総合漢方にんぷ薬・総合漢方育児薬

~頭を使ってではなく、カラダ(感性)で子育てしてみませんか~

 イスラム国じわり

2015年07月20日 | エッセー
 イスラム国の戦闘部隊は、日本人にとって、まだまだ、遠い国の話だと思っていた。
 甘かった。
 やばいよ。やばい。イスラム国は、イスラム教の人の多い国のすべてにその支配の領域を拡大しつつある。
 イスラム過激派というマフィアが世界規模になり、石油というお金と武力に物言わせて勢力をどんどん拡大している。彼らにあって、欧米の軍隊にないもの・・それが、今、彼らにとって最大の武器。それは、ジハードと呼ばれる自爆テロ。死をもいとわない人間という武器に勝るものはない。現代において。1900年代は日本も含めて死を持って戦うのが当たり前と言えば当たり前の時代だった。でも、今は人権尊重が優先される時代に進化している。なのに、イスラム国はまた、1900年代に逆行した人権感覚で戦っているのだ。欧米諸国の空爆は、民間人もいる中での空爆なので、躊躇だらけになってしまう。自分たちも死なない。民間人も死なせない。イスラム過激派だけを空から狙い撃つことは不可能に近い。
 ほんのちょっと前までは、中東の危険と言えば、イスラエルとパレスチナの戦争のことだった。それが、いつの間にか、イスラム国と隣接の国々の話になっている。イスラエルはどこにいったのだろう?
 そう思っていたら、今は、イスラエルもイスラム国の侵略に厳戒態勢に入っているらしい。
 マララの話は、イスラム過激派による侵略の終わりではなく、始まり・・・・かもしれない。

 アルカイダのナンバー2くらいの地位にある男性にインタビューしたフランス人ジャーナリストの本を読んだ。2015年5月に発売されたばかりの本。
 
 恐怖政治はいつかは滅ぶだろう・・とよその国感覚で他人事としてとらえていたイスラム国。
 しかし、どうやら、そんな甘いものではなさそうだ。
 オサマ・ビン・ラディンは、9.11にアメリカの高層ビルに2機の飛行機を突っ込ませた。
 彼は、アメリカが嫌いみたいだってことは知っていたけれど、その理由はよくわからなかった。
 
 1900年代は、石油をめぐって世界がまわっていたんだなぁ~って百田尚樹氏の『海賊と呼ばれた男』を読んで、自分の無知に愕然とした。石油産出国であるイスラム諸国は、自分の国の石油なのに、欧米諸国にいいように吸い取られ、貧しさから脱却できないでいた。しかし、2000年代に入り、どんな形でか知らないけれど、石油で潤えるような時代になってきた。アラブ首長国連邦なんてすごい。国民の平均所得が800万円だもの。
 で、アメリカの石油利権にまつわる狡賢さへの恨みつらみを晴らしたいという思いを抱いたビン・ラディンは、アフガニスタンでアルカイダを結成していった。たぶん・・・。
 戦後、アメリカは、石油の力ででっかい家に住み、でっかいステーキを食べ、でっかい夢をみれた。
 なのに、同じように石油という資源豊富なイスラム諸国の人達は、おしんさながらの貧しさを生きてきた。独裁政治がそうさせたのかもしれないけれど・・・。
 もし、私が、金持ちだけど、自分の利権ばかりに目を奪われないタイプの人間だったら、甘い汁を吸い取るだけ吸い取ろうとする、でも、世間的には民主主義というきれいごとで乗り切ろうとするアメリカという超ずる賢い国をやっつけたいって思うかもしれない。



 今朝の新聞に、イラク・サウジアラビアがOPECの協定を破り、石油の増産に踏み切ったという記事があった。自分の国の石油なのに、自分で好きに産出して何が悪い?って強気になってきたという。昨年、アメリカで新しい油田が開発されて、アメリカが増産したものだから、OPECで中東の石油価格が下がり、中東は、量で儲けるか価格を上げるかという悩ましさの中で、増産に踏み切った。背景には、イスラム国という存在が大きいという。軍事力を拡大しなければイスラム国に乗っ取られるほど、イスラム国がイラク国内で勢力を増している。

