行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

派遣労働者を含め非正規労働者が連日解雇

2008-11-28 22:45:03 | Weblog
米国の金融危機(とくに投資銀行リーマンブラザーズ倒産以降)の影響でついに日本の非正規労働者の大量解雇へと、連日報道されている。日本の企業もトヨタがやれば怖くないということでまるで米国企業のように続々と雇用責任を放棄している。以前だったら雇用を守るために、全員が賃金カットをしてでも耐えたものだ。
製造現場への派遣労働を認めた小泉内閣の規制緩和がここへ来て経営者からは評価される?が社会不安という形で日本全土をおおうことになる。NHKテレビのインタビューでも派遣社員の1人は「突然契約を打ち切られ寮からもすぐ出て行けと言われ、非人道的な仕打ちだ。何とか正社員になりたい」と言っていた。
1985年に労働者派遣法ができたときの理念は労働者が豊かで充実した労働生活を送れるように専門的な労働者(13業種)に限って認めるという規制法であった。それが1999年に原則どの業種でも派遣を認めようということになり、2003年には製造現場への労働者をも認めることになった。
当初、85年の時に、交渉力のない労働者が製造現場に派遣されたらどうゆう扱いになるか危惧していた故に付帯決議で「製造現場への労働者は対象としない」としたのだ。今やこの付帯決議は無視され、予想通りの悲劇が製造現場で起きている。理念なき経営者と政治家が結託するとこうなるいう実例だ。日本の良き労働慣行も風前の灯火で米国のまねをして規制緩和したら米国の金融危機でしっぺ返しを食らった。
私は規制緩和賛成論者だけど、人間が絡むものの規制緩和は人権第一に考えてからやらないと人の生活を豊かにするための規制緩和が逆に人間を不幸にする。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界最大の銀行シティもついに公的資金再注入へ

2008-11-24 17:00:36 | Weblog
6つの大陸に100の拠点を持ち、2億人の顧客を持つ米シティ銀行に2兆円の資金注入を米国政府、連銀は決断した。先の注入と合わせると4.5兆円という巨額で今回の金融危機の深さを物語るものだ。シティは世界最大のクレジット会社でもあり、詳細は判らないが住宅ローン以外にもクレジットカード社会である米国で消費者金融部門で不良債権が発生しているのかもしれない。またヘッジファンドにもかなり投資をして焦げ付いていることもあり得よう。発表では30兆円の不良債権があり、これも政府が保証をするとしている。
既に6割下がって4ドル割れのシティの株価がこれ以上下がると取り付け騒ぎになり世界経済に及ぼす影響が大きいと判断したのだろう。
我々庶民にはとてつもなく大きな金額であるが、脇役であるべき金融機関の不始末で実体経済が大きな影響を受け始め、生活の基盤である雇用を脅かしている。現実には非正規社員の解雇が真っ先に始まりだし、日本の政府はこれに対し、定額給付金で対応するとしているが見当外れではないだろうか。しかも2次補正予算は来年だと言っている。連合総研の調査でも雇用主が負担を嫌って非正規社員で雇用保険に入ってない人もいる。与野党一体となって早急に対策をすべきだ。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ボジョレヌーボーを楽しむ

2008-11-23 19:06:07 | Weblog
ワイン好きの私としては11月第3木曜日は特別な日でボジョレヌーボーの日だ。この数年のワインブームでコンビニでも売り出しているので飲み損なうことは先ずない。世界でこれほど騒ぐのは本国フランスを除くと日本ぐらいだろう。ワインブームの韓国でさえ、2年前のソウルでは飲めなかった。聞いても知らなかったのである。まして欧州のフランス以外の国、例えばイタリアではなぜわざわざフランスの新種を飲むのと怪訝な顔さえする。日本人は新酒が縁起物として昔から?もてはやされていたのと、ボジョレの売り込みがうまかったのだろう。私の記憶では1985年に一の橋の洋食や「江戸屋」で昼飯を食べに入ったら今日はボジョレ解禁日と言われ一杯やったのが初めてだった。
毎日の晩酌がワインになって15年くらいになるだろうか、その間日本にいるときはボジョレヌーボーを必ず飲んで今年のブルゴーニュワインはうまいか試している。今年のヌーボーはまずまずだと思う。おもしろいことに今年は節約とエコブームでコルク栓がスクリュー栓になったり、最も安いものはペットボトルのようなプラスティック製のものも出てきた。今月中に飲むものだし、年金生活者にとっては安い方が良いし、大いに賛成である。ユーロが円に対し大幅に安くなっているので欧州ワインは買いで、久しぶりに良いニュースだ。15年前、シャトーヌフデュパフは1000円台で買えたが最近は3000円台でクリスマスの時ぐらいしか買えない、夢よもう一度
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日米自動車産業の危機、雇用対策を

