危険極まりないアフガニスタンで医師として尽力され、昨年、お亡くなりになられた中村哲さんの『天、共にあり』を読んでいる。
読めば読むほど、素晴らしい人格と行動力とぶれない理念の持ち主であるということが上乗せされていく。
ほんの少し前、テレビで、『アフガンに必要なのは、薬以前に水だ。つまり、砂漠化していく土地に水をもたらし、作物を作り、飢えから脱却していくことだ。アフガンの人の自らの力で。』というぶれない信念のもと、熱中症で死人も出るというガンベリ砂漠に20キロに及ぶ灌漑用水路を重機も物資もほとんどないという、普通だったら、そこで断念するような過酷な環境で完成させ、初めて水を送り込むときの映像を見た。
それより、数か月前、葬儀の映像を見た。
それ以前、あんな危ないアフガンで、医師として奮闘されているというニュースを見て、命がけがどうしてできるのだろうと心がもぞもぞとした記憶がある。
そして、今、ご本人の書かれた本を読んでいる。
全然、違うんだからね。
ロシアやアメリカの政治的な軍事介入のおかげで、国中が引っかきまわされ続ける中での、そして、アフガンの人たちの不思議な一貫していない人間関係が入り混じる中での、まさに混沌の中での灌漑用水路の完成なんて、ありえないレベルの話なのだ。
ということが、この本でよ~~~~~~~~~~~~~~~~くわかった。アフガニスタン=タリバンにやられる何やら危険な国・・・という荒っぽい図式では描き切れない世界を、中村哲さんは描いてくださった。
中村哲さんの文の綴り方が、めっぽううまい。
噛めば噛むほど、美味しい文章。
この本1冊に、歴史のぐちゃぐちゃと地理の知恵と〇〇がに凝縮されてる。
人生の岐路に立ちすくんでいる柔らかい心の持ち主に届けたい究極の1冊かもしれない。
少なくとも、わたしは、この本を4人の息子たちに届けたい。
〇〇は、最後に。
1
福島伸一さんの動的平衡
銀色夏生さんのある1点
そして、中村哲さんの〇〇
私の中で、ぶれない人に共通の何かを探す旅が始まった。
勇者 とは、中村哲さんのような方を言うのだろう。
その原点が、『天、共にあり』に記されている。
昆虫大好き少年だった中村哲さんは、九大医学部を卒業され、好きな昆虫との時間を失いたくなかった?という理由もほんの少し手伝って、肥前国立病院の精神科医としてスタートされた。そこで、出逢ったある自殺未遂をされた統合失調症の患者さんに「生きる意味感がないのです。先生はなぜ生きているのですか。」と問われ、答えに窮され、その時、悟られた。
「自分」や「個人」という実態があやふやなものだ。
ヒトとして、生物個体としての自分はあるが、精神生活においては「自分」や「自我」呼ぶものが、はなはだつかみどころがない。
「人間とは関係である」という難解な言葉を理解したような気がした。
哲学者で精神科医のヤスパースは明快に述べている。
「一人で成り立つ自分はいない。自分を見つめるだけの人間は滅ぶ。他者との関係において自分は成り立っている。」
そして、フランクルの言葉が続く。
読めば読むほど、素晴らしい人格と行動力とぶれない理念の持ち主であるということが上乗せされていく。
ほんの少し前、テレビで、『アフガンに必要なのは、薬以前に水だ。つまり、砂漠化していく土地に水をもたらし、作物を作り、飢えから脱却していくことだ。アフガンの人の自らの力で。』というぶれない信念のもと、熱中症で死人も出るというガンベリ砂漠に20キロに及ぶ灌漑用水路を重機も物資もほとんどないという、普通だったら、そこで断念するような過酷な環境で完成させ、初めて水を送り込むときの映像を見た。
それより、数か月前、葬儀の映像を見た。
それ以前、あんな危ないアフガンで、医師として奮闘されているというニュースを見て、命がけがどうしてできるのだろうと心がもぞもぞとした記憶がある。
そして、今、ご本人の書かれた本を読んでいる。
全然、違うんだからね。
ロシアやアメリカの政治的な軍事介入のおかげで、国中が引っかきまわされ続ける中での、そして、アフガンの人たちの不思議な一貫していない人間関係が入り混じる中での、まさに混沌の中での灌漑用水路の完成なんて、ありえないレベルの話なのだ。
ということが、この本でよ~~~~~~~~~~~~~~~~くわかった。アフガニスタン=タリバンにやられる何やら危険な国・・・という荒っぽい図式では描き切れない世界を、中村哲さんは描いてくださった。
中村哲さんの文の綴り方が、めっぽううまい。
噛めば噛むほど、美味しい文章。
この本1冊に、歴史のぐちゃぐちゃと地理の知恵と〇〇がに凝縮されてる。
人生の岐路に立ちすくんでいる柔らかい心の持ち主に届けたい究極の1冊かもしれない。
少なくとも、わたしは、この本を4人の息子たちに届けたい。
〇〇は、最後に。
1
福島伸一さんの動的平衡
銀色夏生さんのある1点
そして、中村哲さんの〇〇
私の中で、ぶれない人に共通の何かを探す旅が始まった。
勇者 とは、中村哲さんのような方を言うのだろう。
その原点が、『天、共にあり』に記されている。
昆虫大好き少年だった中村哲さんは、九大医学部を卒業され、好きな昆虫との時間を失いたくなかった?という理由もほんの少し手伝って、肥前国立病院の精神科医としてスタートされた。そこで、出逢ったある自殺未遂をされた統合失調症の患者さんに「生きる意味感がないのです。先生はなぜ生きているのですか。」と問われ、答えに窮され、その時、悟られた。
「自分」や「個人」という実態があやふやなものだ。
ヒトとして、生物個体としての自分はあるが、精神生活においては「自分」や「自我」呼ぶものが、はなはだつかみどころがない。
「人間とは関係である」という難解な言葉を理解したような気がした。
哲学者で精神科医のヤスパースは明快に述べている。
「一人で成り立つ自分はいない。自分を見つめるだけの人間は滅ぶ。他者との関係において自分は成り立っている。」
そして、フランクルの言葉が続く。