コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

夜明け前の富士山へ

2021-09-23 16:37:52 | 登山

花の季節が終わる頃になると毎年登っていた秋の富士山。
昨年は登ることができなかったので、2年ぶりに登ってきました。
明方の気象条件が良かったので、久しぶりに夜明け前の山頂を目指して
ナイトクライミングに決めました。

PM7時に自宅を出発。
連休最終日、上りの高速道路渋滞を横目に下り御殿場方面はガラガラです。
9時40分、富士宮口五合目駐車場に到着しました。

すでに一番上の駐車場は8割ほど埋っています。
夜景を見にくるカップルの車はなく、明日の早朝に出発する登山者の車が
殆どだと思います。

登山道を見上げると、私と同じ夜明け前の富士山頂を目指す登山者の
明かりが見えました。

日の出は5時30分、5時頃に到着すれば良いので、車の中で少し横になり
PM11時20分スタート

闇の中の森を歩くのとは違い、スタートからさえぎる樹々もない富士宮ルート
明日は中秋の名月ですので、すでに満月に近い月がこうこうと照らしています。

ほんとうは新月に近い闇の中を満点の星空を眺めながら登るのが魅力なのですが
ほぼ満月の月ですので、夜景を眺めながらマイペースで行くことにします。
















西の都心方面、東の富士市方面の夜景です。
スタートの気温は9~10度、風は弱くて暖かいです。
汗をかかないように薄着で行きます。

影ができるほどの月灯り、眩しいというのはオーバーですが
ヘッデンは必要なくて新6合で仕舞いました。

ロウソクや行燈しかなかった昔は、この月灯りがどれほど
頼もしかったことでしょうね・・・・・・



オリオン座が上がってきました。

シリウスも見えます。














高尾山のナイトクライミングですと、物音にドキッとしたり
何かが居るような気配を感じで振り向いたり・・・・・神経が研ぎ澄まされていて
常に緊張感をもって歩いていましたが、今日の富士山は月灯りで良く見渡せて
前後に人もいなく、静寂に包まれていて緊張感はまったくありません。

余計な物が目に入ってくることもなく、夜空に月、星、夜景のみ・・・・・
気分的にとても開放感があり、心身ともにリラックスして登っています。


・・・・・・・8合目通過









九合目、お腹が空いたのでベンチで大休止
ここまで来れればもう大丈夫ですので、しばらくゴロゴロ・・・・・





ドーナッツの袋がパンパンです。











九合五尺小屋を通過・・・・

月が西に傾いて地面を照らさなくなってきたので、再びヘッデンを出しました。
この先の山頂までの登山道が落石防止工事の為、通行止めの看板がありました。
重機も上がっていて大規模な補修工事のようです。まだ工事も始まっていないので
そのまま脇を登りましたが、下がザクザクになっていて登り辛くて、リズムを壊して
今日初めて息が上がりました。

ここは遠回りですがブル道の方が良さそうです。



鳥居が見えてきました。もうすぐ到着です・・・・・地平線のグラデーションが美しい!

御来光より、この景色が見たかった。










剣ヶ峰へ向かいます。

























マイペースでゆるゆる登り、出発から5時間45分でした。


山頂は、私を入れて5~6人だったかな・・・・・・

単独の男性のみ、みんな静かに夜明けを待ちます。























反対側の西の空、影富士の脇、南アルプスに月が沈みます。
















街中で沈む月を眺めると、とても月が大きい印象でが
ここ富士山頂からでは米粒のように小さく見えます。


今日は暖かい南の空気に覆われているので、シャキーンと晴れ渡る
景色ではなくボンヤリと少し霞んだ風景です。







































お日様が昇ってからは眩しくて見ていられません。

刻々と変化がある影富士側へ。















影のシルエットがハッキリしてきました。
















山頂から影富士を見るのは初めてです。

しばらく見入ってしまいました。

























6時になりました。

帰路につきます。 お鉢巡りはまた今度・・・・・

九合五尺までブル道経由で帰ります。






















登ってくる登山者と多くすれ違いました。
気温も上がり、太陽熱の力を感じます。










九合目あたりでイワツメクサの残り花

8合目付近からオンタデを見ます。いずれ火口付近まで来そうな勢いです。








6合目から下、オンタデの草紅葉が見頃です。

カラマツの紅葉はこれからです。

















帰りは早く、2時間40分でした。


若い頃と違って、仕事を終えてから寝ないで登れるかどうか心配でしたが
思ったより余力を残して下りてきました。

ここ2回ほど、丹沢である程度の距離を歩いてきたからかもしれませんが
今太陽の日射しを受けて下りてきた印象ですと、暗くてヒンヤリとした夜の空気の中を
落ち着いて登るのと、日射しを受けて汗をかき登るのとでは、体力の消耗が全然違います。

