今年は、東日本大震災、と福島第一原発事故、大型台風の襲来、国外ではバンコックの洪水など、リスク管理の重要性を痛感すると同時に、自分たちの生活にも影響し、リスクを身近に考え直す機会となった。
象徴する言葉として、「想定外」と「リスク」と言う言葉だが人類の英知に照らしてみると、あの大津波も原発事故も十分予想されていたことで、想定外というのは当事者自らの見識なさを示したことだ。例えば、大津波にしても1000年前の869年の貞観年津波による調査がなされ、東電と東北電力に報告されていたことがすでに明らかになっている。
ここで、リスク管理と言うことが重みを増して来るわけで、現有知識であらゆる想定をした上でリスク管理が必要なわけだ。
最近のタイ大洪水も50年に1度と言われ、堤防のないに等しいチャオプラヤ川を見ても、タイで工場を建てるのには洪水を想定しない方が不思議だ。タイに進出した日本の名だたる大企業でリスク管理が成されてなかったか不充分だったのだ。
翻って年金生活者である自分たちの生活を考えると、3.11というのは東京に住んでいても非常時の際のリスク管理が必要だと痛感した。繋がらない携帯、家族とはどう連絡を取るか、膨大な数の帰宅難民、JRのストップ、その後の計画停電など、おかげで家族や親戚との絆が見直された面もあった。
ギリシャの財政危機が話題になっているが、厚労省が先日タイミングを見はからったごとく厚生年金の68歳へ支給開始年齢延期を提起した。日本の財政を考えた時には可能性としてあり得ることで、この場合すでに年金を受給している人にも何らかのかたちで負担がかかってくることは間違いない。これも頭に入れておくべきリスクだ。
リスク管理の基本は、資産管理でよく言われる分散で、国も企業も被害に遭ってもダメージがより少なくなる対策が必要だ。我が家でも大震災の教訓を活かし、生活の基本であるエネルギーについては電気は太陽光発電、ガスは別系統、携帯用ガスボンベの備蓄、食糧は最低1月備蓄とささやかな対策をしている。