行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

続マルタの厳しい歴史

2019-02-27 23:05:00 | 海外

マルタの最大の試練は第二次大戦のドイツナチスの空爆だろう。長い歴史の中で、全ての侵略者は海からやって来た。各地に堅固な要塞を築いたが、高射砲2門では、空からの攻撃には無力だった。マルタには責任がなくとも、英国領だった故に、連日の激しい空爆で、全土ガレキとなった。
人々は地下の洞穴やローマ時代のカタコンベにもぐるしかなかった。食糧不足、水不足と、疫病で多くの人が犠牲になった。若いガイドは興奮して語った。

岩をくり抜いた防空濠の入口



人間の営みに関係無く、マルタの海は美しい。

宿舎のホテルの近くのうみ、インデペンデンス公園は野良猫の天国だ。

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マルタの厳しい歴史

2019-02-26 23:41:18 | 海外

地中海のへそと言われるだけに地理的状況は素晴らしいが、そのために多くの支配者が入れ替わり立ち代わり押し寄せてきた。
有史では、フェニキア人が商船の避難所としてマルタの入り江を利用、ローマ帝国支配下では、オリーブの産地として気に入られ、アラブの支配では、多くの手工業技術が導入された。
ローマ時代の水飲み場、枯れることなく、水が流れてる。凄い技術だ。


9世紀、南イタリアと同時にノルマン人支配下で、キリスト教が広まつた。
ただ、海賊の襲撃は常にあり、マルタの住民が逃げ込む堅固な城壁に囲まれた大城塞(チタデル)は必要で、為政者は軍備と同じく備えなくてはならなかつた。
マルタの歴史上、オスマン帝国との確執は難関だったが、これらのチタデルは、防護の第一線だつた。敗れれば、民は奴隷として囚われ、連れ去られる。
要塞都市、イムディーナの街



大包囲網の時に防護した要塞都市、住民をまもった。今はのどかな風景




その後、ヨハネ騎士団はより堅固なヴァレッタを構築した。

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地中海の最古の文明は女神信仰

2019-02-26 02:33:49 | 海外

歴史では世界3大文明とか、習ったかすかな記憶があるが、地中海やエーゲ海にはまだまだそれ以前の文明の痕跡があり、ロマンを、感じさせる。ギリシャ、サントリーニ島のアクロティリ遺跡を訪れ、クレタ島ではミノア文明、クノッソス遺跡をブログでも紹介した。
ここマルタにはさらに遡ること4500年前の巨石文明の遺跡が36箇所発見されている。マルタ島の北、ゴゾ島へフェリーで25分、比較的原型が残っている女神信仰の神殿、ジュガンティーナ神殿を訪れた。


上からの俯瞰はクローバーの形で丸い神殿の各部屋は女性のお尻との説もある。



すぐ北にあるシチリアから来た民族が築いた巨石文明で、英国のストーンサークルより古い。このような巨石を小さい石のコロ(現場に残されている)で運んだと推定される。この民族、疫病か食糧不足で??、消滅し、その後500年間マルタは無人島になった。謎は尽きない。
遺跡の周囲はアーモンドの花や野草の花盛りで、厳しい歴史の中でものどかな春を演出している。近くの海の色は何事も無かったごとく美しい透明なブルーだ。

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地中海の小国、マルタへ🇲🇹

2019-02-23 23:19:13 | 海外
昨年ギリシャで、ヨハネ騎士団の活動に興味を持つたこともあり、彼らが最も活動したマルタを訪れた。21日、ブラッセル経由で深夜マルタについた。
1565年、ヨハネ騎士団はこのマルタでオスマン帝国を破って強固な要塞を築いた。そのため、マルタ騎士団とも呼ばれ、その時の団長ヴァレッタの名が、要塞都市の名となった。今でもマルタの首都となっている。
ヴァレッタ中央どおり


壮大な騎士団長の宮殿は大統領官邸になっている。騎士団は8つの国、地域から構成されて、それぞれ宿舎を持っていた。ポルトガル騎士団の宿舎は現在首相官邸になっている。
騎士団を弔う聖ヨハネ大聖堂は金をふんだんに使用した絢爛豪華なもので、騎士団の勢力と影響力が感じられる。

カラバッジョの傑作、ヨハネの断首


南の海岸は石灰岩のため、青の洞窟、ブルーグレットが観光の目玉になっている。



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原発再稼働へ時代錯誤の発言

2019-02-21 15:30:50 | 災害
中西経団連会長が再稼働反対する人の中に原発と原爆の区別がわからない人がいるとの発言を御前崎市で行い、推進派の市長も困惑しているとの報道、時代錯誤も甚だしい。

