行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

生産性追求の課題

2017-11-29 22:07:03 | 経済
政府も働き方改革と生産性向上を政策の重点に置いている。人口減少社会では生産性の向上無しにはGDP潜在成長率は0.5から1%に留まるだろうから政策自体は間違っていない。日本では製造業に比べ非製造業の生産性は近年低下してる。日本生産性本部によると1995~2015年の実質労働生産性(就業者1時間当たり)は製造業で74%増えた一方、非製造業では運輸・郵便業が9%減、宿泊・飲食サービス業が5%減、建設業が2%減とそれぞれ落ち込んでいる。非製造業は国内総生産(GDP)の約8割を占めることを考えると、焦点は非製造業ということになる。
 
平均賃金が40万円と高いスイスでの経験を紹介すると、スイスでは郵便配達に黄色の車体にホルンのマークを付けたバスを使っていて、どんな山奥でも1日1便はバスが有るわけで、ついでに人間も乗せてきた歴史がある。現在では郵便とは関係ない観光バスまで運行している。その観光バスで氷河巡りをした。ドライバーは運転をやりながら、英語でガイドをし、かつ参加者から料金(44フラン)を集金、さらに乗車記念グッズまで配るマルチワークには感心した。日本では長時間運転が問題になっているが、高生産性のドライバーの勤務形態はかなり余裕のあるものなのだろう。
 
欧州最大の滝と言われるラインの滝でも、遊覧船の船長は1人で、切符の販売から、ガイドまでしていた。つまり、生産性を上げるということは1人1人の労働者がマルチワークをこなせる教育を受け、意識付けが必要だ。
 
宿泊・飲食サービスでは日本のお持てなしを強調しているだけに、ITを駆使して目に見えないところで生産性を上げることが必要だ。間違えるとサービス低下に繋がる。ロボットを利用したホテルが登場しているが注目すべきトライだ。
 
マルチワークは日本の製造業が実施してきた生産性向上の主因だ。反対に欧米の工場ではマルチワークは伝統的に否定されてきたが、今では単純労働を克服する手段としてマルチワークが導入されている。日本ではこのところ日産、スバル、神鋼、東レと製造現場で品質管理面で不祥事を起こしている。納期短縮、原価低減等生産性向上をあまりにも強調しすぎたこともその一因ではないかと思う。
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目覚めよ環境後進国日本

2017-11-26 22:56:42 | 生活
ボンで開催されたCOP23は激しい討論の末、閉幕した。米国トランプ大統領の孤立がはっきりし、米国抜きで進めることになった。しかし脱石炭という大きな流れができた。パリ協定採択後、世界では「石炭離れ」が進んで、COP23会期中、英国やカナダ、フランスなどにカリフォルニア州など米国とカナダの州政府を加えた27の国と地方政府が石炭火力発電を廃止することを宣言した。
 
一方、日本はこうした流れに棹さし、国内外で石炭火力発電を推進している。国内で40基を超える新設計画があるほか、会期中には国際協力銀行が現地で反対運動が起きている日本企業がらみのインドネシアの石炭火力発電建設に対する融資を実施した。石炭火力は化石燃料の中で最も二酸化炭素の排出量が多く、「汚いエネルギー」だ。日本には環境団体だけでなく、多くの国から冷たい目を向けられ、日本は世界から孤立しつつある。かつての京都会議以来,環境先進国と自負していた日本は厳しい反省と政策転換を迫られている。国民を含め、環境問題に対する意識が低下し、環境庁を創設した熱意も冷めたとさえ思える。
 
地方行政も自動車排気ガス対策であったはずの街路樹を無残にも切り刻んでいる。落ち葉拾いに経費が掛かるとの理由だが、こんなことをやってる都市は欧米でも中国やアジアでもない。パリやペナン島、南京の街路樹の素晴らしさを見習ってほしい。

昭島の諏訪松中通り、昨年までは銀杏の落ち葉で黄金の道の上を散歩できたが。今やでくの坊状態、来年の暑い夏は日陰無しの中を歩くことになる。
この状態は昭島だけでなく、多くの街でも見られる。先週関西に行ったが、川西から宝塚に行く山の手住宅街はやはりでくの坊並木だった。
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嵯峨野の紅葉