 イスラム国のトップの座にいるラグ・バグディーという人物は、昔、アフガニスタンでアルカイダの一員として活動していた。ビンラディンが掴まって、その後、主要メンバーだった幹部たちが7~8名アメリカに留置されていたという。
 しかし、今、読んでいる本によるとなぜだかわからにけれど、アメリカはこのメンバーたちをある時期に、釈放したのだという。おそらく、イスラム過激派と言われるいろいろな派の中で、アメリカにとって、最も脅威だったのはアルカイダで、アルカイダの勢力を弱体化するために、派閥同士の争いにより、アルカイダに所属しながら、アルカイダから別の派へ鞍替えしたいというようなタイプの幹部たちを釈放したのではないか・・・・・と。2012年の頃?

 釈放した当時、彼らは、アメリカの思うとおりに動いてくれた。ごく最近まで、アルカイダとイスラム国は反対の立場にあったという。しかし、この1年のイスラム国の勢力増大は、ラグ・バグディらを釈放したアメリカの予想をはるかに超えており、アルカイダの兵士たちは、イスラム国のメンバーに入りつつあるという。風向きが変わった。
 アメリカとしては、アルカイダの弱体化は予想通りだったけれど、イスラム国のこの勢いは想定外だったらしい・・・。

 アメリカにとって、ビンラディン率いるアルカイダは、テロを起こす頭脳集団として脅威であった。一目置いていた。しかし、その子分であるラグ・バグディはやんちゃ坊主ってくらいの認識で、まさか、ここまでの勢力をもつグループのトップになれるような人物とは思ってもいなかったという。

 昨日の新聞には、アメリカがイランに核を持たせないという協定を結んだ・・経済制裁を解くという条件で・・・というような記事が掲載されていた。もし、イランが核を保有し、イスラム国と仲良くなったらと思うと、ぞっとする。
 マフィアがネットにより、世界規模になっちゃったって感じだ。
 アルカイダは民主主義の国と言いながら何でも我が物にしてしまうアメリカに対する憎悪をテロという手段で訴える。ある意味イデオロギーがある。しかし、イスラム国はどうか・・・というと、ただただ、国の拡大。
 もともとは、フセイン大統領の独裁政治で、イスラム教のいろんな宗派をどうにかこうにか一つにまとめていたところに、アメリカのブッシュ大統領がイラクに核兵器に関する何かがあるという疑いから多国籍軍を率いて湾岸戦争を始めた。
 でも、なかった。
 その後、しばらく、というかつい2年ほど前まで、アメリカの軍隊がイラクの治安のためにイラクの○○派を政府の要人として選び、△△派を軽視するような人選で統治していた。○○派の恨みはここからスタートしたらしい。
 ○○派は、一見大人しくなっていったように見えたけれど、しっかりとその根っこは残存していた。アメリカ軍がイラクから、治安はもう大丈夫だろうということで撤退したとたん、息を吹き返した。ラグ・バグディらが、アメリカから釈放されたころと一致するという。
 そして、現在に至る。
 昨日(7月18日土)、イラクのバグダッドでシーア派の大規模な集会(ラマダン明けを祝う市民)を狙って、3トントラックが自爆テロを行い、115人の死者を出したとニュースで伝えていた。
 ネットという今の戦い方と死をも怖くない自爆という太平洋戦争の頃の戦い方の両方を兼ね備えての戦い方と、狙った街に先に潜伏させてリーダーを抹殺して骨抜きになったところを攻撃するという手法で、イスラム国はじわりじわりと世界を狙っている。

 安倍首相率いる自民党が集団的自衛権を強行採決した。
 先日の新聞に、イラクに派遣された自衛隊員たちの自殺者が5000人中28人とあった。多いなって思った。この時、対応した自衛隊の精神科医が、派遣された多くの隊員たちが、その後も精神疾患にかかっていると語っていた。
 戦闘の場にはいない。後方支援というルーティンは退屈。でも、危険がゼロではない。いつ、砲弾がキャンプ地内にとんでくるかわからないという不安の中でビクビクしているという日常。実際、このお医者さんも砲弾がすぐそこに着弾、爆発という体験をされたという。
 今日のテレビでは、後方支援で派遣された元自衛隊員がインタビューに答えていた。実は、後方支援である食糧等の輸送部隊が一番狙われる・・・と。そうか、敵を落とすためには、まず、食糧を断つことからだよね。

 集団的自衛権以前の問題だ。
 
 何が一番怖いかって、これだけ、学者や作家だけでなく多くの国民が反対しているにもかかわらず、強行採決したという空気が怖い。自民党議員のお一人お一人の本音は賛成なのだろうか、それとも反対なのだろうか?
 昨日のテレビで、ある自民党女性議員が地元での支援者との酒の席で、国民にきちんと説明できていないことが問題であって、きちんと説明すればご理解いただけると思うと言っていた。支援者の60代の男性たちも、賛成だと言っていた。
 人間は場が変われば善人にも悪人にもなる可能性を秘めている・・・ということをこの女性議員さんは認識されていないのだろうなぁって思った。だから、人間が場によって愚かにならないために憲法があるのだと思う。憲法学者が違憲と言っているのにそれを無視することが危険なのであって、集団的自衛権の理解を求めることはその後のこと。
 
 すべての戦争は、防衛から始まる・・・・という。

 強行採決という行為そのものが、きな臭い。

 政治に無関心という若者たちも、動き出した。

 わたしは、戦争反対をどの角度から訴えていこうか・・・。
 母なるもの・・・から。
 『おおかみ子どもの雨と雪』のあの母なる愛をどれだけ多くの子どもたちに抱かせることができるか。
 
 今、イスラム国に世界中から、母なる愛をもらえなかった青年たちが戦闘員として集まっているように私には見える。
 雨と雪のように、母なる愛をもらえた子どもたちは、どんなにハンディがあっても、大きく迷いながらも、思春期を乗り越え自立していける。でも、母なる愛をもらえなかった子どもたちは、命を自爆という形で差し出すことさえ躊躇しない。

 ネット社会はすごい。イスラム国は世界規模で母なる愛をもらえなかった青年に最後の生きる希望を与えているのかもしれない。

 だから、日本の自衛隊が集団的自衛権を獲得しても、自爆すら厭わないイスラム国の戦闘員にはかなわないような気がする。
 

 
 
 
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マララパパ

2015年07月11日 | エッセー
 小学校高学年向けのマララの本を相変わらずちっとも読書をしようとしない四男に読んであげること2週間。昨夜、やっと、読み終えた。
 毎晩、1時間くらい読んであげているのに、読破するのに2週間以上かかった。
 彼は、夜な夜なほねほねザウルスの妄想の世界でうっとりしている。
 でも、なぜだか、ちゃんと聞いている。1時間も聞き続けるって、結構しんどい。かなりの集中力がいる。それは、えらいと思う。でも、いい加減、自力で読書してほしい。マンガ本でいいから読んでって言っても、それもしようとしない。トホホ・・・。
 読んで思った。
 この本を、学校で読み聞かせしてあげたら、戦争とか平和という抽象的な言葉が自分事としてカラダに染み入って理解できていくんじゃないかなぁ。そして、『恐怖で操る独裁者の罠にまんまとかかってしまう人間とはそういうものさ』という人間社会の弱点をしっかり認識できる。だからこそ、言論の自由と戦争をしないことを保証する憲法という見張り番が絶対必要なのだと確信する。右翼とか左翼とか関係なく、そういう教育は必須だと思う。
 道徳の教科書をこのマララの本にしてもらえたらいいな。

 マララの本を読んでいくと、じわりじわりと人々を恐怖におとしいれてていく様が、マララの弟とケンカするごく普通の女の子の日常の平和な描写と交互に描かれ、生き生きと臨場感溢れる言葉で迫ってくる。マララの口から溢れ出す言葉を著者がそれはそれは、生き生きとした言葉で綴っている。翻訳がすばらしいのかな?あんな風に言葉を輝く言葉に変換できたらいいなぁ。
 戦争の悲惨さではなく、じわりじわりと恐怖で支配していく姿は、写真とか映像より文字の方が、はるかに心に迫ってくる。恐怖で人は動けなくなる。無抵抗になる。下手をすると告げ口してしまう。
 それにしても、独裁者ってすごい。怖い。テクニシャンだ。人を恐怖感で操っていく技術にたけている。マララの物語に登場するファッズルーラーという名の独裁者は、今、オサマビンラディンの後継者となり、アルカイーダのトップの地位に登りつめた。
 アルカイーダ、あるいは、タリバンの拠点はアフガニスタンだったけれど、東隣のマララの住むパキスタンまで侵入し始める。そのパキスタンのリーダーが、ファッズルーラーだった。いかにもって名前だよね。ファッズルーラー。響きがとても独裁者ぽくって、すぐ覚えちゃった。
 ファッズルーラは、イスラム教に関係する大学の中退者で、イスラム教をちゃんと学んでいない人のよう。彼は、最初、ラジオ番組でイスラムの教えを語り始めた。いいことも言うけれど、どちらかというときちんと戒律を守らないとどうなるか・・・みたいなことも話すタイプ。それでも、話術にたけていたのかなぁ。テレビのある家は少なかったので、マララの住むミンゴラの町ではラジオ放送の流れた翌日には、ファッズルーラの語った内容についての話題で持ちきりだった。
 住民の心をつかんだら、徐々に徐々に、戒律を厳しくしていく。
 しばらくして、ミンゴラの町一帯が大地震に遭遇して大変だったときに、政府よりなにより真っ先に駆けつけて支援をおこなったのがファッズルーラ率いるタリバンの一軍だった。
 これで、わしづかみだ。
 ミンゴラの住民は感謝した。
 そして、それから、だ。
 ファッズルーラは、女子の教育を批判し始めた。
 女子だけでなく、子どもの教育も。
 パキスタンの学校を破壊し始めた。
 もちろん、女性は外出もままならなくなった。例のあのカラダ全身を覆うブルカを着ないで町を歩いていたという理由だけで、見せしめとして路上で処刑され始めた。鞭うちの刑も頻繁に行われるようになる。そして、ついに警官も処刑され始めた。
 そして、そして、勉強が大好きなマララにとって最悪な事態、女子は学校に行くなという。
 パキスタンでは、多くの女の子が14歳くらいで結婚する。だから、教育をうける必要はないと。
 だから、マララは訴え続けたのだ。女の子にも教育を!と。 
 ミンゴラの町がタリバンに一時征服されて、でも、どうにかパキスタン政府がタリバンからミンゴラの町を取り戻して、女の子も学校に行けるようになった。と思った矢先、マララは、帰りの通学用のトラックを襲撃されて、銃弾に打たれ、どうにか一命は取り留めたもののかなりの重傷の傷を負った。

 マララの本を読んで、たった10歳11歳なのに、女の子の教育についてメディアのインタビューを受けて自分の考えを自分の言葉で話すなんてすごいってびっくりした。だって、読んでいる私の隣で四男は、ほねほねザウルスでホネホネごっこに浸っている。く~~~。この違いは何?
 たった10歳の女の子が女の子にも教育を・・と世界に向けて発信する、しかも、タリバンに怯むことなく。
 でも、この本を読み進めていくうちに、マララもすごいけれど、マララがすごかったのはマララのパパの存在の大きさによると納得できた。マララのパパは、悪に屈しない本物の強さを備えた偉人である。
 子どもは親の背中を見て大きくなるんだなぁ。
 ドキッと。
 あ~~、なんとみみっちぃ背中。私の背中もだし、夫もかなり。私の両親も。義理の父母も。
 ま、カエルの子はカエルだもんね。
 結構、精一杯育ててきたつもりだけど、みみっちぃ。どんなにあがいても、みみっちぃ。
 我が家のことで精いっぱいで。

 マララパパは、りっぱな人だ。
 マララパパの職業は、小学校・中学校の学校経営者。教壇にも立っていると思う。教育こそ・・・という思いで一から学校を作り上げ、一番多いときは1,000人以上の生徒がいた。女子にも教育をという理念で、女子校ももちろん。イスラム教は、多分、男女平等的ではない宗教だと思う。明治時代の頃のような男女に対する感覚があるんじゃないかなと想像する。そんな風土の中で、男女関係なく子どもたちに教育の機会を与えようという考えを持って実践している・・・そのものがすごいことだと思う。
 でも、車を持っていなかった。
 100人くらいは、学費を払えない生徒も学校に受け入れていた。だから、貧乏。食べるものには困らないけれど。いつも、先生たちの給料の工面に苦労していた。
 それだけでも、十分尊敬する人物。それが、マララパパ。
 でも、それだけではない。
 ファッズルーラが恐怖でミンゴラの人々を支配しようと、自分の考えに反する人たちを血祭り、見せしめにしても、200以上の学校を破壊しても、なお、怯むことなく、新聞に投書したり、政府に要望をしたりし続けた。
 自分が理念を通すことで殺される可能性が高い(事実、次はお前だというような予告リストに載っていた)とわかっていても、教育(女子の教育も含む)の権利を死守するために言葉で闘い続けた。
 ただ、マララパパもまさかタリバンが子どもの命を狙うとは思っておらず、マララが、世界のメディアのインタビューを受けることや政府の会議に出席して、女の子の教育について訴えることをやめさせようなんてオムわなかった。しかし、マララにも『次は君だ。』というような怪文が届いたりして不吉な予感はしていた。イギリスに亡命してパキスタンに帰ってきて、首相になったばかりの初の女性首相、ブッド氏も就任後わずか1か月で暗殺されており、女性だから殺されないなんてことはなかったけれど、まさか、子どもまでとは思わなかったらしい。
 しかし、悲劇は起きた。
 通学帰りの通学用トラックを信号で止められて、左頭部に銃弾を浴びた。
 マララはどうにか九死に一生を得た。
 目覚めたのは、銃で撃たれて1週間後。そこは、パキスタンではなくイギリス。
 現在、マララは家族と共にイギリスで暮らしている。マララパパは、イギリスの外務省で働いている。
 やっぱりどこにでもいるのね。
 マララ一家を妬む人たち。
 わざと銃で撃たれてイギリスに亡命したんだっていう人たち。
 妬みは、この世の常。

 イスラム国が今のような状況である限り、アルカイダとは一線を画しているとはいえ、情勢はかなり不安定。マララたち一家が、祖国に帰れる日は遠そうだ。
 というか、イスラム国、ちょっと、否、かなり、やばい。
 世界全体を巻き込み始めた。
 

 
 