横浜地裁の判決が語るように日本の原発は多重防護で守られているからという安全神話から思考停止に陥り、津波の評価を誤ったことが、あってはならない悲惨な事故を招いた。

再稼働には、住民の安全性に対する信頼がなによりも必要で、事故は起きるという前提で避難計画など万全の対策が先ず必要で、福島の教訓を生かさなければならない。

その上で再稼働の判断をし、住民は原爆と混同しているから反対するなどということは今の時世ありえない。

万全の安全対策には、強固な施設、防護壁など巨額な費用がかかり、燃料再処理、廃炉の費用を考えると、再稼働がペイしないことからも、民主主義国家で原発の存在が問われている。

中西会長も英国での挫折でそのことは理解していると思う。電力会社の方針が再稼働ありきなので、経団連はそれをサポートせざるをえない。地震が火山が他の国より多い日本の将来を考えて、小泉元総理の言うようにエネルギー政策の転換を経団連としても真剣に考えるべきで、 財政余力のない今、一刻も早く決断することがリーダーの役割だ。先延ばしすればするほど将来のコストは増えてくる。
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景気、やはり個人消費が鍵を握る

2019-02-19 22:52:13 | 経済
前回のブログで、「最近の各種世論調査では7割近くの人が景気回復の実感がないと言っている。小売りや外食の決算を注視したい。企業の決算動向をむしろ信じたいからだ」と書いた。本日の日経で4-12月決算のまとめとこの3月期の予想が報道された。一面で自動車や電機の輸出不振で、1兆3000億円の下振れで大変だと報じている。
 
しかし、製造業全体では4-12月期2%の減益に留まっており、国内需要中心の非製造業は3%の増益で全体では0.2%となっている。確かに3月期は全体で1.4%の減益と予想されるが、ちょっと騒ぎすぎのような気がする。
 
私はむしろ、個人消費と関係の深い食品が4-12月期9.9%の減益、小売業12.2%の減益に注目する。国民が景気の実感が湧かないという裏が取れたからだ。食品は何とかしようと朝ドラで話題の日清食品は麺類を、カルピスは大型ペットボトルを、マルハニチロも需要の強いサバ缶詰を20円、明治は4月に牛乳パックで10円程度の値上げ、と値上げの春状態だ。売る方の小売りは消費者と直接接するわけで、値上げが通るか頭を抱えている。秋の消費税という後門の狼が控えているだけに国民に値上げが通るか難しいところだ。
ほんとに景気が回復しているのか、1-3月期の正確な消費動向調査が必要だ。
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現実化したマイナス金利の副作用

2019-02-17 18:12:16 | 経済
 
日銀マイナス金利の副作用

日銀の黒田総裁の再任が決まった。異次元と言われた金融緩和政策は2%のインフレターゲットが実現しないので、2年前にマイナス金利政策を史上初導入した。マイナス金利政策についてはこのブロ......
 

昨年の悪い予想が杞憂に終わればと思ったが、1年経って、スルガ銀行はシェアハウス事件(私はこれは事件と思う)で4-12月で961億円の赤字に転落、しかし、シェハウス事件とは関係ない地銀に経営危機が忍び寄っている。15日には栃木銀行、武蔵野銀行、みちのく銀行、島根銀行が4-12月赤字に転落と報じられた。戦後最長の景気回復と政府は云うが銀行の経営がこの状態では、心配だ。大手銀行の株価も冴えない。マイナス金利政策がボディブローとなっていることは否定できない。武蔵野銀行のように曙ブレーキの私的整理がもろに影響したが、中小企業の小型倒産が増えているため引き当てを増やさざるを得ない地銀もあるようだ。(西日本FH)

統計数値がフェイク化してることが国会で問題になっているが、景気がほんとに回復しているのか?先日発表されたGDP速報値前期比0.3%増も吟味する必要がある。個人消費が0.5%のびて寄与したことになっているが、最近の各種世論調査では7割近くの人が景気回復の実感がないと言っている。小売りや外食の決算を注視したい。企業の決算動向をむしろ信じたいからだ。

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8158回の嘘をついてきたトランプ大統領、今度は大嘘

2019-02-15 22:58:24 | 政治
米国大統領が国家非常事態宣言したのは乗っ取り旅客機でマンハッタン高層ビルを襲った悲劇的テロの時が記憶に鮮明だ。また、10年前の2009年に世界的な流行病となった新型インフルエンザ(H1N1型)の感染によって米国内で死者が100人以上も発生したことを受けてオバマ大統領が発動したことがあると聞いた。過去の例では、ハリケーンなど自然災害やテロ、暴動、大規模事故、疫病などを原因として発動されている。
 
