行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

ついにGM破産へ

2009-05-31 17:23:10 | Weblog
米国のメディアによると、GMは政府が示した再建期限である6月1日にも、米ニューヨークの破産裁判所に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請するとみられ、障害となっていた無担保債務の債権者のうち5割強が、30日の期限までに債務削減に応じる意向を示したと伝えた。債権者の過半が「GMが破産法を申請しても、破産法審理に反対しない」との条件に合意したことを意味し、GMが短期間で破産法手続きを完了するうえでの障害が軽減される見通し、とのことだ。
全米自動車労組(UAW)は29日、米ゼネラル・モーターズ(GM)に対する労務協約改定案を組合員が正式承認したと発表した。削減案には、医療保険債務の圧縮や労働条件の見直しなどが含まれる。組合員の74%が改定に賛成票を投じた。組合員は生活を切り詰めても雇用の維持を選択したと言える。
ドイツのGM子会社オペルはカナダの自動車部品メーカーマグナ社が買い取ることに労組IGメタルも承認し、ここでも雇用の維持が優先された。
新GM社には米国政府が約70%を出資するので国営企業となり、オペルにもつなぎ融資としてドイツ政府が2000億円支援することになった。
米独ともに政労が連携して雇用優先で企業を支えたが問題は今後作った車が売れるかである。オペルはロシアと組んでロシア市場開拓という戦略があるが、新GM社には先が見えない。燃費の良い小型車は中国で作っているので輸入することが考えられるがこれにはUAWが反対するだろう。
私が懸念するのは米国労組はこれまでも内向きだったのがさらに拍車が掛かり、外国車排斥運動へと発展するかもしれないことだ。しかし日米貿易摩擦の時代とは違いGMの米国内の雇用者は88000人に減少しているので国民からは支持されないだろう。
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あきる野の薔薇園

2009-05-29 22:30:47 | Weblog
先日、中学時代の同窓の飲み会がありそこで野球部で一緒であったO君が薔薇園をあきる野でやっていると聞いて、早速訪問した。その薔薇園はイングリッシュガーデンぽく多種類のバラが植え込まれ、ちょうど見頃で中に入ると、香りとともに立ちすくむ美しさであった。O君は銀座ファンケルでのバラガーデンの仕事で不在であったが、細君が応対してくれた。29年前にお隣から1本のバラを貰ったのがきっかけで育てるうちにバラの魅力に取り込まれ、市役所の仕事をしながら毎年育てて、ここまで来たという。あらためて29年という「継続の力」をまざまざと見た。
O君の妹さんがこの薔薇園のwebを管理している。薔薇.com
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有料老人ホーム何故オンブズマンを置かないの

2009-05-26 23:24:43 | Weblog
有料老人ホームへの苦情が急増しているとの報道があった。本来なら公的施設である特別養護老人ホームに入るべき対象者が38万人も待機しているという事態で政治・行政は立ち往生している。仕方ないから有料老人ホームに入らざるを得ない人も出てくる。私の父も2年間お世話になり昨年鬼籍に入った。その間毎週ホームを訪れ、有料老人ホームの実態に触れた。厚労省によると、07年7月で2846だったホーム数が09年3月には4110に急増しており定員は20万をこえた。先般火災で10人が死んだような無届け施設も600近くあるとのこと、そして職員の乱暴、粗末な食事、クーリングオフの拒否等苦情が急増している。
父の施設は入居一時金600万円(死亡退出で200万円戻ってきた)、毎月の費用が個人の薬代も含めて約28万円、かなりの負担であった。施設にはさらに父の介護費用が保険から20万円弱支払われているから企業の経営としては確実に利益が出る。毎年保護者懇談会があり、全体的な苦情処理がなされ、私も人手不足の問題だとか部屋の掃除の手抜きなど指摘をした。幸い施設のケアマネージャ-や生活相談員が優秀で父も満足していたが、いつも感じたことは毎週保護者が来ない人もいるのだからオンブズマンのチェック制度が何故ないのか不思議であった。以前スエーデンの老人ホームを視察したがオンブズマンが来て、入所者と話し込んでいた。自宅を処分して入居している人は多少のサービスの悪さは我慢して耐えていることだろう。儲かるから参入者が増え、有料老人ホームは増え続ける。役所の目が届かないことは先般の火災を起こした無届け施設に東京の墨田区役所が区民を押し込んだことで明らかだ。是非オンブズマン制度を導入して欲しい。
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新型インフル二つの見方

2009-05-24 23:41:31 | Weblog
新型インフル騒ぎもようやく落ち着いてきた。北朝鮮ミサイル、草薙、新インフルと3大大騒ぎ事件であった。最近では患者が出ると知事が記者会見までする騒ぎの埼玉、2人の高校生が米国で感染したが登校もしないのに幼稚園から大学まで休校した神奈川、滑稽でもあったし、まして国連子供会議に出席した高校生や学校の判断に過剰反応したことは日本の特殊性を際立たせた。国際会議は全てのことを考慮に入れて開催しており、日本だけが欠席すると豚インフルが東京インフルと皮肉られる。今回の反省点その一であるが、これも今回の新型インフルが大したことなかったからである。
もし、鳥インフルのように猛威をふるう感染症であったら、逆に背筋が寒くなる事象が多かった。先ず空港での水際作戦はざるで役に立たないこと、患者が発生した自治体では隔離病棟の受け入れ人員がはるかに少なく、かつ医療機関の中でも患者の受け入れ拒否なども発生し、医療体制に欠陥が目立った。反省点二つ目といえる。
今回の新型インフルが強毒性であったら、現在の患者数が300人を超えていることからもかなりの死者が出て、企業も休業が発生し、日本経済は麻痺状態になっただろう。今回の大騒ぎを奇禍として危機管理と隔離病棟の増設など早急に手を打つ必要がある。
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ソニーに見る構造改革への疑問

2009-05-21 15:57:17 | Weblog
ソニーは09年3月期2000億円を超える営業損益赤となり、10年3月期も赤字と見込まれ、20日に大構造改革を発表したがその内容は前向きのことは一切なくひたすら縮小均衡だ。工場の閉鎖に伴い正社員8000人、非正社員8000人の整理解雇はこれまで聞いていたが、今回は部品や素材の調達先を2010年末までに現在の約2500社から1200社に減らし、調達先絞り込みで1社当たりの取引量を増やして価格を引き下げ、10年3月期は調達コストを5000億円以上圧縮するという内容が入った。簡単に言えば、下請けへのコスト転嫁だが金額が巨額で社会的な影響が心配される。しかも液晶テレビなど主力の開発要員を3割削減し、外注化するという。果たしてこれでソニーらしい先端的な製品が開発されるのであろうか??今回の世界経済危機で、ソニーに限らず下請け関連の企業ではすでに内製化で2次下請けをきっているところもあるが、技術移転がうまく進まず混乱しているという報道もある。まして虎の子の開発要員を削減するようではホンダのインサイトのような製品は出てこないのではないか
かつて、経営からのリストラの提案に私自身組合役員として経営協議会や団交に望んだが、頭脳の開発要員だけは逆に増やす要求をして中途採用をさせたことを思い出した。
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エコポイントはスイカかパスモなどで利用を

2009-05-19 15:09:17 | Weblog
衆院解散・総選挙向けの政府・与党の思いつき政策は数々の混乱を招いてきたが、麻生太郎首相が「さもしい」と言った定額給付金は支給されると結構国民には受けた。私もさもしい根性で日頃買えない5000円前後のワインをゲットするべくいただいた。さて政府が「経済危機対策」に盛り込んだ省エネ家電の購入支援策がこれまた混乱している。5月15日から地上デジタル放送対応テレビ、エアコン、冷蔵庫購入分から「エコポイント」をつけることになったが、ポイントの使い道や手続き方法など詳細はほとんど決まっていない。エコポイント発表後、4月のテレビの売り上げが買い控えにあい、「見切り発車」となった。省エネ効果を5段階で示す「統一省エネラベル」で4つ星以上の評価を得ていることを条件に、テレビで価格の10%程度、エアコンと冷蔵庫で5%程度のエコポイントがもらえる。購入場所や日付、購入者が分かる領収書や保証書が必要なのは判るが、どこに領収書を持っていけばいいのかどこでポイントがもらえるのか、どんな商品やサービスと交換できるのかが決まっていない。
ゴールデンウィークではETC付き車の1000円高速乗り放題政策では、首都圏から遠いところで利用車が殺到し、観光地はかなり潤ったが 環境にかなりの負荷をかけた。
今回のエコポイントはスイカ、パスモ、JR券、航空券などに充当して環境にあまり負荷をかけずに観光地がにぎわって欲しいものだ。
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イノベーションなき日本電機産業

2009-05-17 22:52:41 | Weblog
09/3月期決算が発表されたが自動車と並んで日本のリーディング産業であった電機各社の決算は眼を覆うばかりの内容だ。主要9社の中で黒字だったのは三菱電機1社のみ、東芝とソニーは営業段階で2000億を超える赤字で、東芝のJ-CDSの値は400を超えている。何故だという疑問が湧いてくる。もちろん経営者の能力が問われ、何社かは交代しているが、それだけで立ち直れるのであろうか?また構造改革と称して工場を閉鎖したり、人員整理をしているがそれで立ち直れるのだろうか?いずれも難しいと思う。ソニーを例に取ればウオークマンのごとくきらめくような新製品で世界のデファクト品を開発してきたが最近は米国のI-POD,I-PHONE、の登場でお株を奪われ、起死回生で液晶大型テレビを出したが米国市場では米国社のヴィジオの安売り(42インチで10万円)に対抗できず大赤字で傷を深くした。
この分野ではDSの任天堂が1社気を吐いているのみ、要はイノベーションが生み出せないところに日本の電機産業が危機に落ちている原因があるのではないだろうか!この危機以前の経営を見ても、何万と博士がいながら成果が出てないのは、人を大切にする経営を忘れ目先の利を追う短期的な視野に陥り、人件費の安さで表面上は利益が出ていただけだったのではないか、
ソニーはIBMからコンサルタントをむかえ立て直しを図るというがそれでイノベーションができるのだろうか、何かピントが外れている気がしてならない。半導体は合併によって危機を切り抜けようとしているが、最近のETC不足で明らかなようにマーケッティングのお粗末さは滑稽である。ETCは高速1000円政策で今年に入り極端な品不足、多分今必死にETC用チップを増産しているだろうが今度は作りすぎて値段が下がり赤字になるだろう。
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鳩山か岡田か