2017-11-24 20:16:09 | 国内旅行
年々、外国人観光客で賑わいを見せる京都、西のはずれなら多少は空いてるだろうと思い、嵐山から嵯峨野へ散策した。しかし想像以上の人人で歩くのもやっとで、自分の甘さを反省した。
宝厳院は苔の緑と紅葉のコントラストが綺麗だった。


二尊院の紅葉はオレンジがかったのが印象
ここが、和歌に謳われた小倉山とは来るまで知らなかった。


常寂光寺付近


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10,000円札、5,000円札がなくなるという話

2017-11-23 22:02:40 | 生活
最近、インドで高額紙幣が廃止され話題になった。インドでは高所得者が高額紙幣を隠匿し、税逃れの目的で所得隠しをしているので、インド政府は高額紙幣を廃止するという挙に出た。マネーローダリングは国際的にも問題となって、EUは500(65000円)ユーロ札の廃止を決めた。米国の経済学者からも、日本の高額紙幣である10,000円札と5,000円札を廃止したらという提案が出てきている。その理由として、現金決済は非効率で、北欧のように日常決済をカードですれば、スーパーの行列もなくなるとか、現金には名前が書いてないので隠匿性が強いので税金のごまかしが可能といった点を挙げている。
 
確かに現金流通は日本はGDPの20%ぐらいで飛び抜けて高い。米国は6%、EUは11%、スエーデンは2%ぐらいだ。インドは12%だったのが高額紙幣廃止で8%台に落ちた。日本人はいつもニコニコ現金払いが長い習慣となっているからだろう。最近はカード会社が小口のコンビニでも決済するようにいろいろと仕掛けている。自分もおつりを間違えることが多いのでなるべくカード決済をと思っている。しかし、日本では八百屋とか魚屋、ラーメン屋など小規模商店でのカードは普及してない。また、同窓会、ボランティアなど各種会合の費用も現金を要求される。
 
つまりインフラの整備が日本は遅れているので、そう高額でもない、しかも日常使っている万札や5千円札を廃止したら混乱するし、ポケットが千円札でパンパンになる可能性もある。かつて東芝3億円強奪事件というのが起きてボーナス・給与は現金支給から振込に替わった。現金を持つ年寄りがひったくりに遭っているので現金からカード決済に移行することが安全性を高める。しかし、中国のように急激にQRコードによるスマホ決済が普及したり、デビットカードを年寄りが持つようにならないと現金決済は縮小しない。高額紙幣の廃止はインフラ整備も含め今後の大きな課題だ。
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昭島の紅葉2017

2017-11-21 21:15:42 | 昭島

秋晴れの中の散歩、つつじが丘団地内の紅葉は色づき掛けている。

北西端の23号棟の前の小さな紅葉林は見頃だった。ここは林の下地が苔なので理想的な紅葉林だ。

 

森タウン銀杏並木、奥のホテル側は散り始め、入口側はまだまだ

 

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選挙が終わると増税

2017-11-19 23:04:36 | 政治
選挙中話題にもならなかった森林環境税、不勉強の自分は今日の朝刊で初めて知った。調べてみると森林環境税は、すでに37の府県、および横浜市が導入し、森林整備のための財源として使っている自治体の独自課税だ。これを林野庁が独自の予算を持ちたいためか、国税として全国民から取ろうという狙いのようだ。環境保全のための森林保全という国民が受け入れやすい名目を付けているところは財務官僚の入れ知恵だろう。一種の目的税で過去の例から目的税だと使い切ろうと無駄な支出が増え、一般財源に吸収した経緯もある。森林環境対策なら公共投資に使う財源を回すのが常識だ。東日本大震災復興財源の付加所得税も沖縄の道路整備費用だとか北海道の刑務所職業訓練費用など不正使用が出てきており、目的税はどうしても使い切ろうとするため流用する。
 
もう一つ出国税というのが登場した。訪日外国人観光促進に使うと言うことだが、日本人が出国するのに税金を掛けるというのはどう説明されても理解しがたい。1000円という低額なので反対は少ないだろうというこれも財務省の入れ知恵か?税金は導入されればいずれ上がるというのが過去の実例だ。外国人観光客にしても入国の時はWELCOMEで取られないが出るときに取られるというのはなんとなく欺された気分だろう。使うのが訪日客観光地であれば、国税にしないで各観光地で入るときに訪日観光客から取るべきだ。イタリアなど例えばシエナでは入市内税を観光バスから取っている。
 
