行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

紅葉の季節到来 柳沢峠の落葉松

2011-10-30 22:26:17 | Weblog

日本人にとって、春の花見と秋の紅葉狩りは季候のよい時期とあって楽しみな行事だ。欧米では紅葉狩りの風習は特になく、自然を愛する日本人の良き伝統といえる。紅葉狩りの代表は楓類だが、山々は櫨や漆の赤から始まり、やま楓やいろは楓へと赤く染まる。しかし、白樺や落葉松の黄色から黄金色もすばらしい。そのことに気がついたのは海外でのことだった。。

欧州のアルプスの山々はこの時期、白樺と落葉松は見事な黄金色に染まる。米国の五大湖辺りは広葉樹の黄色や橙色で、やはり息をのむ美しさとなる。

今頃、東京から日帰りで白樺と落葉松の黄金色を見られるのは奥多摩から山梨へ抜ける柳沢峠で、運が良ければ雄大な富士も見られる。下の写真は10月27日に撮影したもので、落葉松はまだ黄金色にはなっていない。

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驚くべき経営者の犯罪、オリンパスと大王製紙

2011-10-28 23:09:42 | Weblog

この数年、企業経営の開示や透明性が求められてきたが、昨今にぎわせている大王製紙とオリンパスの経営者の犯罪行為は耳を疑う。私がかつて勤務した会社も含め、通常の上場企業なら資金の融資、保証は金額の多寡によって決済段階が決まっており、1億も超えるような案件は常務会を経て取締役会での決済だ。

二つの会社の共通点は、そうした内部のシステムが機能しなかったことを示している。
オリンパスの場合は全体像がはっきりしないほど複雑で企業小説を読んでいるみたいだ。露見した経過を見ると、外人社長のウッドフォード氏が不思議な買収取引を糾弾しようとしたところ、臭いものに蓋をしようとした日本人取締役の反対に遭い、解任されるということから事件は発覚した。

ウッドフォード氏が最も問題視しているのが、英国医療機器メーカージャイラス買収の際にコンサルタント会社に支払った報酬だ。買収金額の9億3500万ポンド(2008年当時のレートで約2100億円)に対し報酬は6億8700万ドル(同約660億円)に上る。

産経新聞によると同前社長は「買収額の1%だったはずの相談料が、約35%に引き上げられていた。オリンパスの2年分の利益に相当する金額が誰の手に渡ったかはっきりしない。こんなことが世界を代表する企業で許されるのか」と述べ、支払いに問題なしとする現経営陣は「意図的にウソをついている」と言っている。

660億円貰った2人の日本人コンサルタント会社は脱税によく利用されるケイマン諸島に登記されており、FBIも動き出したとニューヨークタイムスは報じている。

大王製紙の方はかなり単純で、創業者の跡取りが関連会社から電話一本で106億円の金を借りてマカオのカジノで使った?という開いた口がふさがらない背任罪だ。いずれ特捜の手で解明されると思うが、大王製紙は四国ではゴルフ場まで経営する押しも押されもせぬ大企業で経営体質の改善が求められ、この機会に企業経営の透明化を計るべし、地場の期待も大きい。

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米国の格差反対デモをどう見るか

2011-10-26 21:50:55 | Weblog

24日付けの朝刊にウオール街を標的にした格差反対デモのスローガン「我々は99%」の生みの親、ジョセフ・スティグリッツ教授が登場し、このデモの起因は「オバマ大統領のチェンンジに期待した人々の失望と不満、怒り」だと述べている。教授の指摘した点は「米国では上位1%の富裕層が所得全体の25%を稼ぎ、富の40%をしめる。25年前はこれが12%と33%だった。格差は大きく広がっている」

デモに長期間参加するには失業者であることが当然条件で、米国では若者の失業率は平均の失業率の倍の18%強だ。10代となると25%に達する。米国の運動にはAFL-CIO全米労組も支援にまわり、オバマ大統領の再選にむけて、右翼の茶党運動(小さい政府が理念)への対抗勢力にするのではと、ややきな臭い動きだ。世界各地でこの抗議運動は拡がり、日本でも東京でデモがあったと報道されたが参加者は500人程度とのこと、