ところがトランプ大統領はメキシコとの国境に壁を造るのに国家非常事態宣言をして、予算執行を議会の承認を得ないで行うという。その理由は国境を越えてくる移民による「殺人、レイプ、暴行といった犯罪を防ぐため」という。今メキシコ国境で大規模な犯罪が起きて非常事態だと大嘘をつき、これまでの8158回(米国ワシントンポスト紙ファクトチェックによる)の嘘の記録を更新している。民主党のペロシ下院議長は「国境では非常事態は起きてない。大統領の権力乱用で、憲法違反と提訴」の構えだ。司法の判断が注目されるが米国の歴史に汚点を残すことは間違いない。
 
日本人の私から見れば、トランプ大統領だって海を渡ってきた移民の子孫なのに、移民排斥は自己矛盾と思える。米国先住民の血が流れているウォーレン民主党上院議員(次期大統領候補に名乗りを上げた)の見解を聞きたいものだ。
日本では統計が嘘をついて大問題となってるがこの嘘はすぐ判らないから怖い。
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異常な韓国反日大統領の分析を

2019-02-13 23:24:06 | 政治
この1年、韓国文在寅(ムン・ジェイン)大統領の行動を見てると、まさに異常な反日シフトと見ざるを得ない。私が確信したのは先月、24日未明、朴槿恵(パク・クネ)前政権時代に韓国大法院(最高裁)が上告審で元徴用工訴訟の確定判決を出すのを遅らせるのに関与したとして、梁承泰(ヤン・スンテ)前最高裁長官を逮捕したというニュースだ。ムン・ジェイン大統領は当選するや、ヤン・スンテ最高長官を更迭し、地方判事の無名の現最高裁長官を任命、そして、筋書き通り?の日本企業への元徴用工倍賞判決、日韓間の政府間協約など歯牙にも掛けないで、「日本は謙虚になれ」との発言。
 
そして、同盟国自衛隊哨戒機に対するレーダー照射(これは今月の文春で分析されている)、知日派とされたムン・ヒサン国会議長の天皇陛下に元慰安婦らへの謝罪を求める発言で、日本世論を怒らせている。これら一連の韓国権力の動きはムン・ジェイン大統領の反日姿勢を明らかにしている。日韓関係を悪化させる目的は何か?これまでの韓国政治は国内で支持率が低くなると反日シフトをしいてきたが、今回の韓国の動きはそうしたものでなく、用意周到の上で異常といわざるを得ない。
 
何が狙いなのかしっかりと分析をした上で、対応が必要だ。民間では観光面で拡大し良い関係が出来てきたが、そんなことは無視している韓国政府の意図が気になる。当面政治面では反日大統領がいなくなるまで交流関係を凍結するのが妥当だ。
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高度成長期日本に最も影響力を与えた堺屋太一氏逝く

2019-02-11 22:43:31 | 経済
私がこれまで最も印象を受けた「油断」の作家堺屋太一氏が亡くなった。あまりにも石油ショックが大きかったせいかもしれないが、日本のエネルギー問題に警鐘を鳴らし、その後私自身エネルギー問題に取り組む動機となった。当時の通産官僚の情報力を結集した作品だった。石油に関しては1970年代とあまり変わらず、ホルムズ海峡が今もって日本経済の生命線だ。油城の楼閣と表現された氏の警句は今でも否定できない。
 
堺屋氏はその後、「団塊の世代」を発表、人口ボーナス後の人口問題にも警鐘を鳴らした。政治はそれに答えられず、人口減少社会に直面している。国会では今もって「子供を産まなくなった」などと責任回避をする財務大臣が居直る。その後の「知価革命」ではソフトの重要性を気付かせ、いまや知財が国家経済の要となっている。米中の貿易交渉も知財をめぐってつばぜり合いをしている。残念ながら、日本政府も経営者も氏の提起に答えられなかった。
 
1970年代、大阪で勤務していたとき以来、何回か堺屋氏の講演を聴く機会が有り、その都度感銘を受けた。最後にお会いしたのは氏が経済企画庁長官の時だった。1998年だったか、不況脱出への金属労協政策要請を当時の得本議長と経済企画庁へ行き、堺屋長官と1時間ぐらい懇談した。たまたま、得本議長が行革委員をやっていたので、経済企画庁の重要組織の存続を逆に要請された。その時の感じを今でも覚えているが、堺屋長官は講演を聴いた当時の覇気が無く、疲れていた。この方は政治には向いてないのだとの印象を持った。
やはり、氏は民間にあって、作家活動を通して未来を予見する巨人だと思う。
                                                      合掌
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