コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

ヨウラクランの花

2019-05-31 06:59:46 | 登山



今日、山奥を歩いている時に花を付けたヨウラクランを数株見つけました。












花が咲いていたので歩いていても気が付きましたが、ヨウラクランは花がない時期は
よほどの大株以外は立ち止まって慎重に樹の上を見て行かないと見つけることが
難しい着生ランです。











多肉質の葉に、小さな花をいっぱい付けたヒモ状の花序が垂れ下がっている花景色は
以前からとても気になっていた着生ランです。
一時期、高尾山を歩きながら何度も見上げては探していましたが、
樹の上に垂れ下がる花は見つけられませんでした。

美しく垂れ下る花景色を見られるようになったのは、本格的に房総丘陵を歩くようになってからです。
最初の頃は山奥ばかりで探していましたが、最近は沢沿いの道や寺社林の方が出会う機会が多くなりました。
以来、毎年花が咲くのを楽しみにしています。

花の色、花序の長さはさまざまで、その場その場で見る花景色は美しく
今日は違う森も寄り道して花景色を見てきました。











ここには、アオバナヨウラクランが右側に一株、左下にも一株います。

違う場所でもアオバナヨウラクランを見ることができます。


























ここの花は赤みが濃いです。


















見上げる角度を変えてみると光が透けて美しいです。












小さな花が集まっている感じが見えます。























同じ感じの株はなく、景気も変わるので見飽きることもなく眺めていました。

















最近、房総では見上げて見る観察が多くなりました。


5月28日







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咲きはじめたマメヅタラン ~ 房総丘陵

2019-05-29 17:57:10 | 登山



そろそろマメヅタランが咲きはじめたと思い今日は房総丘陵へ。

もし前日、前々日に雨が降ったら諦めて、富士周辺へでも行こうと思っていました。
なにせヤマビルが多く、しかも長く歩くバリルートですので、終始足元に気を使いながら歩くのは
楽しくないし、とにかく疲れるのです。

幸い1週間ほど降雨がなく、ここ数日は猛暑で林床は乾燥していて落葉はカサカサに乾いていると思います。

今日もさわやかな明方から歩きはじめました。5月の猛暑も一段落して風もあり涼しい朝です。
常緑樹も新しい葉を付けて房総らしい濃い緑の樹々に覆われた照葉の森になってきました。
















思っていたとうり森の中は乾燥していてカサカサと積った落葉の上を歩いて行きます。
以前に見つけた岩場に着生していたマメヅタランの自生地、これなら安心して行けそうです。
何度も探し歩いて、ようやく見つけた目線の位置で観察できる場所ですが
条件が折り合わず、まだ一度も花を見に行っていませんでした。
巨木も多い痩せ尾根を目的地へ・・・・









この時期に咲いている花はトベラ、アリドオシくらいです。
















オオバノトンボソウの葉は乾燥した森の中でも点々といますが、この時期に見かける
ムヨウランは一株も見かけませんでした。












雨が少なく乾燥している影響でしょうか
ただヤマビルもまったく見かけませんので足元を気にする必要もなく
ノンビリと深い森の中を樹々を見上げながら気楽に歩いて行けます。

マメヅタが多い森にはヨウラクランが見られました。
冬には気が付きませんでしたが、長い花序のおかげて目につきます。
ここなどは葉だけでは見つけることが難しい場所です。











いつも最初に出会うマメヅタランが開花しているのか目安にしている樹に到着しました。












うん、咲きはじめていますね。色の変化で分ります。

樹の根を掴みながら、更に奥の自生地へと向かいます。

尾根の上に自生する大きなモミの樹にはマメヅタランが付いています。









この樹は良い感じに付いていますね。
裏側にも多く足元に張り出した樹の根に登ると脚立でもあれば届きそうです。

















花付きも良く咲きだしています




























この樹にも多く付いています。

上の方から咲きだしている感じです。






















ここに咲くマメヅタランは花の唇弁に赤い斑紋がないタイプですね。

他の樹にも着生していますが、先を急ぎます。
湿り気のある場所を通ると落葉の先にヤマビルがいるのが見えました。
やはり湿った林内にはいますね。足早に過ぎようとしたら目の前に樹に大きな青大将が絡んでいました。



















おとなしいヘビですので近寄ってもすぐに逃げていきません。

触ろうとしたら、ゆっくりと樹の隙間に入っていきました。
このあたりにはカシノキランもいる豊かな森です。














急傾斜なトラバースを過ぎて、ようやく岩場が現れてきました。














冬に来た時は切り立った岩場で下を見ると切れ落ちていましたが
この時期は樹々の葉が伸びてきていますので、下の方は覆い隠され高度感がありませんです。























いますね、

腹ばいになって腕を伸ばし、バリアングルの液晶を見ながらの撮影になります・・・・
しかし、どうも上手く撮影できません。短いザイルを後ろの岩場に掛けて
慎重に少しだけ下りて撮影しました。
















