スティグリッツ教授の指摘していることは裏返せば、社会の安定剤である中間層が収縮したことを意味する。中間層というのは若年で各種の教育訓練を受け、その後着実に職業経験を積み重ねてこそ創られる。世界的な傾向として若年者の失業率は米国のごとく、平均失業率の倍になっている。日本でも若年失業率は9%で平均の倍だ。EU-27国では若年者の失業率は2010年20.9%で平均のやはり倍だ。スペインの若年失業率は41.6%で、10%以下の国はオランダ8.7%、オーストリア8.7%、ドイツ9.9%の3カ国だけだ。意味するところはEUの大部分の国で、中間層の収縮が起こり社会が不安定化する予兆だ。

野田首相はこうしたことを意識したのかどうか判らないが施政方針演説で「分厚い中間層の復活で強い日本を創る」とぶち上げた。日本はEUと違い、失業率こそ低いが正規と非正規、男女間の賃金格差が大きく、この解決なくして中間層は分厚くならない。

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ギリシャの悲劇?喜劇?

2011-10-24 23:48:20 | Weblog

ギリシャが年金カットや賃金カット反対でデモとストで荒れ、観光にも行けないと報道されている。事実上のデフォルト国家ギリシャ支援をするためには大手術が必要なのだが幸せな生活を送っていた国民には理解できないようだ。

国民所得が3万ドルに達するギリシャが、EUの支援を受けなければならなくなった原因は、財政を顧みずに公務員を増やし賃金を上げ、人気を取るために最高レベルの年金制度を創ってしまった。

1980年代や90年代、社会主義政府が長期間政権を握る過程で、公共部門が過度に膨らみ、1995年から2008年にかけて、ギリシャ公務員1人当たりの年平均実質賃上げ率は、ユーロ地域平均の2倍に達し、公共部門の過剰人員は25%に達した。

また、ギリシャの年金制度は退職後に受け取る公的年金が、退職直前賃金の95%で、ユーロ地域でも最も高いく、ドイツが36%、フランスが50%であることを考慮すれば、ギリシャの公的年金がどれだけ手厚いかが判る。 かくしてギリシャ国民は、貯蓄の必要性を感じず、老後の心配のない人々は、稼いだお金を食べたり飲んだりするのに使った。低い貯蓄率のため、民間企業各社は、海外から資金を調達しなければならず、政府も外債で財政赤字を埋めなければならなかった。ユーロという信用力のある通貨だからできた借金でユーロの魔術みたいなものだ。

その間、ギリシャの対外債務は雪だるまのように膨らみ、ギリシャ政府の債務は、GDPの2倍を超える計3000億ユーロに達し、通貨ユーロを脅かす原因となり、冒頭の財政大手術、デモへと展開している。

更に、朝日の報道によると、ギリシャでは海外へと移住する動きが広がっている。豪州大使館の説明会には、約800人の想定に対して1万5千人が参加を申し込んだ。豪州やカナダにはギリシャ系の人たちのコミュニティーがあり、英国や米国と並ぶ人気の移住先だ。豪州大使館は「技能を持つ人なら、どこの人でも受け入れる」との意向。10月に入ってアテネで開いた説明会には医師や技術者、研究者らが集まった。

他山の石とすべきだろう。

 

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リスク管理の重要性

2011-10-22 17:49:07 | Weblog

今年は、東日本大震災、と福島第一原発事故、大型台風の襲来、国外ではバンコックの洪水など、リスク管理の重要性を痛感すると同時に、自分たちの生活にも影響し、リスクを身近に考え直す機会となった。

象徴する言葉として、「想定外」と「リスク」と言う言葉だが人類の英知に照らしてみると、あの大津波も原発事故も十分予想されていたことで、想定外というのは当事者自らの見識なさを示したことだ。例えば、大津波にしても1000年前の869年の貞観年津波による調査がなされ、東電と東北電力に報告されていたことがすでに明らかになっている。
ここで、リスク管理と言うことが重みを増して来るわけで、現有知識であらゆる想定をした上でリスク管理が必要なわけだ。