久しぶりのナイトクライミングが
とても体力を温存できた省エネ登山だったような気がします。












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ユーシン渓谷 ~ シラヒゲソウ・・・

2021-09-17 06:58:23 | 登山



どんよりとした曇り空で、不安定な天気でしたが
何とか歩けそうな感じでしたので
なるなるさんと、渓谷に咲く花を見ながらユーシン渓谷へ・・・・・








寄大橋の駐車スペースに車を止め、登山届を入れて出発。
先週と違い、今回は止まっている車はありませんでした。
昨年は崩落していた林道も修復されていて問題ありません。

終始沢沿いを歩きますので、渡渉を繰り返していきます。
大雨の影響でルートが荒れたりしていますが、渡渉ポイントには
ピンクリボンがあり、ルートがわかりづらい場所にも点々と目立つ所に
リボンが掛かっていて迷うようなことはないかと思います。









一本の丸太を渡るのは、それなりにバランス感覚が必要ですので
渡りやすい飛び石を見つけた方が良いような気もします。










コシバ沢を横切って、最後は清らかな沢の中を詰めていきますが
それなりに荒れている箇所もあります。新しい木橋がまた微妙に傾いてしまいました。

















崩落して上から落ちてきた壊れたハシゴ。
元あった場所には、代わりにロープが垂れ下っていました。

両側が狭まってくると湿った法面にシラヒゲソウが咲いています。


























まだ少ないですがイワシャジンも咲き初め・・・・
・・・・見頃は10月に入ってからでしょう。





















渓谷は静寂に包まれていて、心地よい風が抜けていきます。
横を流れる沢音を聞きながら、ゆれる花をボーッと見ているだけで心安らきます。 (´_ゝ`)


雨山峠で休憩してユーシン渓谷へ下っていきます。










ここからユーシンまでは渓谷の斜面に付けられた道を行きますが
何ヶ所かで沢へ下りたり、また上ったり・・・・・・
斜面に付けられた道が崩落している場所もあるので滑落の危険個所もあります。

以前よりも、リスクを伴うバリルートに近い状態になっていますので
注意が必要です。









渓谷の景色は素晴らしいです。両側の法面はイワタバコで覆われています。
花殻も多く見つけたので、咲いた時の景色は素晴らしかったことでしょう。























約1年ぶりのユーシン渓谷

ハナゼキショウの花は終わり、ビランジは残り花























壊れた植生保護柵が空しい・・・・










久しぶりにユーシンロッジへ寄ってみました。




















ずいぶんと時が過ぎて行ったんだな~という感じです。

登山訓練所も立派な建物でしたが、ユーシンロッジもこの山奥にしては
とてもモダンな造りに思えました。
廃墟になる前に取り壊して、三ノ搭の休憩小屋みたいに明るい避難小屋に
建て替えてもらえたら嬉しいです。



        





鍋割山北尾根経由で帰る予定でしたが、雨がパラついてきたので
来た道をもどりました。









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クチベニタケ と ハンカイシオガマ

2021-09-10 19:27:08 | 登山

前回の続きになります。



今年の花の付き具合は例年よりも多い感じがします。
食害を受けないので株が減ることはないだろうし
深い渓谷の中だと温暖化の影響も少ないのかもしれません。










ある程度降りたら花が咲いていそうな枝沢へ入ったりしながら
ゆっくり登り返していきます。

岩場の不安定な所に多く咲いているのが見えたので、足場に気をつけながら
トラバースしている時、なるなるさんが・・・私の好きなクチベニタケがいる・・・
と教えてくれました。

クチベニタケ? どんなキノコかな~と見てみると

















なるほど・・・名前どうりの印象です。

周辺を探すと渓谷の傾斜地に点々といました。















小さくコロコロと転がっていて可愛らしいキノコです。
赤い部分が幾何学的に盛り上がっていて、人が作った小さな和菓子のような感じもして
つまんで食べられるような気もします。
調べてみたら、よく似た感じのホオベニタケという種類もあるようです。
帰ってから写真をよく見てみると、ホオベニタケのような微妙なタイプもあって
見きわめるのは難しそうです。









・-・-・-・-・-・-・-・-・






稜線に戻ると天候も回復してきて青空も広がってきました。











ハンカイシオガマの群生地に寄り道。























鹿の忌避植物なのでしょうね、一面に群生している場所があります。
















ススキの穂も伸びて、気持ちの良い秋の景色になりました。










登山道では久しぶりに多くの登山者に会いました。

2021年度には新東名高速の伊勢原大山~秦野間が開通する予定で
都心から丹沢へのアクセスがとても便利になります。

大倉登山口の近くにはサービスエリアとスマートインターもできるそうです。
すでに、それを見越して東京駅から大倉登山口への直通運転の定期バスも
運行されているようです。

そうなると、ますます表尾根の登山者も増えるでしょうね。
それもあってか尾根道は、ほぼ安全な木道になっています。
これならヒルの心配ないでしょう。

来年以降はジョウロウホトトギスを見に行くのもセドノ沢や
水無川本谷周辺になりそうです。








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霧雨のジョウロウホトトギス

2021-09-09 06:08:14 | 登山


8月も終わり、急に秋めいてきて涼しくなりました。
9月の初旬は毎年ジョウロウホトトギスを見に行っています。

以前は新たな自生地を探しながら探索していて、次は愛鷹山山系を
探索する予定でいましたが、最近は探す熱が少し冷めてきて
丹沢のサガミジョウロウホトトギスを気楽に見に行っています。