2009-05-15 12:02:44 | Weblog
結論から言えばどちらにでもやらせてみたい。鳩山さんにお会いしたのは仙台の電機連合中央委員会だったと記憶している。米国大学出の技術屋にしては話がうまかったし、選挙区を北海道の洞爺湖周辺に鞍替えするなどかなり勇気のある人だとの印象を持った。電機連合は応援のために洞爺湖温泉で大会をしたほどの熱を入れた。岡田さんは私が金属労協の事務局長時代に党の政策担当だったので政策要請でよくお会いした。国会議員の多くはこちらの話を聞き終わらないうちに良くしゃべり始めるが、岡田さんはいつも真面目に真剣にこちらの話を聞いてから話し始めた。どちらもこれからの日本を背負う有能な政治家で今度の代表選挙で亀裂を生じないように願いたい。
小沢辞任で国会議員がコメントをテレビ取材でしていたが自民党の登場者はほとんど古老に近い人ばかりで、若手の影が薄かったのが気になった。一方民主党は名も知らない若い議員が多く、世代の交代は民主党の方が進んでいる。
座りの良いのは鳩山代表、岡田幹事長だが、総選挙となると岡田代表の方が人気があり、これを民主党議員がどう判断をするか、久しぶりに政治がおもしろくなってきた。
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ワイズ・スペンディング???

2009-05-13 23:01:57 | Weblog
本日夕刻、補正予算が衆議院を与党の強行採決で通過した。このブログで飲み屋のママが喜ぶ交際費非課税枠拡大が景気対策とはと疑問を呈した。その後の審議の過程でワイズ・スペンディングと与謝野さんが言い出した。政治家がこのような新語?を言い出すことは何か後ろめたいことがあると感じた。与謝野さんと言えば財政規律を重んじていた。それが故に出た言葉なのだろう。表向きは低炭素革命といいつつ、どさくさに紛れて庁舎の増改築、防衛省を中心に7万台もデジタルテレビを買ったり、13万台以上もエコ車を買うという信じられない大盤振る舞いが明らかになった。どこにこれほどのテレビや車を使うのか審議の中では明らかでない。与謝野さんも忙しすぎて各省庁の要求を丸呑みした補正予算と推測できる。参議院で反対されても衆議院優先の規定で30日後には成立する。財源はほとんどが赤字国債、14兆円の補正予算は後ほど1世帯25万円の負担となる事を考えるとあまりにもむなしい。
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命の水

2009-05-10 23:38:25 | Weblog
先週末、ある勉強会で東大生産技術研究所の沖博士から水問題について話を聞いた。私の住んでる昭島市は地下水をくみ上げて水道としているので水が美味しい、それで打ったそばも美味しい、近くには水が湧き出している泉もある。そのため、水には以前から関心はあったが世界的な視野からの講義はおもしろかった。先ず、日本は世界でも水に恵まれてる国だということは認識していたが、1年中雨に恵まれる国は珍しいことが世界気候年間変化シュミレーションで判った。雨の降る地域は限られていて、時間的にも偏在する。インド、バングラデッシュのような南アジアはモンスーンの時だけ大量に雨が降り、洪水になるが他の季節は全く降らない。隣の韓国でさえも6,7,8月に雨が集中している。
日本での農業利用の水は年間570億トンで充分まかない残りは海に流れている。しかし日本はそれを上回る640億トンの水を輸入していると聞いて驚いた。そんな大量の水見たことないからだ。博士によるとヴァーチャルウォーターという概念で日本が輸入する小麦、トウモロコシが必要とする水の量や輸入豚、牛が食する餌が育つための水の量を併せたもので目には見えないはずだ。
飲料水は生きるためには絶対必要でアフリカでは水を遠くから汲むために子供がかり出され、学校にも行けないという問題も起きている。日本人は飲料水で1日1~2リットル、水洗トイレ、お風呂が大口で200~300リットル使う世界平均170リットルより多く、エネルギーの消費量とは逆だ。
洗面も流し放しで使うが欧米でこれをやるとひんしゅくをかうとホームスティ経験者から聞いた。いずれにしても水だけは贅沢に使っているが、設備のメンテナンスで水道事業が赤字の自治体が多く、水道料の値上げは必至だ。
最後に砂漠化の話題が出たがこれも誤解が多いらしい。木を植えれば防げるとばかり中国で植林をしたが地下水を吸い上げて地下の岩塩が表面に出てきて効果がない例だとか、砂漠化の主たる原因は過放牧とのこと、
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