乱を呼んだ。

夕方、近所のガソリンスタンドは2軒とも売り切れで閉店していた。こうしたことは住民に心理的な影響を与えるのか、スーパーでは米や乾電池がなくなり、Kホームセンターではトイレットペーパーやティシューが棚からなくなり、夕方開店予定の大型電器量販店では電池やガスコンロを買うためか長蛇の列だった。

郵便局も休業16時ごろ

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