2008-11-20 20:58:53 | Weblog
ニューヨークタイムズのライブでGMとクライスラーの会長の議会証言を見た。倒産したら業界全体で300万人の雇用だけでなく、企業年金の年金生活者の困窮、企業の医療保険の崩壊といった社会的な影響があまりにも大きいので政府の緊急融資援助2500億ドル(2.5兆円)が必要という内容、GMで120億ドル、フォード、クライスラーで各70億ドル緊急に必要だと訴えていた。
かつて米国の自動車会社は鉄鋼まで自前で生産してたことがあったが、販売ローンは依然として自前の金融会社でやっており、ローンの7割をまかなっている。従って今回の経営危機は金融危機の影響(信用収縮で金が回ってこない)をもろに受けたと苦しい弁明をしていた。米国車は日本のメーカーに比べれば医療保険や年金の負担で1台あたり1500ドル余分にコストが掛かっていると言われている。UAW(自動車労組)もこれまでにない譲歩をして、賃金の半減、医療保険は組合が負担するとし、2010年にはトヨタの米国工場より1台あたり1000ドルコストが安くなると議会証言し組合も政府の支援を強く要請した。当然支配もしくは提携関係にある外国メーカの株も手放すことなる。
日本でも各自動車会社は減産に対応して非正規社員との契約を打ち切ると、本日あいついで発表された。最も恐れたことが起きようとしている。一方政府は雇用保険は余ってるから国の負担を打ち切ると言ってる、何を考えているのか?非正規社員の再就職までのつなぎを雇用保険で見ないのであろうか、以前だったら特別法を作り、再就職の斡旋まで企業と協働したが、自動車労連や連合の出番だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クルーグマン教授の警告、ほんとに驚いた

2008-11-18 00:23:58 | Weblog
本日17日の朝日にクルーグマン教授が寄稿しているが驚くべき内容だ。財政政策否定論の教授が今回の危機は尋常ではなくこのままでは米国失業率は9%にもなるからなりふり構わず金を使って低所得者には医療保険など社会保障を緊急に行うべしと主張している。ちなみに米国では国民健保はなく低所得者は医療保険には入れない。橋やトンネルも掘れとも行っている。それで財政赤字がふくらんでも政府がしっかりしていれば問題は起きない、日本は長い間膨大な赤字にも拘わらず特段経済には大きな影響は出てないと最後は日本を例に出している。確かに金融とIT産業は米国の最強産業であったがそれがこけたのだから危機感は100年に一度のようだ。テレビではシティ銀行が35万の人員を5万人減らすとか、モルガンスタンレー,ゴールドマン・サックスの役員がボーナスを辞退するという報道がされてる。ゴールドマンの場合、7人の役員で66億円も昨年貰っているのだから空々しい。
9月初旬のブログで世界大不況と書いたが、その時の処方箋、新興国に頼るべしと書いたことが益々現実味をおびてきた。
だけど、楽観主義者のある米国人は「米国は危機になれば、新しい分野を開拓するから何か出てくるよ、IT産業は良い例で次々と新分野が出ているから大丈夫」といっている。大いに期待したい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20Gサミットは成果無し、混迷を深める米国経済

