コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

カゴメラン ~ ジュエルオーキッド

2018-09-19 18:57:36 | 登山


花の季節も終わりが近づいてきました。山や沢を分け入って行かないと
出会うことができない花は、今日のシュスランの仲間で終わりかもしれません。

シュスランの花はもう残り花だと思いますが、午前中はシュスランとミヤマウズラの交配種
を探しに山奥へと・・・・・以前に微妙な株を見たことがありましたので、今回は本腰入れて
探して見ようかと思います。





   





場所によっては株が点在していましたが、以前に出会った林床一面を覆いつくしていた場所へ
向かうと、どうも森の印象が以前と違ってスカスカになりはじめていました。
フウトウカズラが地面を覆っていた森の林床は土が出ていて、シュスランどころか
フウトウカズラも消えてしまっていました。

そこに生えている植物といえば、アリドウシと痩せた細いカクレミノくらいです。
カクレミノは一番上に葉があるだけで、不思議な姿です。
これは、凄い勢いで食害にあったような感じがします。
土も掘り返されている所が多く、それはイノシシの仕業でしょうね。











コクランの大株の群落があった場所へと行ってみると、株は全て姿を消していて
よく見ると小さな株だけが数株のこっていました。
一度全部食べられてから、また新たに葉が出てきたのか、若々しい葉に小さな花が咲いています。
花の時期は過ぎていますが、遅れて葉が出てきたので今頃になり花を何とか咲かせたのでしょう。












房総の山は標高が低い里山ばかりですので、
わずか2~3年の期間で一気に森の植生が破壊されてしまった感じです。


この山だけでなく周辺を歩いて見ると、以前はあまり見かけなかった
オカダイコン、ガンクビソウなどが妙に多く見かけるようになりました。




   







        




午後は渓谷に咲くオオシマシュスラン、ハチジョウシュスラン、カゴメランなどを見に
まずは一山登ってから沢へと降りて行こうと思います。途中の森などにもシュスランの仲間は
咲いています。

ヤブランの花を見ながら、マテバシイに覆われた森を適当に道を拾って行きます。











所々にマヤランが咲いていました。










森がしっとりとした感じになってくると、オオシマシュスランが出てきます。










カゲロウランも何処かにいるのですが、なかなか目線に入ってきません。

探していると、ようやく数株の小さな群落を見つけました。
花は咲きはじめたばかりです。















ハチジョウシュスランもいます。












適当な所から沢へと降りて行くことにします。

下りやすい場所を探しながら行くのですが、今回は少し源頭に近い場所へ
降りて見ようと思い、いつもとは違う方向へとGPSを見ながら行ってみました。
・・・・これが途中から難儀で・・・・猛烈な藪に何度もブロックされる・・・・・・











蜘蛛の巣だらけになりながらも、何となく下草にシダが多くなってきたので
沢も近いと思っていたら、すぐ先の一段下に沢が流れていました。












一時は引き返すことも考えましたが、何とか緑にうずもれた薄暗い沢に到着。












しかし、これが本来の南房総の森の姿です。

6月に新しくGPSを買い替えたので、ロストすることもなく安心して降りてきました。
前の古いタイプは、渓や深い森に入ると稀にですが正確に測位しなくなることがあり不安でした。

腰を下ろす所もないので、樹に寄りかかり休憩タイム・・・・

森の中で周りの樹々を眺めながらの休憩は、安らぎの時間ですが
初めてこの森に来た時は、何ともいえない畏怖の雰囲気が漂っていて
人が来るところではないのかな・・・・というような印象でした。
それでも周囲を探索すると、見たことがない花風景に出会うことができて
今ではエキゾチックな南方の森の雰囲気を楽しめるようになりました。
ただ蜘蛛、昆虫、爬虫類などと仲良くできない人には、辛い森かもしれません (^^