 
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マジで2025年問題

2015年07月02日 | エッセー
 団塊の世代が、75歳以上になるのが10年後。
 10年後の2025年に国民健康保険の運命が決まる。
 厚労省は、国民皆保険という素晴らしい制度を崩壊させないように、本気になった。やっと。
 とにかく、入院を減らす。ただ、ただ、入院を減らす。
 外来のお薬なんか、入院費に比べたらかわいいもので、医療費の2~3割。
 そして、入院の中でも、生活習慣を改善したらよくなる重症化した血管病(糖尿病・高血圧・脂質異常症の結果おこる心筋梗塞などの心臓病・糖尿病性腎症・脳卒中)をどうにかしたいということで、特定健診が始まった。
 人工透析は年間500万円かかる。昔は、透析をしたら10年と言われていたけれど、今では20年30年大丈夫な時代となった。つまり、透析に入る年齢が40歳くらいと早いと、30年×500万円=1億5,000万円かかることになる。
 国は、一人でも減らしたい。1年でも透析導入を遅らせたい。
 人口の0.5%の人が医療費の10%を占めるという現実。
 重症心臓病もいったん入院して手術とかすると500万円かかる。
 脳卒中で介護が必要になるとやっぱり、500万円くらいかかる。
 糖尿病になってインシュリン注射になると年間50万円。
 全て税金でまかなっている。
 だから、消費税が8%になった。もうすぐ15%になる可能性があるとも言われている。
 今からの10年間、生活習慣によって重症化した血管病である脳卒中・重い心臓病・糖尿病性腎症による人工透析になって入院しないよう国民に協力を求めてきている。
 もし、国民健康保険がなくなったら怖い。70歳代という、収入はないのに老化による病気が出始める年代に、ちょっとの手術で100万円なんてとても払えない。むり。絶対無理。
 だから、まずは、今の60代の方が、積極的に生活習慣をほんのちょっとでもいいので変えていただく。
 低所得の人にとって、医療費は高くなるは、消費税が15%になるは・・・・となると、生活が本当に大変になる。
 宮崎県の平均所得は、全国で下から3番目である。そして、1位の東京都の半分の220万円しか所得がない。なのに、消費税は一律15%。格差社会もいいところだ
 ほんの少し前、メタボ・メタボって何がメタボ?って思っていた。
 チガウノダ。
 高血圧だけなら、薬が効くけれど、内臓脂肪がたくさんあればあるほど、薬が効きにくい。内臓脂肪そのものからも血圧を上げる物質が分泌されるし、インスリン抵抗性と言って、インスリンの量はいっぱい出ているのに、膵臓が疲れ果てて性能の悪いインスリンしか作れなくなって、効きが悪い。ちゃんと働けないインスリンは使い物にならない。暇を持て余して、血管の中をウロウロして高インスリン血症になる。高インスリン血症になると、塩が腎臓からおしっことして出にくくくなる物質が出る。すると、血液の中の塩分濃度が高くなり水を呼んで、血管がパンパンになり、血圧が上がる。インスリン抵抗性は、真逆の働きをする物質も出してしまう。血管をギューッと収縮するレニンという物質も分泌されるのだ。パンパンとギューッとの狭間で血管もさぞ、悩ましいことだろう。内臓脂肪(20歳の頃より10㎏以上増えた場合)は、血管に対して血圧を上げる作用機序が正反対の物質を出してしまうので、正反対の薬を二つ出すわけにもいかず、効きにくくなる。 
 内臓脂肪が蓄積されて、高血圧・高脂血症・糖尿病の三つが重なっている人は、内臓脂肪蓄積だけの人の36倍も心筋梗塞などの重症化した心臓病になりやすいと言われている。
 重症化した心臓病で入院して手術とかすると、500万否それ以上かかることもある。
 国は、ここをどうにかしたい。
 内臓脂肪の蓄積をなんとかできれば、重症化しないから。
 だから、特定健診が始まった。
 
 痩せましょうと言われると抵抗感がある。
 わかっているんだもの。
 
 まず、野菜から食べることで高インスリン血症にならない。
 だから、子どもは9時には寝るというように、小さい頃から、当たり前のように、まず、野菜から食べるという文化を作り上げていってはどうだろう。
 それが、当たり前になればいいだけだと思う。
 学校給食も、とにかく、まず、野菜から食べることをマナーとする。
 野菜嫌いな子どももいるだろうけれど・・・。
 日本人が、まず、野菜から食べることを実践できたら、生活習慣病になる人は激減するはず。
 時代ががらりと様変わりしたのだ。飢えと闘ってきたものすご~~~~~~~~く長い時代とおさらばして50年あまり。ということは、インスリンをムダ遣いする時代に突入して、まだ、たったの50年。カラダはまだ、それに対応できていない。せめて、まず、野菜から食べるという文化
 
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