2008-11-16 12:42:37 | Weblog
昨日、ワシントンで開催されたサミットはいやがる米国を説得して開催しただけあって、具体的な成果は無かった。抽象的に金融規制強化を原則確認しただけで、日本だけが金を出しますというコミットメントを麻生首相がかっこよくしてきた。最近のサミットはいずれも成果は無いから何をやったのか問われても思い出されない。洞爺湖サミットも環境サミットであったが具体的なものは出なかった。各国首脳は競ってジャンボクラスの大型機で乗り込んでくる。それだけでも環境に大きな負荷をかけるし、経費も馬鹿にならないので定期便を義務づけるべきで、日本は自ら率先して実行すべし。
1929年の大恐慌の時は各国が保護主義によって貿易が一挙に縮小し、経済の悪化に拍車をかけ、第二次世界大戦の遠因を作ったが今回は国際協調が曲がりなりにもできているので実のある政策を実現してほしい。IMFの資金を拡充するのであれば、日本が10兆円出すのなら先進国と中国が応分の負担をするという根回しをすべきであった。日本がさっさとカードを出すことは無かった。
今月上旬、ベトナムとカンボジャを旅行したがレストランもホテルも土産物屋もすべて米ドルが依然として現地の通貨であった。ドル本位制は国際通貨として以前大きな地位を占めており、ドルが暴落すれば途上国も産油国も大きな影響を受ける。時間をかけてドルが極端に暴落しないように国際通貨体制の新たな構築が必要だ。今のドル体制は米国の貿易赤字によるドルの流失に支えられているがその赤字の背景は米国民の借金による過剰消費が存在する。年収200万の世帯がプール付きに家を買えることが異常なのに、ブッシュはアメリカンドリームといったとか、夢幻のごとく消えた今、米国の経済は大変な事態に突入している。自動車産業は破産するかしないか、すべきかの議論がされているし、これまで成長を続けてきた世界最強の競争力を持つハイテク産業もサンマイクロシステムが6000人のレイオフを発表した。シスコシステムズの10月の売り上げも前年同月比9%減と9月以降急激に悪化している。米国は政権移行期でしかもブッシュは企業救済はやらないと頑としている米国労働者は不安一杯だろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オバマ大統領誕生の衝撃

2008-11-12 00:19:02 | Weblog
1週間の海外旅行から帰ってきたら、自衛隊空軍のトップが信じられない論文を出して問題になっていた。歴史認識の問題は複雑だが、かつての日本軍の行為は侵略ではなかったというようなことは歴史認識でなく事実認識の問題で、まさに旧日本軍の思考停止体質であり、かつてのブラジルにおける日系人の勝ち組、負け組論争の妄想を思い出す。韓国や中国だけでなく全世界で受け入れられないだけでなく、このような人物を自衛隊の中でも最も責任のある空軍のトップにまで勤めさせた防衛省の体質が大問題だ。しかも彼の国会での言動は文民統制ということも理解してないと思われ、背筋が寒くなってくる。平和憲法下の自衛隊がモンスターになりかねない。
一方米国では黒人初の大統領が誕生し、世界に衝撃が走った。米国の民主主義躍如たるものがあり、日本人も予備選段階ではまさか黒人が大統領になることは無いだろうと思っていた人も多く、時代が変わったと認識を新たにしたと思う。冒頭の日本での問題とは何と大きな差だろう。日本でたとえれば、軍国日本時代、強制労働をさせるため韓国人を連れてきたが、時を経てそうした人たちが日本の首相になるようなことが起きたのだ。
本日オバマ氏はブッシュ現大統領と会談し、真っ先にGMの支援を頼んだとのこと、金融危機に対し70兆円の支援を決めているのでそれを自動車産業にも投入することを要請したのだろう。GMの経営者は政府の資金投入がないと来年には倒産だと言っている。開き直ったものだがかつて「GMのよいことは米国にとっても良いことだ」と言った経営者もいたが、オバマ大統領の登場はGMにとって救いの神となった。雇用を含め裾野の広い自動車産業は米国のバックボーンだとオバマ氏は公言している。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南ヴェトナムメコンへ

