行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

不毛の小沢・野田会談とNHKインタビュー

2012-05-31 18:18:55 | Weblog

大騒ぎした党首と党員の会談、何の成果もなかったが、予想どおりというより、最初から結果は判っていたのだから白け鳥が飛んでいる。それなのにマスコミは大騒ぎ、NHKなんぞはどういうわけか9時のニュースで小沢を特別出演させ、延々と繰り返し原則論を述べるだけの内容でまさに不毛の会談の後の不毛の放送だ。

唯一、得られたのは民主党の党内で小沢がだだをこねてるだけだということが判ったことだ。民主党が政権を取って3年、鳩山、菅内閣でマニフェストが完全には実行できないことが判明した。最低でも県外と言っていた沖縄の基地移転や高速道路無料化、等は挫折し、政治と官僚との構造を変えると言うことも仕分けぐらいが出来たぐらいで官僚を敵視すれば物事が進まないことも判り、実質的に軌道修正をしている。

世界的な金融危機で、日本の財政危機を早期に建て直さなければならないことから社会保障改革には税制改革が必要だということも認識し、消費税増税が課題として浮かび上がってきた。

NHKインタビューで小沢の話を聞いていると、こうした時間軸は殆ど無視して「3年前に戻り、国民に約束したマニフェストの実現」と消費税増税には触れなかったので「増税反対」を何回も繰り返すだけだった。誰でも増税はイヤだ。しかし、このまま(1000兆円の借金)では後世に付けを残すことになるそれをどうするかには何も触れていない。日本人には蓄えがあるから増税をしなくても大丈夫で増税はデフレを脱却してからでも遅くないという無責任な話には乗れない。

また党内民主主義を軽視する発言も目立った。小沢は税と社会保障の一体改革は党議で決まったが時間が来て採決したので熟議されてないので従わないと言う。これもおかしな話で、これでは民主党では何も決まらないと言うことになる。党議の中で議事進行に異を唱え、熟議を提案すれば良い話で、それが否決されたら従うのが民主主義だ。

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経営者の失敗が従業員の削減へ

2012-05-29 22:25:32 | Weblog

パナソニックとソニー、シャープの三社で従業員の大幅削減をすると発表した。経営者の判断ミスが招いた経営危機で絵に描いたように従業員、労働者の雇用危機となった。
2011年11月1日のブログでとりあげた投資判断のミスが突然従業員の生活や人生設計を翻弄してしまう。

本日、パナソニックは本社部門の人員7000人の半分を削減するとの報道だ。本社部門の中には研究開発部門2000人、生産技術部門1000人が含まれる。尼崎のプラズマディスプレイへの巨額投資が経営危機を招いた直接原因だが、当時の同社の発表は次のとおりだ。

「松下電器産業株式会社(社長:大坪文雄)と東レ株式会社 (社長:榊原定征)は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDP)の新たな生産拠点として、両社の合弁会社である松下プラズマディスプレイ株式会社(以下、MPDP社)の第5工場を、兵庫県尼崎市(現工場隣接地)に建設し、世界最大の量産体制を更に拡大します。
新工場は、2007年11月に着工し、2009年5月に第一期の稼動を開始する予定です。投資額、約2,800億円で月産100万台(42型換算)を生産する世界最大のPDPの量産工場となり、投資生産性についても第1工場比で5倍以上と世界最高の投資効率となります。圧倒的な生産規模とコスト力で、世界における薄型大画面市場をリードします

稼働して2年も経たずに挫折し、薄型大画面市場をリードするどころか撤退に追い込まれた。本社部門の虎の子とも言える研究開発や生産技術の技術者を半減するのであろうかちょっと信じられない。PDP開発と関係してればともかく、削減される技術者は狐につままれた感じだろう。これでサムソンに追いつけるのだろうか?

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祝、朱鷺の巣立ち、我が家ではスズメの巣立ち

2012-05-27 21:57:44 | Weblog

天敵に襲われず朱鷺は巣立ち、後は無事に育ってほしい!我が家の庭ではスズメの巣立ちが見られた。時々パンくずを蒔いていたので食べていたせいか、巣立ちしたばかりのスズメの親子がやってきて口移しに餌を与えていた。そのうち親スズメはいなくなり子スズメが残されてしまった。首がまだ無く、全体的に丸いボールのような姿をし、くちばしも黄色い。水まきのホースと比べて判るように握りこぶし大の大きさだ。

絶えず子スズメは「チュン」と親を呼ぶがいっこうに帰ってこない。我が家に猫は滅多に来ないので保育園代わりに置いていったのかいささか心配になった。隣家の戸袋に巣を作り餌を運ぶムクドリが庭に下りてくると子スズメは物陰に逃げ込む、本能的に危険を察知したのだろうか。また、ブロック塀の上まで飛べる能力があることが判った。

外出し、夕方戻ってくるとまだ親は戻らず腹を空かしているのかよく鳴く、そのうち草の陰から出て来る虫をつまみ始めた。パンくずを与えたが大きすぎるせいか全く関心を示さず食べようともしなかった。暗くなる頃、親鳥がつがいで探しに来てどこかへ連れて行った。

私の推測だが、スズメが1度にかえすヒナは数羽だろう、巣立ちしても安全上、ばらばらにヒナを育てているのではないだろうか?そのうちの1羽を我が庭で預かったということだろう。
これから、隣のうるさいムクドリの巣立ちが始まり、もしかしたらまた我が家のベランダの木に昨年と同じヒヨが巣を作り始めるかもしれない。

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愚を繰り返すオリンピック招致運動

2012-05-25 17:25:52 | Weblog

前回の愚を顧みずまたまたオリンピック招致で大騒ぎを始めた。大切な税金が浪費されることになる。前回もどう考えてもリオが正解とこのブログでも指摘し、事実そうなった。今回はイスタンブールが有力であることは歴史を見ても、現在の国際情勢を見ても間違いない。

更に前回より東京に不利な条件が大きく立ちふさがる。それは直下型地震、東海沖地震がいつ来てもおかしくないという状況だ。これに対する対策すらままならない日本に世界から長期間トップアスリートを送り出せるか?多くの国が疑問を持つだろう。

都知事が長を務める都防災会議は、東京湾北部を震源とするM7.3の地震が冬の午後6時に発生したケースでは、死者約9600人、負傷者約14万7600人、建物被害30万4300棟、になると推計した。帰宅困難者は、東日本大震災時の約352万人(内閣府推計)を上回る約516万6100人となり、一般の企業が帰宅困難者を受け入れないと収容しきれない事態となる。

この都自体の発表に目をつむって招致運動をやる愚は止めて、召致撤回をすべきだ。都にいくら金があっても、これから防災にどれだけ金がいるのか見当も付かない。
オリンピック招致を考えるのであれば沖縄が最もふさわしい。

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セザンヌ展とエルミタージュ展をはしご

2012-05-23 23:23:03 | Weblog

新国立美術館で2つの絵画展が開催されてる。実はセザンヌ展を見に行ったのだが、見終わったらエルミタージュ展もやっているので珍しい絵画展のはしごとなった。
セザンヌ展は「パリとプロバンス」という副題が付いているように初期から晩年までのセザンヌの絵の進展が見られ、初めて気がついたことも多かった。私のセザンヌ観はもっぱら晩年のエクサンプロバンスにおける風景画とくにセント・ヴィクトワール山の題材からのものと、静物画はリンゴやオレンジのものの印象が強かった。

今回、若い時代の人物画や静物画は画風にはこれといっった特徴は見られず、これは出資者である父親(セザンヌが画家になることに反対した)に理解できる絵を目指したからだろう。確かに、晩年と違って厚塗りの静物画は重厚で迫力があるが、晩年の静物画はまるで昨日描いたような新鮮差が目に飛び込んでくる。これは写真では判らない実物を見ていると不思議な感覚で、エクサンプロバンスのアトリエにいるかのような錯覚に陥る。アトリエの再現模型が設けられているせいかもしれないが

それにしてもよく世界中からセザンヌを集めたものだ。日本国内では鹿児島から山形の美術館、世界からはオルセーなどフランスからが多いがメトロポリタン、ボストン美術館などの作品もあり、多くの大企業スポンサーが付いただけのことはある。昨日、スカイツリーが開業したけどそこはいつかは行ける。しかしこれだけのセザンヌ展はこれっきりで、見逃せない。

エルミタージュ展は古典派のイタリア巨匠ティツィアーノに始まり、ルーベンス、レンブラント、モネ、ルノワール、セザンヌ、マティス、ピカソら83作家の作品、全89点、「まさに400年にわたる西欧絵画の歴史をたどる豪華ラインナップ」と自慢している。この中で売りは、マティスの最高傑作の一つである《赤い部屋(赤のハーモニー)》だ。企画展といえばいえないことは無いが一人一品といったメニューは何となく物足りない。ましてエルミタージュには日本人の好きな印象派の作品が山のようにある。ごっそり持ってくるとエルミタージュを訪れた人ががっかりするからこうした安易な企画になったのだろう。

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ひなげしの丘は7分咲き

2012-05-21 23:11:04 | Weblog

先週、昭和記念公園の花の丘は週末にはひなげしで赤く染まると予想したが、昨日現在、つぼみはまだ堅く、5~7分咲きの状態だった。

我が家の庭に咲いているシランもここでは群生している。

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大相撲も想定外の結果に

2012-05-21 23:04:40 | Weblog

20年切磋琢磨した旭天鵬の優勝にケチをつけるつもりは毛頭無いが、誰も予想できなかった結果だ。原因は先ず横綱の不振、そして期待されていた6大関の不甲斐ない出来だ。救われたのは旭天鵬が最年長優勝記録を出し、12勝3敗というぎりぎりのラインで賜杯を取ったことだ。

優勝が11勝4敗では胸を張れまい。もし旭天鵬が豪栄道に負けて4敗になっていたら、同じ3敗の栃煌山は琴欧洲(休場)に不戦勝しているので、4敗の優勝は消えたが栃煌山が千秋楽相撲取らずに優勝するという珍妙な結果になっていた。更に、優勝決定戦で不戦勝で勝ち残った栃煌山を破った旭天鵬は大相撲を救った殊勲者でもある。

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インフォーマル労働者への支援

2012-05-19 22:00:17 | Weblog

日本ではインフォーマル労働者という言葉は馴染みが薄い。情報関係の労働者?と誤解されるかもしれない。世界の総労働者数の半数以上に上る約18億人が正式な雇用契約も社会保障もない労働に就いていて、そうした労働者をインフォーマル労働者とILOやOECDでは定義している。またそうした労働者が働いているところをインフォーマル・セクター(部門)と漠然と呼んでいる。

具体的なインフォーマル・セクターは発展途上国の諸都市に行くと目に付く屋台や露天商、自転車修理業のような路上の 自営業者であり、縫製やサンダル,ブラシ,手工芸品等をつくるなど「内職」に近い家内工業従事者だ。また家政婦や門番などの家事労働者、人力車夫などの小規模経営交通機関の従事者、廃品回収業者、またゴミ集積所に住み込み、そこから再生資源を探し出して生計をたてている労働者などである。

最近、発展著しいタイを例にとると、バンコックのインフォーマル・セクターが増大し始めたのは、80年代初頭に世界の一次産品価格の暴落により都市・農村間移動が増加し始めた頃からであるが、80年代後半からの高度成長を背景として近年再び増加している。

国家経済社会開発委員会によると、1988年時点の就業者をフォーマル・セクターとインフォーマル・セクターに分けると、85.9%はインフォーマル部門就業者であると報告され、現在でもそれほど変わっていない。信じがたいが製造業では、フォーマル・セクター就業者は全体の3分の1にすぎない。また、主な産業のほとんどがバンコック首都圏とその周辺に集中しているため、インフォーマル・セクター就業者の3分の2はそこに集中している。

インフォーマル労働者の殆どは最低賃金以下の賃金で、環境的にもダーティで、危険な職場が多い。途上国の発展を支えているのはこうした労働者で、より良い賃金と安全が必要とされており、日本のODAや民間の支援もそこに今注目をしている。

私が相談役をしている国際労働財団(JILAF)はインフォーマル労働者の生活向上に向けて活動を強化し、この度、下記のようにフォーラムを開催する。自由参加で無料なので興味のある方はおいで下さい。

テーマ:「タイ経済を支えるインフォーマル労働-ディーセントワークに向けての課題-」

日時:6月1日(金) 10:00~12:30  
場所:連合 3F A会議室  千代田区神田駿河台3-2-11 総評会館内3階
報告者 タイ国、マヒドン大学公衆衛生学部 サラ・アーポン教授

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長谷川等伯を見る

2012-05-17 23:21:21 | Weblog

日経の連載小説「等伯」は小説の力を感じた。新聞が来ると先ず裏面から読んだものだ。何人かの友人と話しても皆同じように小説から等伯の凄まじい生き様を読み取り、作者の安部龍太郎の筆力に感心した。

と同時に、長谷川等伯の絵をこの目で見たくなった。京都の智積院は以前庭園が良かった記憶があるが、等伯の絵があることは当時気にも止めなかった。等伯の絵が智積院にあると聞いて、今日やや興奮しながら訪れた。小説のなかでも登場した秀吉の愛児鶴松の菩提を弔う松と葵のふすま絵、息子の久蔵の桜図、非業の死を遂げた息子に捧げた等伯の楓図など国宝館の中でぐるりとふすま絵が見られるように工夫されていた。

おまけに、庭園を望む大広間のふすまにはレプリカがはめ込んであるという趣向、これらの絵は秀吉が鶴松の菩提を弔うために建立した祥雲禅寺にあったが、その祥雲禅寺自体がそっくり家康により智積院に寄付されたために、ここにあるということが判った。

小説を読んだからこれらのふすま絵のすごさが判った。例えば久蔵の桜図は八重桜であるが何故八重桜なのか小説を読まないと判らない。故郷七尾の家に京都の御所から分けてもらった八重桜が毎年花を咲かせていたが、七尾を追われて京都に移っても故郷の八重桜は久蔵の記憶から離れない。等伯もこの故郷の八重桜には拘っていた。

小説では家康に召されて等伯が江戸に移るところで終わっているが、江戸にたどり着いて2日後亡くなっている。やはり、等伯は京都にあってこそなのだろう。

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新緑のまぶしい昭和記念公園

2012-05-14 14:05:13 | Weblog

立川口の角刈り銀杏並木

花の木園のボタンは最期の一花

 

東花畑では遅咲き菜の花が見頃、寒菜の花を見たのが今年の1月9日、このブログでも掲載した。半年近く品を変えながら菜の花が見られたのは驚異だ。

花の丘のシャレーポピー、またの名をひなげし、アマポーラ、虞美人草は一分咲きと言ったところで、今週末には丘を真っ赤に染めることだろう。

栃の木の花、ハーブ園には赤い花をつけている栃の木もある。パリのマロニエを思い出す。

 

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