落ち着いたので、さっそく周辺探索。
すぐに、ハチジョウシュスランがいました。











オオシマシュスランもいます。

ときどき、葉ッパの真ん中に細い白線が入る株も見ます。











奥の2株はカゴメ模様があります。
















これくらいならカゴメランと言っても良いのかもしれませんが
この森には、もっと神秘的で美しい葉を持ったカゴメランが住んでいます。

薄暗い沢沿いを探していると・・・・・いました!
この株ですね、花も咲いています。






















・・・・まさに、ジュエルオーキッドと呼べるランです。

葉の色がシュスランのような深緑で光沢があり
白の模様もハッキリしていて、本当に美しい葉です。












沢沿いは厳しい環境で、台風や大雨で景色が変わってしまうほど荒れてしまい
今まで何度も消えてしまった群落がありました。
来年も咲いてくれることを願うばかりです。

急な法面の上や岩棚のような場所にも、けっこう多く見られます。
たぶんオオシマシュスランですね。

















きっと上から落ちてきたのでしょう、この上の森にも多く自生しているのでしょうね。

ここ何回か雨上がりの探索ばかりで、毎回ドロだらけになってしまい
おろしたばかりの新しいザックも泥だらけになってしまった・・・・・
そろそろ、さわやかな秋晴れの尾根を歩きたいと思っています。



9月18日












コメント
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霧雨の丹沢表尾根 ~ ジョウロウホトトギス

2018-09-12 06:26:06 | 登山


ジョウロウホトトギスが見頃を迎えたと思い雨上がりの表尾根へ・・・・









ヤビツ峠へ車を走らせていると、薄暗かった空の切れ目から朝日が差し込み青空も見えてきました。
期待していなかった展望も楽しめると思いましたが、峠を越えたら再び霧雨が落ちてきました。
菩提峠の駐車場に到着すると周りは霧で真っ白、小雨も降ってきたので車中で準備をして出発します。
気温は17度、一気に秋のヒンヤリした空気に入れ替わりました。

今まで表尾根ではヒルを見たことがありませんでしたが、前回のユーシンでも初めて見かけたので
こんな濡れた道だと心配ですので、ヒル対策をして足元を何度もチェックしながら歩きましたが
一度も見かけることはありませんでした。この低い気温も影響しているのかもしれませんね。

霧雨の中、三ノ搭に到着。

















しっぽりと濡れてしまい、避難小屋で着替えて雨具を上下付けて霧雨の尾根歩きスタートです。
ジョウロウホトトギスの咲く頃は、だいたいこんな天気の日が多いのですが
稜線はヒンヤリとして風もあり、雨具を付けても汗ばむことがなく
秋の花を眺めながらノンビリ歩けました。











ウメバチソウが咲きはじめています。











知らないうちに登山道は整備されていて木道歩きが増えました。
いづれは蛭ヶ岳まで木道になるのだろうか・・・・


















ハンカイシオガマが点々と咲いています。











アキノギンリョウソウ












表尾根のブナ

堂平あたりとは少し姿が違う感じがします。











いつも途中から支尾根を渓へと降りて、花の咲いていそうな所を適当に登り返すのですが
今回は少し場所を変えてみました。チェーンスパイクを着けて慎重に下降します。

枝をつかみながら降りて行くと沢音が聞こえてきました。
今日は増水していて、アチコチの法面からも水が流れ落ちて、小さな小滝を作っています。
渓底は霧で薄暗く相変わらず霧雨も落ちていますが、見上げると黄色いジョウロウホトトギス
の花が点々と咲いているのが見えてきました。











































しばらく、ぼけ~っと眺めていました。

風が吹くと枝や葉に着いた雨粒が一気に落ちてきてくるので、カメラを濡らさないように
気を使いながら何枚かシャッターを切りました。

ここから渓を詰めて尾根に上がるのは難しい感じがしたので、もう少し渓を下りてみます。

最初の取り付きだけは厄介な感じですが登りやすそうな斜面がありました。
霧で霞んだ斜面を見上げると、途中の岩には点々とジョウロウホトトギスが咲いているのを確認できます。

雨で緩んでいるので慎重に・・・・・

































花付きが良いですね、イワシャジンも咲き初めていました。












斜面を登ると痩せ尾根になりトラバースしながら詰めていくと縦走路に出ました。
ほんとうは、もう少し周辺を探索する予定でしたが、足場も悪くこんな天気ですので、
今回はこれで終わりにしました。霧雨の中でしたが花を見ることができたので良かったです。

この後は表尾根を久しぶりに塔ノ岳へ・・・・・
と歩きはじめましたが、一向に天気は回復する兆しがないので、帰りたいモードに・・・・


帰りに三ノ搭の避難小屋にまた寄って、2度目の着替えをしてから
薄暗い中でお昼を食べて帰りました。












9月11日







コメント (4)
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