花はとても小さいです。























岩場に咲く良い景色がとれました。




















奥久慈では何ヶ所もこんな自生地を見つけましたが、房総丘陵ではここだけです。
岩場を覆いつくすほどの景色ではないのですが貴重な自生地です。



・・・・・・ヨウラクランも見頃でしたので次にアップします・・・・・

つづく




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コイワザクラは見頃に・・・

2019-05-24 06:08:32 | 登山


・・・前回の続きになります。

車で移動していると雲が取れて晴れ間が広がり、南アルプスが見えてきました。
北側斜面を見ているので、八ヶ岳と比べると残雪がまだ多く見られます。

















カラッとした5月らしいとても良い天気になりました。高原にはヤマナシの花が咲いています。
車を止めて山々を見ていると、このまま予定を変更して天狗岳か権現岳へでも登りたくなってしまいました。











ただ今日は中央高速が夕方5時から集中工事(八王子~高井戸)ですので
午後3時前には帰途につかないと渋滞にはまる為、山は何時かまた機会があればと思います。






      






渓谷を上流へと向かうとコイワザクラは綺麗に咲いていました。
足元から高い位置まで点々と咲いています。


















































ネットで調べると各地の自生地の情報が正確にアップされている時代ですので
あえて探し歩いて見に行く花ではなくなりましたが、深い山奥を歩いていて、この花に偶然に出会った時の
感動と嬉しさは今でも良く覚えています。

・・・・霧の中で大きな岩の上に、かすかなピンク色の花が咲いているの見つけたドンドコ沢

・・・・丁目石を確認しながらのバリルートを登っていた時、ルートミスをしたのが
良かったのか、見上げる岩場に点々と咲いていた三ツ峠山・・・・

ここの自生地も初めて来たのは90年頃でした。
散策路の岩場で偶然この花が咲いているのを見つけて夢中でシャッターを押していた時
出会った登山者の方が、この沢の上流には幾らでも咲いていると教えてもらいました。

今日は昨日の雨の為、なかなか渡渉が難しい個所もありましたが
何とかギリギリ・・・・・という感じでした。
上って行くとコイワザクラも咲きはじめの新鮮な状態で見ることができました。




























ここ八ヶ岳や南アルプスに咲くコイワザクラは変種のクモイコザクラとなっています。

丹沢、箱根、愛鷹山に咲くのはコイワザクラで御坂周辺も以前はコイワザクラと書いたレポを
よく見ていましたが、最近はクモイコザクラに近い花もあるそうです。
以前に御坂山地に咲くコイワザクラを一つ一つ観察されたレポを見たことがありますが
どちらとも言えない中間のような株もあって、正確に同定するのは難しい・・・と書かれていました。
自然に咲く花ですので、ここからはと線で引くようには区切ることは難しいでしょうね。


苔むした森に咲くホテイランと渓谷の岩に咲くコイワザクラを一日で
見ることができるなんて花好きな人からは、何と贅沢な・・・・と言われそうですが
ホテイランとコイワザクラは開花時期も同じくらいで、自生地も近かったりするのです。
花というより周辺の雰囲気、花景色がいいですね。

いつも帰ってきて写真整理をしていると、もっとゆっくり花を眺めていればよかったな~と
毎回少し後悔しています。






5月22日








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咲きはじめたホテイラン ~ 八ヶ岳

2019-05-22 21:17:44 | 登山

ホテイランが咲きはじめたと思い八ヶ岳を歩いてきました。

明方の気温は8度、ヒンヤリとした空気に包まれて出発します。
5月に入っても気温が上がらなくて雪解けも遅れているせいか花も遅れていそうです。
いつもの年ならズミ、エゾノコリンゴなどの花が咲きはじめているのですが
いづれの花も蕾の状態で花は見られませんでした。
カラマツ、白樺などの樹々がようやく芽吹きはじめたという感じで、
足元にはタチツボスミレがまだ花盛りです。

まだ少し早いかも・・・・と心配もしますが、ホテイランの花は意外と早く咲きます。
以前はバイカオウレンとのコラボを見たこともありました。
カモメランやイチヨウランより一足、二足くらい開花が早いのです。


シットリと苔むした森へ・・・・
















昨日の雨で苔が水分を含み、森全体が瑞々しい感じです。

ヒメイチゲはそろそろ終わり、イチヨウランの蕾が立ち上がってきました。
















最初に見つけた花・・・・・マイヅルソウの中に隠れていました。











その後は点々と咲いている様子が見えてきました。
























少し標高を上げて行くと花が見られなくなってきました。
注意深く林床に目をやると、まだ蕾の株が多い感じです。










見頃はこれからですね。

例年と比べると1週間くらい遅れている感じがします。
ただオウレンは果実ができています。きっと連休あたりから気温が低い日が続いたのでしょう。
林床にはミヤマスミレ、ヒメスミレサイシンなどが多く咲いていました。
ヒメスミレサイシンの葉は花が咲いてもまだ丸まっています。

