最近のタイ大洪水も50年に1度と言われ、堤防のないに等しいチャオプラヤ川を見ても、タイで工場を建てるのには洪水を想定しない方が不思議だ。タイに進出した日本の名だたる大企業でリスク管理が成されてなかったか不充分だったのだ。

翻って年金生活者である自分たちの生活を考えると、3.11というのは東京に住んでいても非常時の際のリスク管理が必要だと痛感した。繋がらない携帯、家族とはどう連絡を取るか、膨大な数の帰宅難民、JRのストップ、その後の計画停電など、おかげで家族や親戚との絆が見直された面もあった。

ギリシャの財政危機が話題になっているが、厚労省が先日タイミングを見はからったごとく厚生年金の68歳へ支給開始年齢延期を提起した。日本の財政を考えた時には可能性としてあり得ることで、この場合すでに年金を受給している人にも何らかのかたちで負担がかかってくることは間違いない。これも頭に入れておくべきリスクだ。

リスク管理の基本は、資産管理でよく言われる分散で、国も企業も被害に遭ってもダメージがより少なくなる対策が必要だ。我が家でも大震災の教訓を活かし、生活の基本であるエネルギーについては電気は太陽光発電、ガスは別系統、携帯用ガスボンベの備蓄、食糧は最低1月備蓄とささやかな対策をしている。

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勝軍の将、落合監督解任

2011-10-20 18:31:05 | Weblog

中日ドラゴンズが大逆転でリーグ優勝を決めた。最後のヤクルトを追い込む場面での解任発表があっただけに、落合博満監督の面目躍如たるものがある。2004年の就任以来、8年間全てがAクラス。リーグ優勝4回、そして中日を53年ぶりに日本一に導いた名将の解任だ。普通の企業ならボーナスで報いるところだ。

球団の発表では新しい風を入れたいというだけで解任理由がはっきりしない。「人気がない」「マスコミ受けが悪い」ということが流れているが、親会社が中日新聞だからなのだろうか。人気がないので球場への入場者が減少したというのであれば、監督の責任と言うより社長の責任だろう。

私は中日ファンでないが、井端、荒木の二遊間に代表される守りの野球、完璧に近い投手陣の育成、球界随一の練習量、そして厳しいが見事な選手の起用、落合監督のすごさを敵ながらあっぱれと思っていた。野球の監督をこえて、先見性とリーダーシップの見本とさえ思える。今季は大震災のため、最後に13連戦の日程が組まれ、早くからそれをどう乗りきるかを考えに考えた結果が大逆転に繋がったと本人は優勝後のインタビューで語っている。

今回の解任で、思い出すのが常勝西武ライオンズを解任された広岡監督で、球団オーナーから強すぎて面白くないという理由だったと記憶している。やはり、マスコミ受けが良くなかった。野球の監督はタレントとは違う、絶えず勝つことを求められ、マスコミへのリップサービスで自軍の事情をさらけ出すようなことはすべきでないし、ことさらファンに迎合することも必要ない。

これからのポストシーズンの落合采配が楽しみだ。57歳の若さ、来シーズンの去就にも注目したい。最後に落合語録から
「良い時も、悪い時も同じ態度で接してくれた人だけ 信じられんだ、そういう人と一生つきあっていきたい」

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昭和記念公園のコスモス、見ごろ

2011-10-18 22:38:14 | Weblog

コスモスの丘、西花畑ともに見ごろをむかえている。まだつぼみもあり、今週末まで楽しめる。
平日ながら多くの人が訪れていたコスモスの丘

コスモスの丘から立川市街地を望む

サンセット・イエローで統一された西花畑

ハナミズキの実

コスモスの丘は公園の北、砂川口に近いので、足に自信のない方は立川駅北口から大山団地行きのバスで昭和記念公園で下車が便利、コスモスの丘からこもれびの丘を通り、西花畑へ、約15分

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タイの大洪水も想定外?

2011-10-16 17:29:07 | Weblog

日系企業がタイの洪水で操業ストップしている。いずれも観光の大動脈チャオプラヤ川の氾濫で、想定外の被害と言っている。私はタイへは仕事や観光で何回も行ってるが、初めて旧国際空港のドンムアン空港へ着陸した時にJAL便の高度サービス計時がマイナスの高度を示したのには驚いた。海面下の空港に下りたのは初めてだったからだ。

バンコック自体がチャオプラヤ川の三角州に位置し、全体が沼地のようなところに街ができている。1970年代三菱電機のタイ最初の合弁会社がよく水害に遭ったことも記憶している。アユタヤにしても観光でチャオプラヤ川を観光船でバンコックまで下った人も多いと思うが、船着き場辺りは堤防がかなり低いことに気がついただろう。

バンコックの南東郊外のサムットプラカーンには日系だけでなく各国の自動車メーカーや部品メーカーの工場がある。ここまでは洪水の被害が出るとは思わないが真っ平らな土地なので予断は許さない。タイ側の洪水対策にたよるしかないだろう。

私のような素人でもこれだけの体験をタイでしているのだから、今回の洪水が想定外ということはないだろう。海外で生産するリスクのうちの一つで、工業団地で安心し、油断したとしか思えない。

日本のマスコミは工業団地の被害に焦点を当てているが、これまで4つの工業団地がつかり、最大のノバ・ナコム工業団地に水が迫りつつあると現地新聞は報じている。この団地には227社が操業し、18万人が働いおり、更に周囲には3万戸に10万人の家族が住んでいる。日本からの自衛隊救援派遣を早く提案すべきだ。

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森林セラピーのすすめ

2011-10-14 17:34:44 | Weblog

南信州、木曽路の旅の中で赤沢自然休養林での散策が最も良かった。木曽福島の上松から1時間ほど入った檜の原生林高原で国有林ながらトロッコ列車あり、散策路ありで檜の香りの中、日頃のストレスを発散してきた。
働き過ぎの勤労者にお薦めのスポットだ。
かつて材木を運搬していた森林鉄道がトロッコ列車としてよみがえった。片道乗って帰路は檜林の中を歩いた。

 

渓流に沿った散策コースで森林浴プラスマイナスイオン効果もある。

高度は1000mで、紅葉し始めていた。

檜原生林の中にはヤマボウシや白樺も時には見かけ、ここが杉の人工林と違うところだ。写真はヤマボウシの実

東京にもこうした原生林の森林浴を楽しめるところが奥多摩の都民の森で、高度も同じ1000mだ。赤沢自然休養林と違うのは檜の香りがないだけで、セラピー効果はある。

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国の年金制度を破綻させないために

2011-10-12 23:18:48 | Weblog

11日、年金制度の支給開始年齢引き上げが厚労省から出され衝撃が走った。最大68歳まで支給開始年齢が延びるという内容だからだ。背景には少子高齢化による年金財政の悪化があるという。端的に言って、1980年頃から高齢化は明確に判っていたのに一方の少子化対策をしなかったつけが廻ってきたのだ。

当時、現代総研の正村先生は熱心にそのことを提言されていたが、政治も行政も無作為だった。今回も少子化対策の目玉、子供手当ては風前の灯火だ。年金制度だけを俎上に載せれば財源論から支給開始年齢を延長するか、年金額を減らすしかないのが現実だ。

しかし、支給開始年齢を将来延長するならいくつかの課題を解決しないと若い世代の不安を助長することになる。
先ず上記したとおり少子化対策が基本、次に支給延長部分の雇用対策で、現状見ると大部分の人が非正規雇用になる可能性が高い、モラールを維持し、生産性を落とさないように同一労働同一賃金の慣行を実現すること。401Kのような個人年金の税制優遇を拡大すること。そして、辛いことだが、人口の比重を一層増す高齢者の負担を増やすことで、例えば、高齢者の医療費負担優遇措置を廃止するぐらい考えたらどうだろか。

限られた社会保障財源の中、若い世代の働きがいを先ず考えないと脱日本現象がおこり、元も子もなくなる。

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