四男が、おととい、しかも、夜、寝る時間になって、急に「宅習したくなった。何か問題集とかない?ノートは?」と言い出した。びっくり。
え~~~、もう、9時半なのに今から始めたら11時になっちゃう。と思いつつも、こんなことはめったにない。否、初めてのこと。このチャンスを棒に振ったらいけないと思い直して、本棚から、お兄ちゃんたち用に購入したけれど、一度も使ってくれなかった小学校高学年用の問題集とか漢字ドリルをみつくろって渡した。というか、四男は、忘れ物が多すぎるという理由で、教科書もドリルも学校に置いてきているので、宅習する気が今までなかったんだけど。
完成した宅習ノートを見て、うっとり。いつもになくきれいな字で漢字を書いていた。
なんで、急に?
そういえば、お風呂に入っている時、「僕も先生にほめられたいなぁ。」ってつぶやいていた。
前代未聞の発言にびっくりするやら、ちょっとうれしいやら。
お~お~。やっと、欲というものが出できたなぁ~。
感無量。
今まで、勉強でほめられんとするスタンスがほとんどなかったもの。
そして、そのあとで、こんなことも言っていた。
ある意味すごい。私は、そんなこと、とても怖くてできなかった。むしろ、正反対の性格だったなぁ。
すべての問題を解けないといけないというような強迫観念があった。解けないと悔しいというより、解けないといけないというような。別に、親からは勉強のことで何一つ言われた記憶はない。怒られたことなんて一度もない。かといって、やたら褒められたという記憶もない。元々の性格?
そんな自分と正反対な息子たちって、大好き。
やりたくないからしないという素直さが好き。
そりゃぁ、いつかは、やりたいからするというスイッチに切り替わってほしいけど。
そのあと、四男は、テストについてこう語ってくれた。これも、また、すごいって感心した。
「今度のテストは、最後まで解こうとしたよ。今までは、めんどくさいなって思ったら、問題も読まずに適当に答えを書いて、残りの時間は遊んでいたけど、今日のテストは、頑張って、全部の問題をみた。めんどくさいと思ったら、答えは適当に書いたけど、問題は全問一応読んでみた。」とさ。
トホホ。
ところで、ということは、彼にはほめられたいからという理由で何かをするという感覚があまりないということだ。
大人になって心の問題を抱える人の中には、認められたいという承認欲求に翻弄される人が多いという。意識してかしなくてか、ずっと、人に認められるために頑張ってきた人は、自分というものがないまま生きてきてしまって、なんだかわけのわからない空虚感や寂しさに襲われるようになるらしい。その寂しさを埋めるために、何かに依存して気を紛らわす。
センスがいい悪いではなく、人が振り返るような派手な格好をする人も、誰かに認めてもらいたい気持ちの現れだという。
認めてもらうために頑張るということが心の中で大きすぎると、自分が小さくなる。自分が見えなくなる。
でも、四男のようになさすぎも困ったもんだ。
お勉強に関しては、もうちょっと欲があるといいんだけどなぁ。親としては・・・。
ただ、これだけは言える。
四男の心は、しっかり、丸ごと“自分”だ。
人に認めてもらいたいために自分を押し殺して何かをするという、おそらく、実は、世の中で最大の裏切り(自分に対する裏切り)だけはしない、シアワセな人生を歩いていける可能性はある。青い鳥が、しっかり、自分の中にある。青い鳥を求めてさすらうことはなさそうだ。
ただ、めんどくさいから問題も最後まで読まずに適当に答えを書くことは、問題。
彼にとっては、難しいのだ。解こうという気がおこらないくらい。
目の前の山が、富士山のように高く聳えたつ。
最近、それが、1,500メートルクラスの山になったようで、だから、先生に褒められたいというような素直な気持ちが芽生えてきたのだと思う。
認めてほしくっても、あまりにもレベルが高くてあきらめていただけなのかもしれない。
「だって、僕は頭が悪いもん。」って、ときどき、ふとした時にもらす。
劣等感だけは抱かせたくない。
先日、お昼の番組で、子どもの勉強特集をやっていた。
国語の苦手な子には、算数の文章問題を解かせるといいって言っていた。
今の四男なら、タイミングとしていいんじゃないかな。
でも、3年生の頃にさせたら、国語よりはまだましな算数すら嫌いになったかも。言葉の関する国語の脳が全然育ってなくて、文章問題を解かせるのに一苦労どころか苦労の三重苦だった。最後はいつも怒鳴り合いのけんかで終わってしまう情けなさ。最初は、優しくするんだよ。でも、口答えはするし、クソババァっていうし、聞いたから答えを導こうとするのに、答えそのものを教えないから、途中で私の言葉をさえぎってくる。そんなことをされてもなお優しくなんかできっこない。腹が立って腹が立って、優しさなんか吹っ飛んでしまって、ギャーギャーわめき散らす日々にいい加減あきあきしていた。
あ~~~~。でも、彼の脳はまだまだ、5歳児。
先日、義理母が転んで肩を骨折して入院した。そのお見舞いに行ったら、1,000円もらったよう。そのお金で早速、ホネホネザウルスを買ってきて組み立てて、ホネホネまんごっこの世界に入り浸っている。「ヒューヒュー、ビュルビュル、プシュー…。」と相変わらずやっている。もう5年生なのに。
でも、仕方ない。彼の脳は、まだまだ、根っこを太く長く這わせる作業をしているのだと思うことにしよう。
プシューっという世界を卒業した時に期待しよう!