コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

檜洞丸 ~ 富士山とコイワザクラ

2021-04-23 10:42:01 | 登山
春らしい陽気が続いているので、薄暗い森や沢の探索は止めて
今日は青空の下、富士山を眺めながら丹沢の檜洞丸を歩いてきました。
檜洞丸は今年2回目、前回は体力キープを目的に半日で周回してきましたが
今日はコイワザクラも咲き初めていると思うので、Kさんを誘って花を眺めながら
ノンビリ歩いてきました。

西丹沢ビジターセンターには6時過ぎに到着しましたが、すでに正面の駐車場の空は3台でした。
日中日陰になる道路脇スペースに止めて、6時15分出発。
ツツジ新道を登るより用木沢出合からのコースが気に入っていますので
まずは林道を20分少々歩きます。

大室山に朝日が射してきました。









稜線はまだ芽吹いていませんが、麓から中腹にかけて樹々が芽吹き
淡い新緑のグラデーションが綺麗です。














用木沢出合を右に、犬越路までは渡渉もある沢沿いのルートです。
白石沢方面は荒れているようで注意書きがあります。














何ヶ所かに鹿柵がありますが、柵で囲った中と外との違いは一目瞭然です。







もうすっかりスカスカになった森が見慣れた景色になってしまっていますが
私が初めてこのコースを歩いた20年くらい前は、笹や下草を分けて最後の峠道を登った記憶があります。

ヤマウツボを見ながらガラ場を詰めて峠へ・・・・・


















犬越路に到着。まだ神ノ川方面へは通行止めです。

ベンチで休憩・・・・・






多くの登山者はツツジ新道経由で檜洞丸山頂で休憩してから周回するか
ピストンですので、午前中は登山者と出会うことが少ないです。

ここからは富士山を眺めながらの尾根歩き・・・・・












南アルプスから奥秩父、奥多摩方面の眺めも良いです。
今日は空気が乾燥していて遠くまでよく見えます。










時々後ろを振り返るとKさんの姿がなく
ブラブラ先へと歩いていると、しばらくして小走りで追いついてきます。
また居ないな~と思うと、しばらくしてニコニコしながら追いかけてきます。
何か花の写真を撮っているようです。

お互いあまり気を使い過ぎないように・・・・・・・自由で気ままな稜線歩き・・・・















 


木陰のシットリした林床にはマイズルソウが蕾を付けていました。







食害がない頃は、今のように尾根も乾燥していなくて樹々や下草も多く
マイズルソウも今より多く自生していたでしょうね、きっとオノエラン、カモメラン
なども数多く自生していたのだろうと思います。

だんだん痩せ尾根になり岩場が多くなってくると
コイワザクラが出てきます。











































近寄りづらい岩場や斜面だけでなく
登山道沿いにも普通に群生しているので気楽に撮影できます。





























咲き初めたばかりの花は色が濃くて、たんだん時間がたつと薄くなっていくようです。
同じ群落でも咲くのに時差があるのか、濃い薄いが混じることによって
色合いが優しい良い雰囲気になっています。










檜洞丸は晩秋~冬にかけて歩いていましたので
ここでコイワザクラの花を見るのは初めてです。
こんなに多く咲いているとは思っていませんでした。
まだミカケ沢ノ頭~蛭ヶ岳に咲く群落は見たことがないのですが
歩く人が少なく、健脚者でないとなかなか日帰りが厳しい場所ですので
更に素晴らしい群落が見られるかもしれませんね、いつか歩いてみたいです。


気を付けないと踏んでしまいそうな登山道や笹原の中にも点々と咲いていたり・・・・・


















富士山を強引に入れてみました。










撮影中も誰一人通る人もいなくて、静かに撮影できました。
花は丁度見頃だと思います。
蕾も少しありましたが、連休前半くらいまでが良いかと思います。


熊笹ノ峰のベンチで休憩。









檜洞丸山頂までは近いのですが、ここからは階段が続き、山頂は賑わっていそうなので
同じルートを引き返すことにしました。

行では開花していなかったキクザキイチゲの花も開いてきました。









この花も微妙に色が異なり美しい!










富士山とフジザクラ(マメザクラ)















陽ざしが強く汗ばむ陽気でしたが、稜線や沢沿いではヒンヤリした風が通り抜けて
気持ちよく歩くことができました。

駐車場には14時30分着。
まだシロヤシオの季節も歩いたことがないので、一度歩いてみようと思います。



4月21日









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新緑の沢歩き ~ 房総

2021-04-15 14:31:11 | 登山
午後から天気が崩れる予報でしたので
早起きして房総の沢沿いを半日歩いてきました。
山里では田植えが終わり、蛙が賑やかに鳴いていて
すっかり初夏のような景色です。 季節の進みは早いな・・・・













この季節はどこを歩いても楽しいけど、新緑を見上げながら沢沿いに咲く花を
探し歩くのが楽しみの一つです。ゆるやかな水の流れの中を歩きながら、少し薄暗い沢底から
見上げる新緑は、柔らかい葉に陽ざしが注ぎ、その緑が水に写り込んだりして、心やすらぐ気分です。























両側の岩場にはイワタバコや苔、羊歯などがビッシリ着生していたりします。










タニギキョウ、タチツボスミレもいます。








房総らしいU字の溝になった沢が続きます。

ミツバツツジは終わり、ヒメウツギが垂れ下がっていて見頃でした。















片側が杉や竹林になったりすると、一段上にエビネなどが住んでいます。
























咲いている株は半分ほど・・・・
ようやく蕾が上がってきた株もあって開花には個体差があります。

クマガイソウもまだ蕾。








嬉しいことに、私の好きな緑色のエビネに出会いました。

どの株も葉ッパを常に食べられているので、十分に成長しきれない為なのか小さな株が多いです。
ヒメエビネとでも名前を付けましょうか・・・・・見た目は可愛らしいのですが本来の姿ではないです。















ところどころ、ナツエビネも住んでいます。










薄暗い法面の上に透き通るようなギンリョウソウの群落を見つけました。




















まだ全然傷みがない状態で、何とも美しい!

沢床の下から見上げるように観察できたのが良かったです。



一段上の水溜りにオタマジャクシの大群が・・・・その先にもいて、ものすごい数です。







杉林の中には、とぐろを巻いたアオダイショウ・・・・・・優しい目をしていますね。








生き物も活動をはじめた感じです。

やっかいなヤマビルも目覚めています。
ヘビは襲ってきませんが、こいつらは油断できません。
水の流の中を歩いている時は安心ですが、撮影している時は要注意です。
幸い今回は大丈夫でしたが、きっと今年もナツエビネ、カシノキランの時期にやられそうです。


半日でしたが沢沿いの景色は、いろいろと疲れた体には優しいです。
沢を歩くと、その季節をより身近に感じることができるような気がしました。



4月13日



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春の奥久慈探索

2021-04-08 07:06:12 | 登山
散り始めた桜を見ながら、車で山里の集落を抜けながら走っていくと
樹々が芽吹きはじめて野花が咲く、のどかな集落の登山口に着きました。










今日はKさんと一緒にイワウチワの花を見ながら
岩場の着生ランを探し歩く予定ですが
とても静かな桃源郷のような里の景色を目の前にすると、まずは周辺の散策へと
足が向いてしました。

























スミレが咲く農道を歩くと、カテンソウ、ミヤマハコベ? 

今日は少々危険も伴うハードな探索を予定していますが、こんな静かな山里でしたら
半日くらい散策しても楽しいと思います。




・-・-・-・-・-・-・-





稜線はまだ芽吹いてなく、山桜が見頃でした。

奥久慈にアカヤシオがないのが残念です・・・・シロヤシオはあります。






















イワウチワの花は見頃をやや過ぎた感じでしたが
斜面に点々と咲いています。







奥久慈を歩けば普通に見られる花ですが、斜面を覆うような群落には
出会いませんでした。










一般ルートですが篭岩山へ向かうキレットは要注意です。
太いフジの蔓とやや劣化したトラロープ、支点にしている樹もグラグラで抜けそうな感じです。
ロープを持つ手に体重を掛けてよいものやら・・・・・
特に下る時は足場も少ないので慎重に。















途中から湯沢峡の源頭へ下りましたが
私がルートミスしたので再び登り返す羽目になってしまった (-_-;)

エ~、何とか下りた激坂をまた登り返すのですか・・・・なんてことはKさん言わず
これも楽しいです と言ってくれたので助かりました。
もともと探求心と体力を持っている方なので安心です。

稜線と違い谷底ではネコノメソウが多く見られ、房総の渓谷のように
苔や羊歯が綺麗でした。








ツルネコノメソウ、葉ッパが可愛らしい。

















ニッコウネコノメソウかな・・・・












対岸から見えた岩尾根へと向かいます。









今日は冷たい風が吹いていて快適でしたが、夏にはヤブも濃くなり辛い道になりそうです。

ここにはムギランが多く着生していました。


















這い上がった岩壁にはマメヅタランの大群落

















そのうち岩場全体を覆う勢いを感じます。











今回も岩場に着生するカヤランを何株か見つけました。

















蕾も確認できます。

絶景に咲く花景色も見てみたいです。

近くにマメヅタランもいました。









きっとウチョウラン、ヒナランも住んでいる雰囲気ですので
夏にまた再訪してみたいと思います。


4月6日










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御坂山地 ~ 早春の花

2021-04-02 13:08:56 | 登山


樹海を探索した後は御坂の山を久しぶりに歩きました。
晴れた天気ですが、富士山は黄砂の影響でスリガラス越しに見るような感じです。









御坂山地は10年位前に歩いていた頃は、植生がとても豊かな山域でしたが
数年前から食害が深刻で、以前とは森の様子が随分違う山になってしまいました。
景色を楽しみに山頂を目指す登山者なら気にかけることもないと思いますが
植物観察を兼ねて・・・・となると年々寂しくなってきます。

それでも富士南麓ほど壊滅的ではないので、見られる花があります。














ヒトリシズカ、ウスバサイシン

可愛らしいヒメニラは至る所で見ることができました。










至る所で見られる = 鹿が好まない
ということでしょうね。ニラ臭が苦手なのかもしれません。
あと丹沢でもキクザキイチゲなとスプリングエフェメラルは見ますので
さっさと早春に咲いて、すぐに消える植物は生き残りやすいのかもしれないです。

カタクリの群落はありますが、花を見つけたのは一株だけでした。
よく見ていくと蕾だけ食べられていました。










それでも冬枯れの森に一株だけでもカタクリの花が咲いていると嬉しいです。

コバイモは以前に訪れた時と変わらないくらい見かけました。
ここに自生しているコバイモはコシノコバイモというタイプです。
隔離分布というのでしょうか、新潟なと日本海側に自生している種類です。










葉の色が落葉と同じ色の株もいて、一見しても何処にいるのか、わからない時もあります。












コバイモを見つけるには幼葉を探した方が見つけやすいです。

これが幼葉、カタクリの幼葉に似た感じがします。
花を付けた株よりも目線に入ってきます。










この葉っぱを見つけると周辺には花を付けた親がいます。
















コバイモは何ともいえない風情が気に入って、
静岡県境の山を南部の白鳥山あたりから身延山周辺まで探し歩いたことがありました。
多い少ないの差はありましたが、どの山でも比較的見る事ができました。
多くはカイコバイモという種類で、一カ所だけ、カイコバイモとコシノコバイモの
両方がみられた所もありました・・・・・・

今日は黄砂が多く飛んでいるようですので、縦走しながら探索するのは止めて
少し早いですが帰ることにします。思っていた以上に春の花が見られて良かったです。


3月30日





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