行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

土井たか子さんを偲ぶ

2014-09-29 22:55:02 | Weblog

今の若い世代の人には土井たか子といってもぴんとこないと思うが、もし日本に直接投票による大統領制がしかれていたら、1980年代に大統領になっていただろう。当時、そのくらい国民的な人気があった。党首として望んだ89年の参議院選では、駅前で土井委員長が演説を始めると、ものすごい群衆で交通がストップする状況だった。今の各党党首にはそれだけの魅力も力もない。その参議院選挙の最中、私は電機労連の責任者として京都国際会議場で大会設営を担った。土井さんは兵庫2区から選出され、多くの電機工場の労組から推薦を受けていたので電機労連大会には必ず出席され、ホテルや会場の警備、チェック体制はまさに大統領並で、所轄の下賀茂警察署と、綿密な連携を取った。土井さんが泊まるホテルの部屋の両脇の部屋は警備のために空けたほどだ。

私が初めて土井さんにお会いしたのは三菱電機労組大阪支部委員長の時で、支部委員会にお招きして講話をお願いした。白いスーツに赤いバラを胸につけて颯爽と現れ、風のように去って行った。確か40歳だったと思うが同志社の憲法学者と聞いていただけなので、印象は強く残っている。

その後、電機労連が社会党を支持していたので、兵庫2区の土井、堀2候補の選挙はどちらも通すという厳命下、土井さんの選挙応援に駆けつけたことがあった。土井さんの支持母体は女性たちが中心、お金持ちはまずいない。選挙事務所の机、椅子、ソファなどほとんどが当時では珍しいリサイクル品、といってもリサイクルの仕組みもなかった時代、ゴミ捨て場から拾ってきたわけだ。

衆議院議長となられてから、電機労連の幹部と何回か食事をする機会があり、衆議院議長公邸が赤坂にあり、自分の赤坂での戦災談などを話した記憶がある。あんな広い公邸で毎日何をしているのですかと冷やかしたら、「赤坂見附でパチンコよ」だった。

土井さんとは最後まで意見が合わなかったのが原発で、「だめなものはだめ」一点張りだったが今になると、土井さんの言ったことを小泉さんが言っている。

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逸の城で始まり逸の城で終わった秋場所

2014-09-28 22:45:42 | Weblog

秋場所初日14日、このブログで「秋場所の見所怪物逸の城」と書いたが、見所どころか15日間満員御礼の原動力となった。白鵬の優勝は順当で、確かに優勝回数は千代の富士に並んだ。しかし、新大関豪栄道はようやく勝ち越し、期待の稀勢の里は後半ぼろぼろ、人気の遠藤は気力がなく大負け、逸の城の活躍なしには今場所は悲惨なものになっていた。先のブログでは幕内で誰が最初に逸の城に勝つかと書いたが、大関でも横綱でもなく勢が土をつけた、ほかの幕内力士は逸の城に歯が立たず、大関稀勢の里を出してきた。立ち合いから気圧され、稀勢の里は土俵に這いつくばった。それではと豪栄道を出したが力相撲で負け、横綱鶴竜は稀勢の里の2の舞で敗れた。まるで道場破りのようなことになり、ファンは固唾をのんで白鵬戦を見た。相撲界の面目を保つべく白鵬は逸の城を転がし国技館はどよめいた。満員御礼の興行に貢献したが相撲協会としてはほっとしたことだろう。敢闘賞、殊勲賞の両賞を逸の城が獲得したのは当然だ。

これまでプロとアマとの実力の差が歴然としていたのが相撲であったが、逸の城は別格だ。来場所は小結か前頭筆頭となり、上位陣と連日取り組み、おもしろいことになってきた。大型力士同士、たとえば碧山との戦いは馬力の勝負となるし、一方小兵遠藤との戦いも興味深い。千代鳳のような丸い力士はどう取るのか興味は尽きない。

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貧打チーム巨人が優勝したわけ

2014-09-27 21:31:46 | Weblog

今年の巨人は今もって3割打者が現れない。26日現在でセリーグの3割打者は12人、内訳はヤクルト4人、広島、中日、阪神が各2人、DeNaが1人だ。最も打率の高い巨人の選手は長野で297だ。中心打者の阿部に至っては2割5分までいってない。それでも悠々と優勝した。


優勝インタビューで原監督は、貧打のことは言わずにチームの団結力を優勝の原動力とし、中でも守備力をあげた。巨人ではうん億ももらってる選手がごろごろいるのに広島菊池やヤクルト山田の3割打者の後塵を拝し、高給を食む巨人主力選手は月給ドロボーといわれても仕方ない成績だ。
そのかわり、前半負傷欠場していた亀井のように、交流戦でMVPを獲るような活躍をする選手が入れ替わり立ち替わり出てきた。低迷してた太田が終盤になって急に打ち出したり、菅野投手が欠場している間、小山ががんばった。打てない点を補ったのが積極的な走る野球で、ベテラン鈴木は速いだけでなく盗塁には技術が必要なことを見せてくれ得点力を高めた。

寄ってたかってチームワークで優勝したため、MVPを誰にするか難しいことになった。投票する新聞記者もこれには悩むことになる。真のMVPは4番打者を日替わりのごとく換え、毎試合調子のよい選手を見極め、負傷欠場やスランプに陥っている主力選手を引っ込め、2軍から調子のよい選手を引っ張り出した原監督である。コーチからの情報を重視し、起用した選手が結果を出すまで辛抱した忍耐力にも敬意を表したい。

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地方創世は隗より始めよ

2014-09-25 18:35:31 | Weblog
 
信州土産? トルコ産の杏、中国産の花豆

秋空の下、松本、安曇野で英気を養ってきた。松本では素晴らしい展望の鉢伏山に登り、諏訪湖、アルプス、美ヶ原、乗鞍を見渡した。帰路、崖温泉でゆっくりとつかり、安曇野では満開のコスモスが...
 

地方創世は地方の当事者の努力が何よりも必要だ。信州は私の最も行く地方で、アルプスあり、温泉あり、果物、松茸、などなど魅力にあふれている。最近では信州サーモンの次に巨大なイワナを開発したというニュースが流れている。土産物に外国産はいらない。そばの産地としても有名だが付属品?としてのそばの蜂蜜など珍しいので、もっと売り込んでほしい。

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アリババニューヨーク証券取引所上場、チャイニーズドリーム

2014-09-23 22:34:46 | Weblog

中国の電子商取引会社アリババ・グループ・ホールディング19日、ニューヨーク(NY)証券取引所に上場し、公開価格の68ドルを大幅に上回る92.7ドルの初値をつけた。

時価総額は2285億ドル(約23兆円)、アリババは218億ドル(2.2兆円)を調達したことになる。ファイスブックの時価総額2000億円を超え、アップル、グーグル、マイクロソフトに続く規模でトヨタを上回る。会長のマー氏は一介の英語教師から1999年に起業し、今や中国一の富豪となり、出身地の杭州ではアリババに続けと、今やマッシュルームのごとくインターネット関連の起業ブームとなり、アリババの株を持った元従業員は大金が手に入り、それを元手にさらに投資を拡張するというまさにチャイニーズドリームを地でいっている。

日本でも、アリババの株を32%所有するソフトバンクは含み益だけで8兆円、時価総額が9兆8000億円だからいかに大きな金額かわかる。ソフトバンクの株価も急騰した後、昨日は利益を出そうとする動きから533円も下がり、日経平均株価を60円下げ、東証もアリババの影響を受けた。

米国企業以外でこれだけの新規上場規模はなく、歴史的なことだが、現在の金余り現象が背景にあることは否定できない。それにしても共産党一党支配の中国で何故このようなモンスターが出てきたのだろうか?中国の企業の銀行、鉄鋼、石油、鉄道など基幹産業大手は国営企業で独占されている。民間の中小企業がのし上がるにはインターネットを利用した通販しかなかった。高度成長を背景に13億人の巨大市場だから実現できたと言え、経団連が今週200人の企業トップを引き連れ、中国へ乗り込むのも無理はない。

しかし、アリババは中国で成功したが今以上の発展には、アマゾンなどライバルとの厳しい競争が待っている。また、ドル供給の引き締めというリスクもあり、今の膨らんだ株価を維持できるか疑問だ。

もう一つのリスクは、法なき一党独裁では政治リスクもある。ロシアでは富豪が政権ににらまれると逮捕され、資産を没収(最近の例だと90億ドル)されている。アリババは習近平とはうまくやっているようだが、政権が変わるとどうなるか。

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お彼岸の昭和記念公園

2014-09-21 21:48:56 | Weblog

お彼岸の昭和記念公園は久しぶりの秋晴れで、にぎわっていた。

彼岸花、曼珠沙華、木洩れ日の中、何となく花の色がくすんでいた

西花畑のコスモス、ハッピーリングだけが咲いている。10月にかけて他品種も咲き出す。

名のとうりリンクがあざやかだ

パンパス(グラス)、日本名シロガネヨシ、アルゼンチン原産だけあって何となく雄大だ

 

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国際墓地での供養

2014-09-19 22:11:54 | Weblog

お盆に先がけ、18日昭島のボランティア組織で毎年行っている国際墓地参拝に初めて参加した。場所は奥多摩の日ノ出町、山に囲まれた秋川霊園で、外国人の無縁仏を収めている国際墓地、僧侶の読経に始まり、40名をこえる有志で供養をした。その後、戦争と死についての講和があり、平和を祈念した。

外国人と言っても、大半は先の大戦で徴用された韓国人で当時は同国人であった。無縁仏の身元がその後の調査で判明した場合は、韓国厚生省が持ち帰ったが、残された仏様ははるか異国の地で故郷を偲んでいることだろう。日本人も戦後、シベリアでの過酷な労働で亡くなった方も多く、戦争のむごさと政治の浅はかさを再認識した。

韓国では徴用された労働者が日本企業へ補償を求める訴訟が起きているが、調べても徴用労働者(政治的な意図から強制連行労働者という人もいる)が、何人いたのかあやふやで日韓両政府の見解も違う。戦後、長期間、政治の怠慢で調査もきちんと行われてない。未来志向も良いけど、過去のことはきちんと調査をし、犠牲者を供養すべきだろう。