またいつか興味が湧き、ギアを上げて探索する日が来るかとは思っています。

今日は久しぶりに晴れる予報になったので、なるなるさんを誘って
丹沢の表尾根を歩き、サガミジョウロウホトトギスや初秋の花を見ながら
久しぶりに気持ちよく登山を楽しもうと思います。

日の出の時間に東名高速を走っていると、初冠雪した富士山が見えました。
規制が終わっていれば、このまま5合目へ行き山頂まで行きたい気分です。
今年の夏は都心から富士山が見える日が少なかったです・・・・ということは
ご来光が見られる登山日和も少なかったでしょうね。









菩薩峠の駐車場に到着すると
珍しくすでに十数台の車が止まっていました。いつもは3~4台くらいです。
気温も低めですので、あまり汗をかくこともなく爽やかな尾根歩きができると
期待していましたが、稜線は流れる雲が常にかかり続けていて
三ノ搭に到着すると霧雨で風も強いので、いったん小屋に入って休憩・・・・・
この時期は秋雨前線が停滞していることが多いので、前線の位置によって残暑が厳しいか
ぐずついて霧雨のような日が多い気がします。

雨具を付けるほどではないので、休憩したら出発します。
ジョウロウホトトギスは風があると撮影しずらいので
なんとか風は収まってほしいです。

1年ぶりの表尾根、ずいぶんとススキが勢力を増してきて登山道を覆ってきました。









相変わらず、食圧で矮小化した植物しか見ないのですが
それなりに鹿の頭数制限の効果がでてきているのでしょうか・・・・



・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・






いつものようにチェーンスパイクを付け、気をつけて渓へ降りていきます。
渓が深くなり、まわりが薄暗くなると切り立った崖に黄色い花が見えてきます。





























風も徐々に収まってきました。
見上げて撮影することが多いので、快晴よりも渓に霧が立ち込めていて
ぼんやりと乳白色の空気に包まれた方が幻想的で良い感じに撮影できます。

































深山の渓谷に垂れ下がって咲く景色は見飽きません。
やはり毎年見に来たくなる花風景です。これからイワシャジンも咲いてきます。

見上げてみるだけでなく、手近な場所にも垂れ下がって
咲いていますので手にとって観察できます。












・・・・・・・つづく









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夏の終わり ~ もう一度房総へ

2021-09-02 15:14:19 | 登山

早朝から蒸し暑く、山を歩くには辛い日でしたが
もう一度ナツエビネを見に行ってみようと、房総丘陵を半日歩いてきました。

南房総の山間の集落の中を車で走ると、この時期カンナの花がとても目につきます。
冬でも温暖な土地ですので、手入れしなくても増えていくのでしょうね。

棚田の稲刈りも進んで、暑かった夏も終わりが見えてきた感じがします。










風の通らない沢沿いは、汗が目に入って辛く
相変わらずひたすらガマンの歩きになります。








こうしてブログをアップしている今日はとても涼しくて
きっと大汗かいて歩くのも最後になったかもしれないなから
夏を惜しんでの山歩きも良かったかな~と、今は気楽に思っていますが
歩いている時は湿気で息苦しいだけで、もうこれを最後にしようと決めていました。











沢沿いにはアケボノシュスランが花芽を付けています。











今年は例年より開花が早そうです。

これはクマガイソウの葉ですね。











オオシマシュスラン、シュスランも咲き初めています。















場所は違いますが、この夏は毎回シュスランの仲間を見てきました。


南房総のシュスラン達の多くは南方系だと思うので
温暖化の影響などはないと思っていました。

オオシマシュスラン、ハチジョウシュスランなどは
まだ何とか見ることができますが
多くの山頂周辺にあったシュスランの大群落は
どこも衰退しているか、ほとんど消えてしまいました。


一か所は猪が掘り起こしてしまい、その後はキョンの食害だと思います。
後は台風で上を覆っていた樹々がなくなり乾燥化してしまったり
フウトウカズラが勢力を増してきて自生している地面の全てを覆ってしまい
その下にいるシュスランが衰退してしまった・・・・・などなど
原因は1つではないと思いますが、その衰退のスピードは速いです。
食害以外はやはり温暖化の影響かもしれません。

渓谷沿いには、シュスランの咲くお気に入りの場所もあるのですが
あまりにもヤマビルが多い場所ですので、一度首に巻いたタオルが
赤く染まってからは、足を踏み入れていません。





・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-





肝心のナツエビネ
やはり裏年なのか花芽を付けていない株が目立ちました。












それでも薄暗い森の中で綺麗に咲いた株も見つかりました。















辛い行程もこれで報われました。

花を目的にした山歩きも、そろそろ終盤。
次は秋風の吹く爽やかな稜線を歩きたいと思っています。












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