所得税の控除も税制の課題として選挙が終わったとたんに出てきた。所得格差を縮めるものなら納得するが、結果的に増税を狙っているのではと疑わざるを得ない。選挙中は消費税3%を上げる論争はあったが、それ以外の税の話はなかった。
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ボジョレを飲みながらCOP23を注目

2017-11-17 22:42:05 | 年金生活者
 
ボジョレヌーボーとトランプリスク
今日はボジョレヌーボー解禁の日、30年間毎年この日、11月の第3木曜日にボジョレを飲んできた。1年に一度味わうボジョレの味は今年も例年と変わらずみずみずしい新鮮なもので、今年のワイ......
 

 欧州の今年の夏は暑く、天候に恵まれたせいか、写真のボジョレ・ヴィラージュ・ヌーボーは上出来で例年よりまろやかな感じさえした。しかし、南太平洋のスバルは海水の上昇で沈没すると叫んでいる。昨年訪れたスイスのローヌ氷河は確実に以前より50mは後退していた。確実に温暖化は進んでいる。本日までドイツのボンで開催されていたCOP23では欧州が中国と組んで米国に替わり、着実に実行すると独仏首脳は言い切った。トランプは得意げにパリ協定離脱を宣言したが、カリフォルニア州ブラウン知事はカリフォルニア州はこれまで以上に二酸化炭素削減を推進するとし、トランプはむしろ反対運動の反感を招き、運動を強めることになったといっている。

ところで、今年のボジョレ、コスパが悪くなったとの報道だが、確かに最も安いペットボトルのものでも1000円、瓶だと1300円から1500円、ヴィラージュヌーボーだと2500円以上になる。今年はワインの黄金期とかで、国内外の種類も豊富で1000円でも良いものが買える。近所の業務スーパーではボジョレの横にキャンティが700円くらい、サンジョベーゼのIGTなら400円で並んでいる。このIGT、料理ワインにと買ったが、香りはともかく味は悪くない。香りも振って飲めば良くなるとソムリエが言っていたけどまだ実験してない。いずれにしてもコスパは悪くなった。

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年金生活者のマネー、年金を狙う詐欺師達

2017-11-15 22:09:08 | 年金生活者
かつては郵便貯金で定額預金でもしていれば5%の利息が付き、年金生活者は安心してもっぱら定額預金や定期預金を利用した。最近のように0.1%以下の低金利時代では今日のニュースのように、年利10%の投資話を持ちかけられると、詐欺師の言葉が巧みで相談相手も居ない年寄りはころりと騙される。今回のケースは健康食品の研修会に何回か招待し、年寄りの身辺データを集め、狙った年寄りと人間関係を創った上での投資話という手の込んだ詐欺事案だ。
 
上記のような私募債投資話の他に、良くある話は未上場株式を薦められるケースで、上場後は値段が上がり、儲かるよという内容が多い。リクルート事件では上場前のリクルートコスモス株を買わせて上場後に売って、売買差益は賄賂と認定された。竹下総理、藤波官房長官など政治家や高級官僚などが関与し、刑事事件となり、自分のキャリアを台無しにした。こういう例を紹介され、儲かると思って未上場株式を買わされ、結果的に上場できなかったりして、損を被る。
 
正規の証券会社の営業マンに薦められ、中国の企業株を薦められ、買ったが潰れてしまったという話を知人から聞いた。これはあくまでも自己責任だ。その知人は東芝の株を持っており、どうしようと迷っていた。精神的にも良くないので早く処分したらとアドバイスした。
 
以前にも書いたが、年金生活者は後が短いので個別株は持たないで投信・ETFで分散投資に重きを置くべきだ。1960年代事業部制の手本で日本企業が追随した米国を代表する企業だったあのGEでさえ、現在不振に喘ぎ、株価は下がっており、リストラは避けられない。個別企業に投資することはリスクだ。
 