写真に収めるだけでは何となくまだ物足りない気がするので、花の横に
すわり込んでお茶を飲みながら、しばらく眺めていました。
・・・・・今年も見ることができて良かった。








これ以上登っても咲いているのはウスギオウレンくらいですので
場所を変えてコイワザクラでも見に行こうと思います。


・・・・・つづく









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房総散策 ~ 仕事疲れをリフレッシュ

2019-05-08 17:14:10 | 登山


長い連休も終わり、ようやく何処か歩きに出かけられるようになりました。
仕事疲れで遠出する気力がなく、近場で花でも見ながらノンビリ一日歩けば
疲れも取れてリフレッシュできるだろうと、今回は房総丘陵を一日歩いてきました。

寒気が入って朝は肌寒く、歩くのには丁度良い気温です。
早朝、新緑の林道を小鳥の囀りを聞きながら歩いていると、それだけで、もうすっかり
リフレッシュできた感じがします。途中の橋の上から渓谷を見下ろすと樹々の緑も綺麗です。










ホオノキの蕾も膨らんでいます。










都心では終わってしまったフジの花もまだ見頃。










白いフジの花も見かけました。
花期が少し遅いようです・・・・人によって植えられたのかもしれません。










気になる花があるので林道から渓谷へと下りてみました。








コミヤマスミレ、葉ッパは時々見かけるのですが花を見たのは数年前に一度きり。
今年も咲いていませんでした。ヒナスミレと同じで株は何度も見ますが
花を咲かせることが房総丘陵では希なようです。

早朝まで雨が降っていたので森の中はシットリしています。気温が低いので
蒸し暑くなく樹々の緑が瑞々しい感じがします。
足元を警戒しながら森を見上げて歩いていると、花序を垂らしたヨウラクランを
よく見るようになってきました。
少し色づいた花序が長くなってきたので、樹の隙間に隠れていても
シルエットで何となくわかります。






















カヤランも見かけます。










里のエビネの花は終盤で元気がなかったので
標高を上げて山に咲くエビネを見てきました。








この花は蕾の時にカジラレましたね。
2~3年前から食害の影響が深刻になってきた山ですが
今回歩いてみると、小さな葉ッパだけで花が咲かなくなった群落も多くなっててきました。

それでも見られた花がまだ少しありました。







































真ん中の倒木を持ち上げて撤去しました。
来年は気持ちよく大株になってくれると良いのですが・・・・

この山にはクマガイソウの自生地が3か所ほどあるので様子を見てみます。








ここは以前に何度も咲いた花を紹介した自生地ですが消滅も近い感じです。

次の自生地は葉ッパすら見当たらなくて何度もウロウロして探したら・・・・









かじられた葉が一枚だけ見つかりました。

最後の場所は一株だけ花が咲いたようです。
今年の開花は早かったのですね、ただここも残るのは厳しい感じがします。
全体に感じるのは、藪がなくなり森の中が明るくなってきたということです。









人里近くの自生地は、人間をまだ警戒しているのか、何とか生き残っている場所もありますが
人里離れた山奥の貴重な花の自生地は食害で消滅する日も近いかもしれません。

最近は着生ラン以外は食害の現状報告みたいになっていますが
房総丘陵を奥深く歩いて植物観察する人は少ないと思い書いています。
広大な敷地を持ち、人の立ち入りを禁じている東大演習林の中なども
フェンスなどはないので貴重な植物はとっくに消滅していると思います。





      





この日の午後は寒気の影響で所々で雷雨が発生して
途中の神社で雨宿りしました。


境内のコケが雨に濡れてイキイキしています。









小雨になったので、杉林の中のエビネに立ち寄ってきました。

薄暗い杉林の中の方が落ち着いた写真を撮れましたね・・・









・-・-・-・-・-・・・・・・






      









10連休中の一日、退屈している息子を連れて高尾山をナイトハイクしてきました。
あいにく曇りの天気で影信山での夜明けは見られませんでしたが
明方まだ薄暗い森の中を歩いている時にシカの気配を感じました。
すでに数頭確認されているらしいのですが、現状はもっと多いのでは・・・・と思います。
多くの人が植物観察をしている山ですが、ネットで見る限りでは今のところ
食害の被害などのレポは見かけていません。しかし若葉の先を食べられた痕を見かける
ようになってくると、その先は奥多摩と同じようになってしまう気がします。
高尾山、昔は多様な植物の宝庫でした・・・・てなことにならないと良いのですが・・・





5月7日



























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