墓碑には友愛という文字が掲げられている。

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消費税10%のハードル

2014-09-17 22:26:10 | Weblog

政府・自民党・日銀はそれぞれ消費税10%へシフトし出した。その根拠は消費税を上げるリスクより上げないリスクの方が大きいと言う理屈だ。上げて景気が落ち込んでも国債を発行し、公共事業なり、給付をするなり対策を取れるが、上げないと国際的にどのような反響が出てくるか判らないし、日本国債が売り浴びせられるかもと危機をにおわす。安倍首相は7~9月のGDP統計の結果を見て判断すると言っているので統計の発表が11月17日だからその時点で決めることになるが、ハードルを越える施策が必要だ。

4~6月の予想外の消費の落ち込みからGDPは7.1%減と消費税増税の反動は予想以上だ。
家計調査より収入を5分位に分けて見ると、消費減となったのは、下位20%以下5.5%減と、20~40%層4%減で、中位40~60%は微増、上位20~40%の消費増が最も高く4%増、上位20%以上も増加した。予想どおり消費税増税は低所得層にもろに影響し、更に2%上げると更に消費に厳しい状況となる。

このハードルを越えるには、低所得者に影響を与えないような施策が必要で、食料品を中心に欧州で行ってる軽減税率導入が不可欠だ。8%の消費税自体食料品に限ればフランスなどの5%を超え、日本の方が高くなってしまった。ビッグデータ処理の時代に税率が複雑化するなどと反対する税理士の団体があるが、ソロバンの時代の発想だ。

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地方創生本部成功へのヒント

2014-09-16 23:04:27 | Weblog

かつて、一村一品運動とか、1億円ばらまきだとか何とか地方を活性化させたいといろいろ試みてきた。各地に道の駅ができたり、金の湯船を温泉地に作ったり、それなりの話題と成果を収めたが、長続きしないことや、雇用を生む効果が少なかったため、元の木阿弥となった。その間、中央政府は地方の陳情を受け、新幹線網を整備してきたが、東京一極集中を是正という(今回も)かけ声とは反対に新幹線の効果はまさにその逆だった。近々開通する北陸新幹線、富山での建設促進ポスターに「新幹線ができればバイオリンのレッスンも日帰りで東京で可能になります」というのがあったが、地方の活性化でなく東京一極集中が促進されることを意味する。富山のバイオリンの先生は仕事がなくなる事になる。

今回の「まち・ひと・しごと創生本部」は地方で雇用を増やすことが基本にならなければならない。それには東京でなく、地元でできることを増やすことが眼目だ。松下幸之助氏は一県一工場という理想を掲げ、松下電器の工場を全県につくることを目指した。家電品は国民が使うものだからブランド力を高めるには工場を日本全国津々浦々建設するという意気込みで1980年代までは成功だった。東日本大震災地に雇用を産むため、コールセンターをと、補助金を投入して民間企業を進出させたが、大部分は失敗して撤退を余儀なくされた。中央政府だけで考え、地元は期待だけという計画がずさんだったのだ。

雇用を増やすには地道な製造業や観光業が基本だが、諸外国ではオランダのチューリップとかフランスのシャンパンなど地方で一大輸出産業を育てた事例もある。松下の工場も相次いで中国など外国に移転しており、これを戻すには中央政府の戦略が必要で、新幹線建設を考えるくらいなら税制特区の新設など簡単だ。観光についてはオリンピック招致以来政府は力を入れ、外国人観光客は円安もあり、順調だ。東京、京都だけでなく温泉という日本特有のリゾートが全国津々浦々にあり、これを武器にしない手はない。要は雇用を増やすためにどんな戦略を立てるか地元を中心に考えることで、国家戦略はこれをバックアップすることに止める。

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秋場所の見所、怪物逸の城

2014-09-14 23:38:43 | Weblog

秋場所が初日から満員御礼で始まった。今回の見所は新大関の豪栄道であることは衆目の一致するところだが、初戦では膝の負傷が完治してないのか足がついて行かず高安の捨て身の突き落としで敗れた。あまりにも勝ちを意識したためで、この負けでリラックスできれば期待できる。

最も私が注目しているのは新入幕の逸の城で、先場所十両では相手の力士が可哀相なくらい強く、鎧袖一触の勝ちが多かった。初日、幕内上位の栃の若への挑戦だったが上手を取るとあっという間に190センチ、170キロの栃の若を投げた。190キロという巨漢でありながら動きも速く、最初に幕内で誰が逸の城に勝つのか楽しみだ。

名寄岩という渋い力士がいたことは子供ではあったが、何となく覚えている。最期は40歳だったようで、今場所では旭天鵬が40歳ながら元気よく隠岐海に勝ち、どこまでやれるかこれまた見所だ。

ブログで相撲を取り上げると妙義龍にふれたが、一直線の押し相撲に魅力を感じていたからだ。残念ながら左目網膜剥離で今場所は休場とのこと、手術は成功と発表があったがじっくりと静養して復活して貰いたい。

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