2008-11-08 00:59:09 | Weblog
シェムリアップから1時間余りのフライトで喧騒あふれる大都会ホーチミンに到着、相変わらずオートバイの洪水だ。4年前に比べるとほとんどの人がヘルメットを着用し、法規制が徹底している。本日の報道によると粗悪品ヘルメットを締め出す法も整備され、前進している。ハノイに比べるとやはり資本主義の時代が長いせいか華やかで活気を感じる。地元の人に言わせると南は昔カンボジア領、メコン川のおかげで豊かだ。性格はおおらかで、顔は丸い、北は気候も厳しく懸命に働かなくては生活ができない、性格も暗く顔は細長いとのこと、
メコン川デルタの中心、ミトーはホーチミンからバスで1時間半の距離、ここから舟でタイソン島に渡った。そこは舞台変わりの農村で年2回の果樹園収穫で生計をたてているが観光客相手にジャングルクルーズをやっている。とれたてのドリアンなどの果物を売るだけでなくココナッツからキャラメルを作ってるミニ工場も見学した。ここまでは雇用を生み、農村に現金収入をもたらすモデルだと感心してたのだが、果物を試食してたら突如楽器を鳴らし5歳くらいの少女が歌い母親が踊り、終わるとかの少女がチップを取りに来た。少女の顔はお金を渡してもにこりともせずこわばっていた。ここでも児童労働の現実に直面した。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハノイからシェムリアップへ

2008-11-07 01:44:42 | Weblog
アンコール遺跡群観光が目的だがカンボジアに入っていろいろとわかった。国中にヒンズーや仏教の遺跡がありまるでイタリアみたいだが長い内戦で東部分はまだ地雷が残っていて入れない。経済も内戦後まだ11年外資の投資も観光産業へ限られているようだ。この国は歴史的にタイとヴェトナムの圧力にさらされ、翻弄されてきた。最近ではヒンズー遺跡の帰属をめぐる国境紛争でタイと交戦したが電力の大部分をタイから輸入している現状では足元を見透かされていた。シェムリアップがアンコール観光の拠点でハノイから飛んだわけだがシェムリアップの意味は侵略者シャム軍と戦い此処で侵略者を追い払ったとのこと、いかに反タイ感情が強いかである。ポストポルポトの占領軍ヴェトナムへの反感も強くヴェトナムみやげの菅笠はかぶらないでと言われた。
アンコール遺跡には土産ものを売る子供達がいる。義務教育の普及は遠く、外国の援助は校舎は建てるが肝心の先生がいないので2部授業にならざるをえない。援助はハードから人材教育のようなソフトへの転換が課題だと再認識した。この国も為政者のリーダーシップ不足と見た。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヴェトナム観察

2008-11-04 23:43:18 | Weblog
滞在3日目になると同じ予算のためかヴェトナム料理にそろそろ飽きてくる。概ね、野菜の炒めもの、春巻き類の揚げ物、魚か肉の具だくさんのスープ、2種類のご飯、といったコースだった。品数は前菜を入れて5.6種類、これを皿と茶碗だけで食べ、途中での食器のチェンジはない。エビ、カニを食べると殻が出るがこれは皿から回収してくれる。最初は戸惑ったがすぐコツを覚えた。他の料理に比べると食器を洗う数は三分の一以下だろう。洗剤や水の使用量はかなり節約でき環境にはやさしい、さっそく見習ってみよう。
サービス業務についてはヴェトナム航空やホテル、レストランの対応をみるとまだ社会主義の時代で道路や新幹線への援助だけでなくこの分野への援助が必要だ。日系企業の投資はかなりのものでハノイ周辺の工業団地は主なブランド企業が出ているからこの分野、製造業の発展は目覚ましい。一方インフラ整備がかなり遅れていて、まだこの国には電車がなく、バス輸送が主体だ。最初の電車の登場がハノイ、ホーチミンを8時間で結ぶ新幹線になりかねない。道路の整備は進んでいてハノイから中国雲南省へは2時間で行けるようになった。ハロンの市場に行くと中国製品があふれていたがさらに中国の影響が大きくなるのではないだろか。今回の金融危機がどういう影響があるかまだ庶民の生活をみる限りわからない。依然として豊かな自然に恵まれ食料自給率は100%以上、庶民の暮らしは自給自足が可能だからだ。人気のフォーは日本でいうとかけうどんだがホテルのルームサービスでも250円だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする