コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

シュスランの花は ・・・・ その2

2016-09-29 18:11:42 | 登山


午後は冬によく探索した沢へと行ってみます。

沢の法面にはシュスランが多く自生していてアケボノシュスランも見られます。
今までは冬にしか来たことがありませんでしたので当然ここに咲くシュスランの花も
見たことはありません。

一度は見てみたいと思ってはいましたが、あまりにもヒルが多くいるので
どうしても足が向きませんでした。

ここはヒルの生息数はレベル5です(三歩進むと1匹くっ付いてくる)
ましてや雨上り・・・・ 神経戦になる覚悟で行ってみることにします。














長雨の影響でしょうか、冬は水量がほとんどない沢ですが渕を歩くのも
苦労する所が多くヌタ場を歩いているような感じで思うように進めません。

足元を見ていると、かなり素早く登ってこようとするので毎回ストックで叩いて落として
いましたが、チェーンスパイクを付けて沢の水深が浅い所を選んで歩くことにしました。
水に浸かる場所にはヒルがいないので、この方が気を使わなくてすみ多少濡れても気楽でいいです。



何とか自生地周辺に到着しました。

シュスラン、まだ咲いているかな・・・・


















とっくに終わってしまった感じですね。
この先も期待できそうにありませんです。


ミヤマウズラの花も終わりです。












法面には唯一これから花が咲く感じの植物を見つけました。










何だろうか・・・・ もう少し周辺を見てみると開花した株も見つかりました。

これはイヌショウマかな・・・・・














この渓谷で最後の望み、アケボノシュスランに期待することにします。

シュスランの仲間の中では、一番開花が遅く10月になっても残り花に出会うことが
あります。 せっかく来たのだから何とか咲いていてくれると嬉しいのですが・・・・・


渓谷を奥へと進むと法面にはサツマイナモリの群落が続いています。












確かこのサツマイナモリの隙間をアケボノシュスランが埋めている場所があったので
近づいてみます。











咲いていました!


















まだ咲き始めたばかりで、ほんのりと曙色が浮かんで見えます。

法面を覆う群落ですが、咲いている株は少ない印象です。
すぐ近くにもシュスランの群落もありましたが、やはり花は終わっていました。
アケボノシュスランとシュスランの開花時期は半月くらいの時差があるようですね。
けっこう苦労してたどり着いたので、ホット安心してから嬉しさが湧いてきました。



周辺をウロウロしていたからでしょうか、周りにいるヒルに感知されたらしく
スイッチが入ったように勢いよく凄い数のヒルが集まってきました。
一度安全な沢の水の中へ入り衣類をチェックして見ると・・・・・・
首に巻いていたタオルがすでに赤く染まっていました。 (-_-;)

林道や登山道だけでしたらヒルとの接触面は登山靴だけなので足元だけ気をつけていれば
被害はないと思いますが、ヤブ道や沢の倒木帯となると上着やザックなども接触します。
そうなると、目線がとどかない位置での接触になるので、くっ付いてきてもわかりません。
気をつけるといっても限界があります。ある程度は仕方がないかもしれませんね。

袖口はしっかりと閉めて上着から入る隙間は無く、足元は常に監視していて
上からも落ちてくるので帽子も怪しい所を通過したら常にチェックはしています。
顔に付いたら流石に違和感があり直ぐにわかります。

唯一の盲点は、やはり首筋でした・・・・・・前回も同じ経験をしたのに
今回も、これといった対策ができなかったのは失敗でした。
あと帰る途中で足元を良く見ると、イトミミズのようなものがイッパイ付いているのに
気がつきました。
 
屈んで見てみると・・・・・動いている?

・・・・・生まれたばかりのようなヒルの子供でした・・・・・

小さすぎて靴ヒモの間に入ると叩いても落ちないです。
ヒル除けスプレーは途中でなくなってしまい万事休す。 


結局この日は首筋ばかり5カ所もやられていました。
どうりで出血が多い訳で、だんだんとオゾマシイ事件にでも巻き込まれたかのような
感じになってしまいました。

沢沿いを行くとなると倒木帯が必ずありますが、どうもコレが要注意の感じがします。
朽ちた倒木には必ずいます。
しかし、通過するにはどうしても体全体が接触してしまいます。


好きで来ているのだから、しょうがないですね。
来年また対策を考えるとします。


これは私的な感覚ですが、ヒルにやられた後はどれくらい痒くなったり腫れたり
辛くなるか・・・・を比較した感じです。

蜂 > ヤマダニ > ブヨ > ヒル > やぶ蚊

体質にもよるでしょうが、実害は思ったよりも少ない感じがします。
ブヨのように痒くてしょうがなく、熱をもって腫れることもないですし
今のところ感染症の報告もありません。

よく洗ってステロイドを塗っておけば3~4日で気にならなくなってきます。

毎回会っている私は少しだけ慣れてきましたが、初めて遭遇すると
女性などは軟体動物特有の気持ち悪さが恐怖かもしれませんね。

ヒルがいない地域でもシュスラン、アケボノシュスランは見ることができますが
今回はあえて、この場所へ来て見ました。けど、さすがに2度目はないかと思います。

山で疲れたら気兼ねなく腰を下ろして休憩したいですね。
唯一の休憩が沢の水の中というのは、さすがに疲れました。


9月27日






コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久しぶりに房総へ ~ シュスランの花は・・・・

2016-09-29 08:12:52 | 登山


・・・・やっと晴れが期待できそうです。

東名高速は集中工事中、中央高速もアオリをくらって渋滞しそうなので
久しぶりに房総へ行こうと思います。

  ~  シュスランの仲間はまだ咲いているだろうか・・・・・

渓谷に咲くオオシマシュスラン、ハチジョウシュスラン、カゴメランなどは毎年今頃が
丁度いいのですが今年は花の開花が早いので、もう残り花だけになっているまもしれませんね。

久しぶりの晴れの予報でしたので早出をしましたが、アクアラインを渡ると雨がポツポツと・・・
南下するほど雨は本降りになり、到着して待つこと数十分、ようやく雨が上りはじめて
青空も見えはじめてきました。

花が待っているかもしれない・・・・・と期待して出発しますが


・・・・・雨上りのヤブ漕ぎは辛いです。


おまけに朝から真夏の気温と呼吸をするだけでも不快感のある湿気。
どんな山歩きになるか想像できますが、きっと夏もこれが最後になるだろうと
少しだけ感傷的な気持ちで一山越えて渓へと下りましたが、山の中は想像以上に不快な湿気でした。


汗と泥まみれになって渓谷へ到着。 渓谷といっても小川が流れる源流域ですが・・・・


















すぐにオオシマシュスランが目に入ってきました。










やはり下の方の花は終わりかけていますね。


小さな株の花はまだ咲いていましたが、いつも見る大きな背の高い株は残念ながら
花はほとんど終わった状態でした。

















カゴメランはどうだろうか・・・・・

ここの渓谷の主役は、何といってもカゴメランです。



















・・・・・・終わっていました。


一番上の花が一つだけ辛うじて咲き残っている感じかな・・・・・・
今年は随分と早く咲いたようです。


花は咲き終わってはいましたが、雨に濡れたカゴメランの葉はとても美しいです!
どちらかといえば地味な花よりも葉のほうを見たくなる感じさえあります。
シュスランの仲間はどれも美しい葉を持っていますが、特にカゴメランの葉は
観賞用になる美しさを持っています。

いつまでも居てくださいえね・・・・・ほんとうに













この虫に食べられた葉はハチジョウシュスランですね。












花は終わっていますが周辺には咲き残りの株も見つかりました。



























少しでしたが咲き残りの花が見られて良かったです。

車に戻ると青空が広がり真夏のような陽気になっていました。
キンモクセイの香りが漂ってきますが、この陽気と湿気には合わない感じもします。

本格的な真夏の気温になりましたが、午後はもう一カ所探索に行ってきます。








・・・・・つづく。
















コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムギラン、マメヅタラン ~ ジョウロウホトトギス

2016-09-07 19:51:59 | 登山




8月の前半は用事が多く出かけられず、後半は出かけたいけど台風の影響で出かけられず・・・
気が付いたらもう9月、高原ではもう秋の花が盛りでしょうね。
冬に見つけて楽しみにしていた真夏の花は、また来年に持ち越しになりました。

ようやく今日は出かけられそうですが、不安定な天気に加えて真夏の気温、湿度も高い
こんな日の山探索は辛いです。

ヒルに神経を使い、大汗をかきながらヤブを漕いで沢を登ったり降りたり・・・
汗と泥にまみれて、最後は体力も落ちているだろうからヘロヘロになって終了
・・・・考えると楽しいというより少し憂鬱になりそうな山歩きになりそうです。

しかし今月は、どうしても行って見たい・・・・と思っていた場所があります。
また来週の天気もわからないので、今日出かけることにしました。


しばらく出かけていないので体力だけでなく、行こう!という
フットワークも鈍ってしまった感じですが、何とか夜中に起きて
車のエンジンをかけることができました。





      





早朝に着きましたが、やっぱり天気は良くありませんね。
出発前には少し雨も落ちてきました。
一応のヒル対策はしましたが、1~2ヵ所はしょうがないかな・・・・










少し暗い気持ちで歩きはじめましたが、渓谷沿いの道は法面から水が滴り
小滝が幾つも現れて、とても良い感じです。空中湿度が高く汗が噴き出してきますが
タマアジサイ、ホトトギスなど夏と秋の花が混じる道は、とても清涼感があります。
少し薄日も差してきました・・・・・少し足どりも軽くなりました。


























枝沢の奥壁にビッシリと同じ植物が着生しています。
何だろうな・・・ イワタバコより葉は小さい感じです。










歩き進んで行くと、その植物は脇の法面にも着生していました。









これは、イワユキノシタですね。

足元には、シラヒゲソウも咲き始めています。









シラヒゲソウ、イワユキノシタが自生ということで、ここは房総ではありません。
丹沢なら自生していますが丹沢でもなく山梨県の山奥までやってきました。

以前、天子山地でスルガジョウロウホトトギスを探し歩いていた時、この花は富士川を境に
して西の身延山地には自生していないとされてきましたが、40年ほど前に身延山地で初めて
ジョウロウホトトギスが発見されたということをネットで知りました。

山野草の会の人達が、山梨県で初めて見つかったジョウロウホトトギスですので
カイジョウロウホトトギスという名前で、当時採集された株を育てているそうです。
ただそれ以降の情報はネットでいくら検索しても見ることはなく
40年の間、自生の画像は一枚もアップされていませんでした。

きっと何処か奥深い渓谷の奥壁に、ひっそりと自生しているのだろう・・・・
そう思うと何とか探して見つけたくなり、自分の感で何カ所か探索してみようと
思っていました。

しかし今年の夏の同じように、9月は天候が不順な日が多く
房総のシュスランの方に足が向いてしまったりして、行く機会をずっと逃していました。
発見からこんなに長い年月が過ぎても情報がないということは、もうこの山域から
なくなってしまったのかもしれないと思っていた時、昨年ヨッシーさんがついにこの山域で発見しました。

今日はその見つかった場所周辺の沢沿いや尾根を自分なりに探索して見つけてみようと思います。
久しぶりの山歩きですので、まずは稜線のピークまで歩いて、そこから登ったり降りたりしながら
いつものように探索してみようと思います。

渓谷沿いは空中湿度が高く、苔が美しいです。
この奥にはジョウロウホトトギスが住んでいそうな感じは十分します。










食害の影響で林床の花は少なく、森の中もスカスカ状態の所が多いです。
沢沿いや斜面を歩くのにヤブを漕いでいく箇所は少ない感じがします。
途中でチェーンスパイクを付けて急斜面を登ろうとしたら斜面の土が柔らかくて
ズルズルとずり落ちてしまいました。


あちこち寄り道しながら、ようやく稜線に到着しました。
風が通り抜けると汗で濡れた体がヒンヤリして気持ちがいい!ただ雲が厚く展望はありません。

この山域は私がよく探索する房総の山に雰囲気が似ている感じもします・・・ヒルも多いし・・・
ただ山のスケールはもっと大きく渓谷も深いですね。

ジョウロウホトトギスは薄暗い渓谷の奥壁などにいます。ここまで少し探しながら
歩いてきましたが、それらしい花はみつかりませんでした。

空中湿度が高いので周辺の樹々には苔や羊歯が多く着生していました。
いつもの習慣で樹の上の方なども立ち止まりながらチラチラと見ていると・・・・

うん?・・・・・います!  思ってもいませんでしたが着生ランが見えてきました。














羊歯や苔と一緒にムギランが着生しています。

このイタヤカエデの樹には、ビッシリと着生しています。












少し望遠で引っ張ってきます。
















房総でムギランなどが着生している樹は、モミやツガなどの針葉樹が多いのですが
この山域では、カエデやカシなどに着生していました。
特にイタヤカエデは色んな羊歯と一緒に着生しているので、一つの森を見ているようです。

このイタヤカエデ、よく上の方まで双眼鏡で見てみると・・・・
途中から、マメヅタランに変わっていました!









マメヅタランもいるんだ・・・・・・

いつもの様に、ゆっくり眺めていると段々と見えてきました。

この樹にも、ビッシリとマメヅタランがいます。













これくらいの密度で着生していれば、花も見ごたえありそうです。

少し離れた樹には、カヤランも多く着生していました。











山梨県のレッドデータブックには、マメヅタランの記載はなく、ムギランも情報不足
になっていますので、これはこれで貴重な発見になりました。 

たまたま通りかかった場所に着生していたので見つけることができましたが
探せば、まだまだ多く見つかりそうな気がします。
ムギランは他の場所でも確認しました。
ただ探すとなると、この時期はダメですね、房総と同じヒルのいなくなった冬が最適です。
標高もあるので、房総では見ることがない着生ランもいるかもしれませんね。

もう少し近ければ、何度も探索に来ることができるのですが・・・・・






      




少しそれてしまいましたが、目的のジョウロウホトトギスを探しに、
稜線から沢へと下りてみます。何度も試みて、やっと下りやすい場所が見つかりました。








なかなか良さげな谷底に降り立つことができました。

詰ていくと二俣になったので、最初は左側へ・・・・
いい雰囲気なのですが、どうもいないようです。  つづいて右側を詰ていきます。
苔むしたゴロゴロした岩を乗り越えていくと右手の法面に、それらしき株が
下がっているのが見えてきました。











下の岩に多く着生しています!

上の方の株から落ちた種が下の岩の苔に付いたのでしょうね。




















まだ咲き始めたばかりのようです。

下の岩は丁度目線の位置です。














いいですね・・・・この風情がなんともいえません。

この山域で何十年ぶりかに見つけたヨッシーさんは、この垂れ下がる黄色い花を見つけた瞬間は
さぞかし感動されたでしょうね。

スルガと同じで一回り小さい感じがします。これは個体差、地域差などもあるので
一概には何ともいえません。

もう少し奥へと登って見ます。










この花はテコバモミジガサかな?
イワシャジンの株も見つかります。







 
その後は点々と自生していましたが、花はまだ少し早くこれから見頃の株が多い感じでした。


この株は花付がよさそうです。










さらに詰ていくと稜線に上がれそうな感じでしたが少しリスクもありそうでしたので
来た道を戻りました。

帰りにもう一度ゆっくり眺めてから引き上げましたが、このゆっくりの代償は
しっかりありました。

しょうがないですね。 なかなか来ることができないだろうし
眺めていたくなる花です。







9月6日


















コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする