総務省が31日公表した労働力調査によると、2013年12月の完全失業率は3.7%となり、前月に比べ0.3ポイント改善し、6年ぶりの低水準となった。男性は3.8%で0.3ポイント改善、女性は3.5%で0.2ポイント改善した。同時に公表した13年平均の完全失業率は4.0%と前年に比べ0.3ポイント改善した。
景気動向指数の遅行指数である失業率の改善は景気回復のあかしと報道されているが、中身を吟味すると手放しでは喜べない。それは、不安定な状態の非正規労働者が増えているからだ。今回の調査では非正規労働者の占める比率が37.5%に達し、4割に近づいている。その内訳はパートは948万人、アルバイトは423万人、労働者派遣事業所の派遣社員は114万人、契約社員は282万人、嘱託は114万人となっている。
厚生労働省が31日公表した2013年12月の有効求人倍率(季節調整値)は1.03倍で、前月に比べて0.03ポイント上昇し、数字の上では求職者100人に対し求人は103人と求職者を上回る。しかし正社員有効求人倍率は0.66倍で、求人といっても非正規社員が多くを占める。
現在法案が検討されてる派遣労働の改定答申をみても、企業が使いやすいように改定されるようで、派遣労働が増加すると予想される。最も重要な均等待遇については意見がある程度でお茶を濁し、法で決めようとはしてない。
派遣社員だけでなく、非正規社員の均等待遇は世界の流れで、4割近く占める労働者が意欲を持つように改善しないとこの社会は成り立たないことを肝に銘ずるべし。群馬の食品工場での事件があったが、非正規社員への労務管理が会社経営へのダメージとなった例で、どこの職場でも起きうる可能性がある。