投信・ETFなど膨大な数から選択するには労力はいるけど、退屈しのぎにはなる。幸い、膨大な情報を整理し無料で提供してくるWebサイトがある。「NPO インデックス投資協会」が運営する全ての個人投資家を支援するサイトで、会員登録も無料だ。
『わたしのインデックス myINDEX』
http://myindex.jp/
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デジタル社会のリスク

2017-11-14 23:24:52 | 生活
今月のブログで「スマホの光と影」を書いたが、スマホはデジタル社会の典型的な端末で道具だ。デジタル社会で進行中なのが配車アプリを使ったウーバータクシーや宅配事業、インターネット上で仕事を紹介・提供するクラウド・ワーキング・サービスなど、「プラットフォームエコノミー」だ。
 
ウーバー社は自家用車を保有する人と乗車したい人をアプリ上でマッチングさせるサービスを展開するプラットホームの一種だ。シアトルではアマゾン本社に5000人おり、毎朝ウーバータクシーで出勤するので交通混雑に拍車を賭けているといわれている。
 
日本ではタクシーの規制が厳しく、ウーバー社は都会では営業できないが、過疎地などタクシーがない地域でプラットホームを提供しようと虎視眈々だ。弁護士以上に厳しい試験をパスしないと運転手になれないロンドンタクシーに挑戦したのがウーバーだが、運転手の労働条件が低く、英国伝統の一般労組(GMB)が労組組織化を目論み、「運転手らに労働者としての権利を与えるべきだ」と訴えた。ウーバー社は自社の運転手ではない個人契約者だとして拒否した。11月10日、英国雇用裁判所(控訴審)で「ウーバー運転手は労働者」とする判決が出て、昨年の一審に次ぐ、労働者側の勝利判決となった。
 
国連開発計画(UNDP)は、こうしたプラットフォームを通じて今後3年以内に世界で10億人以上が労働市場に参入するとの試算を公表している。こうした事業が雇用や労働条件、労働市場に与える影響いわゆる雇用の劣化を招く恐れが強い。日本ではネットで仕事を紹介する事業が発展しているが、労働者を保護するのは労働法だけだ。英国のように個人で加入する地域の労働組合が積極的に関与することが求められる。
 
また、メルカリや楽天市場のように実際の商店はなく「市場」に売り手と買い手を呼び込んで売買を成立させるビジネスだが、違法商品や現金出品、詐欺(送金したが商品が来ない)など問題が出ている。これをどう正常化するか知恵を絞らないと不安社会となる。便利な裏にはリスクも有るデジタル社会と割り切るしかないのだろうか?
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駅弁旅情

2017-11-12 12:33:18 | Weblog
伊豆に行く用事があり、久しぶりに踊り子号に乗車した。駅弁を買おうと東京駅中央コンコースにある駅弁屋を覗いたらものすごい人で、しかも雑多の人種であふれてる。そういえば最近は駅弁が静かなブームで、ヨーカ堂でも駅弁売り出しをやると、早めに行かないと人気のある駅弁はすぐ無くなってしまう。

学生時代は、学割を利用してもっぱら国鉄で旅行をした。旅先での駅弁には思い出がある。北海道だとイカめしや鮭いくら弁当で、これは今でも買える。最近は摩周湖の豚丼弁当が人気らしい。

関東では、よく買ったのが深川めし、あさりの炊き込みご飯にハゼの佃煮が載ったあっさり系、最近は復刻版として売っている。各駅停車に乗ると、大船で鯵の押し寿司をもとめた。

西日本では、京都の鯖ずし、ちょっと高いが素晴らしい味だった。広島では穴子弁当、これはヨーカドーでも時々、手に入る。九州では熊本のうなぎ弁当、これでは温めて売っていたが、今でも有るのだろうか?

あと、富山の鱒寿司、高崎のだるま弁当、軽井沢の容器がゴルフボールのゴルフ弁当など思い出深い。

最近は和牛を使った御当地弁当が人気だが、値段が高いのが難点だ。駅弁の平均価格は1300円ぐらいで、もっとも安いのは、千葉の豚カツ弁当で500円で売ってる。

駅弁は外国人にも人気があり、欧州へ旅行すると、弁当コーナーがスーパーにあるほどだ。駅弁文化はグローバルに広まるかもしれない。
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